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2017年9月10日

茶通箱の本意を学ぶ

雲鶴先生招請研究会 

千田文雪(岩手不白会)

 九月十日、岩手不白会峰雪会では雲鶴先生をお迎えして「茶通箱」の研究会が行われました。
 相伝として扱われる茶通箱ですが、初めに茶通箱本来の意味や用途、種類、茶事においては主客の呼吸の重要性等についてご指導いただきました。
 実践では、お客様がお気に入りのお茶をお土産にお持ち下さったということで、亭主が用意したお茶と、お客様から頂戴したお茶との二服を楽しんでいただこうと進めて参りました。貴重なお茶を入れている茶通箱ですから、亭主としては大事に取り扱いたいと考え、まずは急がず、一つ一つの点前を丁寧に進めようと努めました。このことが一本一本の運指に現れ、茶通箱の大事なお点前として残されているのかと思うと、社中内の相伝にも今までにも増して丁寧に扱い、その意味もしっかり伝えていこうと思いました。  雲鶴先生には、相伝書の行間をも紐解いてご指導いただき、大変有り難く感謝の念で一杯でございました。

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2017年8月27日

家元招請研究会を終えて

家元招請研究会 

根本宗久(福島不白会)

 自宅で茶事ができるだろうかと不安がありましたが、私に今できる身の丈にあったおもてなしならと思い、お引き受けしました。
 東日本大震災から六年が過ぎましたが、自宅の小さな庭に草花はありません。汚染された土は新しい土と入れ替えられ、草花も根こそぎ削り取られてしまいました。今の向かい側に川を挟んで緑の竹林が見え、そしてかすかに聞こえる水の音がおもてなしでした。家元、支部長の白井先生、社中の渡辺先生の三人のお客様でした。
 家元は軽井沢での一人生活の楽しいお話など緊張をときほぐす雰囲気を作っていただき、私の緊張もとけていきました。家元から、お話の運び方など気付かされ学ぶことができました。何より自然体で対応できたことが嬉しく思いました。
 後座は、濃茶付薄茶を召し上がっていただきました。お道具のお釜や、建水、服紗など、仙台で江戸千家のお茶を習っていた義母の品を使わせていただきました。嫁の私へと江戸千家の縁が繋がり、義母も空の上から喜んでいたと思いました。
 午後の反省会では、お客様を迎えるにあたり、ひとつひとつの準備がいかに大切であるか実感したという感想がでました。今まで茶会の手伝いはしていても、自分で茶事をやることの大変さがよくわかり、お茶を通しての人との縁を大切にしていきたいと思ったなどが、話されました。全員が、自宅の茶事を行ってよかったし、多くのことを学ぶ事ができたとのことでした。
 いつも家元がご指導されているように、どんな場所でもお客様を迎える側の心があれば自宅での茶事はできることを実感いたしました。  自宅の茶事を実践された皆さんに家元御筆の色紙を一人一人がいただきました。

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2017年7月7日

青葉の仙台便り

川上雲鶴

 頑張って続けて来られた仙台の稽古場がやむなく休止となりました。しかしながら、仙台の方々や家元の熱意によって昨年九月より再開。少人数の中、岩手不白会の先生の助力を得て月二回の稽古を続けております。
 毎回、部屋のしつらえに始まり、炭、花、濃茶等、皆で手分けしながらの一回で楽しく一日が過ぎます。岩手の千田先生や皆様の様子を見ていると、私も教えられることがたくさんあり伺うのを楽しみにしております。今後仲間を増やすべく努力してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

初釜にお客様を迎えて(1/14)

家元による炭のくべかたの指導(12/24)

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2017年7月5日

熊谷・長野 喫茶往来

家元教場研究会 - 自宅の茶 

今井光雪(熊谷不白会)

 思いがけず長野不白会の松本様からのお誘いを受け「自宅の茶」にお伺いして参りました。
 初座ではシルクロードのお軸を拝見しながら、佐久の食材がふんだんに盛り込まれたお手製のお料理を堪能させていただきました。後座には丹精込めて育てられたお花が涼やかに生けられており、丁寧に練られたお濃茶がより一層おいしく感じられました。お軸やお茶碗に因んだ中国のお話は楽しくて、出かける機会の少ない私はご一緒にシルクロードを旅した気分でした。   普段の研究会では他の支部の方々とゆっくりお話する時間はありませんが、ご亭主の明るいお人柄でお話が弾み、連客の皆様ともども楽しいひとときを過ごさせていただきました。家元のおっしゃる「喫茶往来」、十月の研究会には、松本様に我が家にお出でいただけることになりました。今から楽しみです。

