2017年11月12日
2017年11月5日
新潟茶会
伊藤宗翠(新潟不白会)
十一月五日北方文化博物館沢海本館において、第六十五回新潟茶会が開催されました。
新潟不白会は、大呂庵において薄茶席を中尾宗禮先生がお持ちになりました。私もお手伝いさせていただきました。
最近は天候が急変し、前日の準備は凄い嵐でしたが、当日は青天に恵まれ安堵いたしました。立礼席でお床は、流祖不白筆「時雨画賛」、花入は「丹波らっきょう形」で残花十一種類が入り、香合は銘が「柚」駒沢春斎造、お客様は三百名で素晴らしいお道具にいつまでも名残惜しそうに見入っていらっしゃいました。
私はお客様に一時を愉しんでいただきたいと重い、お正客をお願いしたり、お点前をしたりと何役もさせていただきましたが、お客様から素晴らしいお席でした、お茶が美味しかったです、という言葉が耳に入ってきて、安心いたしました。お社中全員で協力しあってお客様をお迎えできたことで、お茶会が終わった後も疲れを感じる事