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2017年6月26日

めざして百歳

今井光雪(熊谷不白会)

 梅雨の晴れ間にほととぎすの声が聞こえてきます。家元におかれましては、ご健勝にてお過ごしのことと拝察いたします。
 過日は母にお心のこもったプレゼントを頂戴いたしまして、ありがとうございました。母も私も社中の者も皆びっくりしてしまいました。先日の稽古日に頂戴いたしました色紙をかけて、お茶事の勉強会をいたしました。母も九十三歳になり、耳も大分遠くなりましたが、社中と過ごすお茶の時間をとても楽しみにしております。お家元様のエールを心に、大好きなお茶を一日も長く楽しんでほしいと思います。
 お家元のご配慮に心より感謝申し上げます。

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2017年6月18日

「自宅の茶」で廻り花

家元招請研究会 

吉川恭子(青森不白会)

 お伺いした山本先生のお宅の二階に上がると、広い洋間の寄付に、家元の筆による「つつじ咲く門跡寺院の雅かな」の掛物が掛かっていました。下に活けられた芍薬と露草が風情豊かで、しばしそこで歓談しました。
 一献では心のこもったご馳走を、続いて名菓「鮎」をいただいた後に移動。廊下伝いに造られた露地には筧が涼やかな音をたてておりました。
 本席は立礼でした。思いがけず、「廻り花を」と所望され、稽古不足の私は大変困りましたが、逃れることもできず、床柱の竹の掛花入に、見よう見まねで挑みました。貴重な経験になりました。
 濃茶に続いて薄茶、野点もできるという広いバルコニーでフルーツまでいただき、時間を忘れて優雅なひと時を過ごしました。
 反省会では、八席の客と亭主の話から、趣向を凝らしたおもてなしの多様な表現を知ることができ、大変勉強になりました。「自分で点てたお茶を自分も一緒に呑む事で、初めてお茶の味や湯の加減が分かる」という宗匠のお言葉が、心に残りました。

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試行錯誤の自宅の茶

家元教場研究会 - 自宅の茶 

奈良恵雪(青森不白会)

 未熟な私が席主になりました。我が家にお茶人をお招きする。寄付は書斎を仕切ってカーペットを敷き、茶室は仏壇の扉を閉めました。庭から隣の洗濯物が見えます。水屋を隠していた古い屏風を立てました。すると水屋は丸見え、台所までも見えてしまいました。どうしましょう……衣桁がある、衣桁を屏風のようにして立てて、布を垂らしました。床のお軸は「大国主命と兎」(荒川静淵画)、花入は「泊舟」杜若とシマフトイを活けました。
 時分どきでございます。粗飯を差し上げます。飯は紫蘇塩を散らし、そっと型押して、汁は海老、豆腐、千切みつば、向付は、鯛の昆布締め、菊大根の酢の物にオクラを添えて、香の物は茄子ときゅうりの醤油漬け、八寸は帆立てと茹えんどう。お酒は地酒「亀吉」。お客さまは明るいお方たちで固くなっている私をほぐしてくださいました。主菓子は鮎の塩焼きかと思われんばかりの「鮎姿」、鮎の塩焼きには蓼酢です。この時期、道路にまで広げているイタドリ、これも「蓼」イタドリの葉を主菓子の下に敷きました。
 お濃茶、ゆっくり、ゆっくり練りました。お湯も上々。五名様で、私もご自服を勧められいただく、美味しいです。ほんに静かでした。これより続けてお薄を差し上げます。座布団を出し干菓子「竹流し」と「薄紅」、お茶碗は「九谷木米」歪の茶碗です。面白いのでお喜びのご様子でした。
 寄付で焙じ茶を差し上げて終了しました。午後の報告会、宗匠からは力強い御筆「涼風吹衣抱衾臥」をいただきました。次回は、お床に掛けようと思います。楽しい一日でした。

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2017年6月17日

亭主になって気付くこと

家元教場研究会 - 自宅の茶 

中野里雪(新潟不白会)

初座 テーブルにて洋食
 床 啐啄  中川一政
  料理 ワイン 吟醸酒
   前菜 キスのマリネ バゲット添え
      ホワイトアスパラガス
   コンソメスープ
   のどぐろのハーブ焼
   とりどり野菜の梅ゼリー和え
   生姜ご飯 香の物
   葛焼

後座 小間にて濃茶 続き薄茶
 床 竹 掛花入 田中泰阿弥
   花 マツモトセンノウ 鳥足ショウマ
     ツリフネソウ
   茶碗 斗々屋
●感想
 一、お客様が興味を持って話をリードしてくださり、そこから話が発展し、つながりや共感を持つことができました。ひとえにお客様の力で交流を深められたと感じています。
 一、自宅の茶では自分の今まで生きてきた全てが出ると思います。良いものを見たり、感じたり、考えたりする毎日の積み重ねが大事だと痛感しました。
 一、たどたどしい亭主でも、周囲がしっかり支えてくれましたので、安心しておいしいお茶を点てることに専念できました。茶事はチームプレイ、数多くの作業と準備を整えてくださった半東さんと水屋がいてこそと感じました。
 一、漠然とした不安や自信のなさが実践をとおして具体的な課題と解説策に変わりました。実際に亭主を務める事で何を勉強したらよいのかがよりはっきり見えてきました。(お迎えつけや、水のまき方等)  一、洋食では前半、盛り付けた料理を銘々にお出ししたので使用するお皿が多すぎたようです。あらためて向付の器を最後まで利用する会席料理の合理性に気付きました。

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2017年6月16日

祖母の愛した百花園で追悼茶事

家元教場研究会 - 自宅の茶 

佐原華雪(東京不白会)

 主:佐原華雪  半東:丸山宗恵  水屋:岡部南雪
 客:疋田宗静様 横溝圭仙様 加賀秀雪様

 祖母の追悼茶事でしたので、やはり百花園のお成座敷を使い「祖母が愛した庭と座敷で、楽しくゆっくり、笑って偲ぶ」を主題として用意を進めていきました。
 茶室は芭蕉の間。中の間を支度部屋とし、お成の間に点心席をあつらえました。道具は百花園にゆかりがある物と祖母が懇意にしていただいた方々の作品をなるべく用いて、作品の経緯をお話しできればと思い取り合わせました。また、居心地良い宴会を提供することを心掛けていた祖母に習い、点心を召し上がっていただく部屋にはテーブルと座椅子を用意し、祖母制作の一代記アルバム、茶の湯の方々との写真集を数冊置きました。
 点心の後、写真を見ながら少し歓談を楽しみ、茶室にて濃茶と付薄茶を召し上がっていただきました。先生方の思い出話が尽きなかったので、テーブル席へ再び戻りほうじ茶を飲みながら、色々な話題を楽しみました。
〈考察〉  この度、人生で初めて茶事の亭主を務めさせていただき、一人で行う茶事は私にはまだまだ不可能だと再認識しました。右も左も良く分からないまま手を挙げてしまった私に、岡部さん、丸山さんが親身に助言と提案をして下さり、当日の点心の用意も陰の段取りも、ほとんどをしていただきました。
 そしてこんなに拙い茶事に御足労いただいた先生方に感謝すると共に、祖母の思い出に新しく、この偲ぶ茶事も入れていただく事ができたら幸いだと思っております。
 茶事を終えて家で点心の残りを家族と一緒に食べて薄茶を点てて飲んだとき「はあー」と自然と一息ついている自分がいました。お料理や濃茶がとても美味しかったことを改めて心の底から認識しました。自分がどんなに緊張してお客様に対していたか、自分が一番茶事を楽しめていなかったことに気付きました。
 今後何年掛かるかわかりませんが、いつかはお客様も自分もゆっくりと楽しめる茶事ができるようになりたいと思いました。
 沢山の道具と有り難い程に頼りになる人間関係を築いてくれた祖母と、今回の自宅の茶事をもつ機会を与えて下さった家元に、改めて感謝いたします。今後も励んで行きたいと思っております。

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2017年6月14日

高層ビルの茶室で一服

家元教場研究会 - 自宅の茶 

清水艸香(東京不白会)

 鈴木宗明様のご新居、お茶室は高層ビルの十五階。林立するビル群、家並みを眼下に見下ろし、まるで空に浮かんでいるような心地がいたしました。広いベランダには竹垣に大ぶりの鉢の蹲、和の設えで大層風情がありました。京間のゆったりとしたお席に通され、客は石橋先生、宮井先生、私の三名、半東はご亭主の弟様、終始和やかに過ごさせていただきました。
 お手作りの松華堂弁当、お菓子は「紫陽花」、お濃茶は、万葉集和歌「むささびの……」と家元が箱書きされた百碗展でのお茶碗で見事に練られた美味しいお茶を頂戴いたしました。
 今回は亭主客共にお仲間だった事もあり、なれ合いの雰囲気とならないように研究会のテーマがきちんと実践できるよう心した一日でした。

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2017年6月13日

「自宅の茶」を実践して

家元教場研究会 - 自宅の茶 

千田文雪(岩手不白会)

〈亭主の感想〉
 東京からお二人と花巻からのお客様をお迎えしました。遠路お越しくださったお客様に岩手の夏にふれていただきたく、薄茶を初夏の風物詩チャグチャグ馬ッ子の趣向(馬上杯 馬鈴蓋置 槍鞘建水)で差し上げました。また、社中の皆さんには大事な実践の場と捉えて主体的に茶席つくりに取り組んでもらったので、お茶の奥深さの一端を感じられたようでした。鶯、夕影鳥、郭公の声、雑草と乱れ咲く花々、緩やかな川の流れに助けられながら、都会の喧噪からしばし放たれ、岩手の夏を味わっていただけたのなら幸いです。旧知の友の如くに交わることのできたひとときでした。
〈客の感想〉
 北上川が流れ森林の中、季節の花が咲き、小鳥のさえずる声を聞きながら、先生の自宅の茶事にお招きいただいたこと、東京に戻ってもあの風景が目に焼きついています。数々のお料理は全て心のこもった品々でした。大変勉強させていただきました。賢治記念館にも最後までおつきあいいただき、本当にお世話になりました。

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初めて家元教場研究会に参加して

家元教場研究会 - 自宅の茶 

青木宗幸(東京不白会)

 一昨年にお看板をいただいたばかりですが、今年の研究会に初めて参加させていただく機会に恵まれました。
 全国いろいろな所からおいでになった皆様の熱心なご様子に私も家元のお話をメモにとり、また目に焼きつけるようによく拝見させていただきました。脇床に置かれたつぼやお盆などを、私たち参加者に直に手に取らせて下さいましたことは、とても貴重な体験でございました。
 特にお軸のお話は毎回とても印象深いもので、書かれた方のお名前やその背景などを知ることができ、とても良い勉強となっております。
 先日の第二回目の折には、蓮華庵にお客として入れていただき、テーブルでの一献と和韻点てを堪能しました。郡司さんのお席は心尽くしの酒肴の品々とワインで、大分や静岡からいらした方々の地元のお話、おいしいお茶を点てる秘訣など、話題も時間も豊かに過ごすことができました。雨に映える緑の静かなお庭を眺めながらのお席で、忘れられないことでございます。
 自宅の茶事、今年のテーマ、日頃あまり考えておりませんでしたけれども、茶の湯を学ぶ者にとってとても大事なことであると改めて思い至りました。いつか実践できたらと思います。

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2017年5月30日

六年越しの岩手と長野の交流

家元教場研究会 - 自宅の茶 

高橋宗敏(岩手不白会)

 この度のお客様は長野支部の方々で、第十八回全国連合不白会高知大会での観光のバスの中で席が前後で話が弾み、岩手に行ってみたい、長野にもと、六年越しで実現致しました。
 寄付には家元の色紙
  「たっぷりの濃茶飲み干し半夏生 手捥の枇杷の甘さほのかに」
を掛けてお迎え致しました。
 お席には「流水寒山路」のお軸、後座には庭からカザグルマと鳥足ショウマを青磁の鶴首に生け、点心はできるだけ岩手の食材を使いました。
 向付は鯛、小鉢を氷頭なます、ホヤに山菜のミズ、椀物を玉子豆腐に焼雲丹、預鉢には生ハムをアスパラに巻き、お酒は釜石の浜千鳥、山菜は北上産で整えました。初座ではすぐにお相伴をさせていただき、半東さんに動いていただきました。
 家元の短冊と食材で話が弾んで楽しい初座になりました。
 後座の濃茶席はお軸との繋がりを考え、水指を萩焼の「編笠」を取り合わせ静寂の中でゆったりと過ぎ、続きお薄で楽しい会話の時を過ごさせて頂きました。お客様方にただただ感謝申し上げます。

自宅の茶で拡がる輪

李 宗福(長野不白会)

昨日は自宅の茶に岩手の高橋宗敏先生のお宅に長野より四名お招きいただきました。
 寄付広間には家元の大色紙、

たっぷりと濃茶飲み干し半夏生
手捥ぎの枇杷の甘さほのかに

 ご主人様が庭のビワをとって来て下さった事を記して色紙を送られてきたと大変喜んでおられました。
 小間では大徳寺の”流水寒山路”のお床にお花、風車が見事に青磁の花入に活けられておりました。香合は古木に波の蒔絵。濃茶も「百碗展」で求めた物で、豪快にたっぷりと点てていただき、点心の後だけに格別美味しくいただきました。ご亭主様も御相伴されました。終いは広間で果物、ほうじ茶、半東も交え雑談に話が弾み、お水屋の永井さんも加わり、証拠写真を。どんな写真ができますか?
 楽しい自宅の茶は、どんどん輪が広がって行く事でしょう。

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2017年5月28日

仙台藩のお姫さまの遺愛品を用いて

家元招請研究会 

蟻川宗順(群馬不白会)

 遠隔の中之条町に家元、会長をはじめ五人のお客様をお迎えしました。
 皆さん到着し、寄付から家元の声が聞こえてきます。夢ではなく、私の家においてです。気を静め席入りし、いつもと変わらぬ家元の姿を拝見し、ほっとしました。家元が自然の風を希望されたので、クーラーを止め五月の爽やかな風の中、茶事を進めました。
 季節がら山菜中心の粗飯を召し上がって頂きました。後の反省会で指摘がありましたが、料理の品数は少なく、ゆっくり味わえる事が大切とのこと。本当にそうでした。限られた時間に用意した品をお出ししなくてはと、気持ちが急いてしまい、亭主の都合を優先し、召し上がるお客様の配慮を忘れていました。大切な課題となりました。
 中立ち、後座の準備。床に菖蒲の花、仙台萩、風露草を飾りました。後座、つづき薄茶でお茶を召し上がって頂きました。
 当日の道具ですが、主人の父親の伯父に仙台藩のお姫様、桃子さんがお嫁入りして来ました。若くして亡くなり、形見となったお嫁入り道具の茶道具を使いました。長く使われる事もなく平成の年、この日にお家元、皆さまに御覧頂けたこと、さぞ喜んでいることと思います。桃子さんを忍び、仙台萩を席に添えさせて頂きました。

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2017年5月26日

十和田中学校二年生たちの大福茶

阿部行成(岩手不白会)

 盛岡桜山神社の例大祭では、毎年岩手不白会男子の亭主にて大福茶のお振る舞いを致しております。今年は鹿角市立十和田中学校の生徒五名様が大福茶席にお越し下さいました。
 「三十センチもある大茶碗で抹茶を皆でいただくのは大変貴重な体験ができた」と喜んでいただき、体験した生徒さんから岩手不白会にお礼状が届きましたので、ご紹介致します。
 「大きいお茶碗に皆で順番にお茶を飲み、和菓子を食べ、お茶の苦味に美味しく合わさってより美味しいなと関心しました。昔の文化にふれて楽しみながらも学べることができました。お茶の違う味も知ることができて楽しかったです。ありがとうございました」
 佐藤公英先生からは「鹿角市は以前、南部藩の領地であり百五十年の時を経て自分たちの殿様を祀る神社でこのような体験ができたことに不思議な縁を感じます」といただきました。
 こちらこそ中学生の皆様と楽しい時間を共有できましたことを、厚く御礼申し上げます。

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2017年5月16日

自宅の茶に家族として参加して

家元招請研究会 

山口三男(歯科医(佐賀県))

 先日、家元が自宅にお越しになるという事で、私も参加することにしました。当日、お客様に少し緊張気味な挨拶をした後、席に着きました。作法を全く知らない私に、妻は懐紙を渡して「皆様のされるように」との一言のみ。額にうっすら汗が浮かんだのを覚えています。会食中、皆様が私のたわいのない話にもにこやかに対応して戴き、少しずつ気持ちが楽になってまいりました。その後濃茶をいただく事となり、静寂の中、釜の湯の「シュー」という響きのみが部屋に広がり、非日常の心地よい緊張感に包まれている感じがし、とても新鮮な体験をさせていただきました。
 日頃、妻が出入りの業者やスタッフに抹茶を出していて、それを皆が楽しみにしているようです。毎日の生活の中に、この伝統文化は生き続けて欲しいと願うばかりです。

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2017年5月15日

風薫る五月に家元を迎えて

家元招請研究会 

飯田宗美(須坂不白会)

 風薫る五月でございます。
 昨日は我が家にお出でくださいましてありがとうございました。
 初めての自宅の茶は自分の事で精一杯で、お客様を思いやる余裕がなく、中途半端な挨拶から始まり、玄関の打ち水や花への霧吹きなど、基本的な事を忘れ、不手際が思い出され赤面しております。
 そんな中でもお客様のあたたかな見守りを感じながらお陰様でとても楽しく幸せな一日を過ごすことができました。
 いつか余裕をもって亭主を務められるよう経験を重ねて参りたいと思います。
 色紙「国破在山河 城春草木深」を賜りまして誠にありがとうございました。まずはその色紙のお披露目の茶席を実現したいと考えております。

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2017年5月13日

自宅の茶 ―家元をお迎えして―

家元招請研究会 

市川宗恵(長野不白会)

 去る五月十三日、家元はじめ三名のお客様を拙宅にお迎えして「自宅の茶」の実践となりました。
 緊張と不慣れな私は会話などいろいろな点でつまずきながらでしたが、家元の優しいお言葉やお心配りに感謝と感動の気持ちで一杯になりました。
 午後の全体会では家元より直筆の大色紙を頂戴いたしました。
 後はその句についての解説書が届き、内容を読んでいるうちはるか昔の伯祖父の姿が脳裏に浮かんできました。
 晩年俳句の大家と言われた伯祖父はいつもボロのような服を着ていました。お家元のご配慮で「お取り替えを」とのことでしたが、とても心魅かれるものがありこのまま大切にいただき置きたくお願い致しました。
 今回の研究会を終え、家元の広いお心に感謝しつつこれからも益々精進しなければと大色紙を前に自分に言い聞かせております。

家元招請研究会に参加して

依田宗康(長野不白会)

 長野不白会では、自宅の茶を取り入れ実践しております。私は自然豊かな西軽井沢の市川宗恵様のお宅に、家元、李先生と共にお伺い致しました。今回は生憎の天気で観ることができませんでしたが、浅間山が円窓に映えるお茶室で、おいしいお茶をいただき、点心では家元のご配慮で、大きな丸テーブルでご亭主、半東さんも一緒に頂きました。ご亭主の心のこもったおもてなしに感謝申し上げます。
 それから全体会では、他のお茶席の様子も伺うことができました。立派な松のある素敵なお庭と本会席も楽しめたお席や、愛らしいお孫さんがお茶を点てる姿に会話も弾み、和やかなお席の様子が伝えられました。家元は自宅の茶では、ご家族、特にご主人様のお茶席への参加を奨励されておりました。会の最後では、家元の篠笛に合わせ彼方、此方から歌声が聞こえ、心地良い雰囲気に包まれました。このように楽しく温かみのある江戸千家に出会えたこと、改めて感謝しています。お茶と共に日本文化を微力ですが、少しでも広めていくことができれば幸いでございます。長年お休みをいただき、二十三年ぶりの招請研究会で、お久しぶりに家元にお会いでき、懐かしく嬉しく、色々な思いが込み上げてまいりました。

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2017年5月12日

喫茶往来で元気で楽しく

家元教場研究会 - 自宅の茶 

中尾宗禮(新潟不白会)

 新緑の美しい季節となりました。
 この度は大色紙を頂戴いたしまして、誠に有り難うございました。とても良い記念となりました。
 五月十二日「自宅の茶」ということで、遠方より有川宗良、金井宗美、松田清雪様にご来新いただきまして、大過なく終えることができました。
 早速にお礼状を頂戴しました。楽しく幸せな一時を共有出来ました上に、皆様からたくさんの元気をいただきました。年を重ねます毎に世間が狭くなってまいるのが普通のようですが、―喫茶往来―これからも元気に茶道を学びながら楽しんで参りたいと存じます。

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2017年5月9日

自宅の茶―庭の芽吹きをご馳走に

家元教場研究会 - 自宅の茶 

白井宗節(福島不白会)

 我が家は山の中の長閑な所なので、芽吹きを眺めながら一服差し上げたい旨案内状を送付しました。高知の石元様、東京の中村様、阿部様から参加のご返事をいただきました。
 当日、半東役の太田さんに車で迎えに行ってもらい、出迎え挨拶の後、十一時三十分から、八寸程度で一献。私も持ち出し一緒に話をしながら戴きました。
 中立の後、待合でお菓子を差し上げ、鳴物で茶席へ入席いただいて濃茶付薄茶にしました。
 亭主として一番良かった事は、招いた目的の芽吹きを眺めることが出来たことです。庭の一番美しい時に来ていただくことができました。主人が手入れしている庭でつつじが色とりどりに咲き誇り、この日牡丹が満開になりました。
 遠方からお出でいただき恐縮でしたが、実施できた満足感を味わいました。

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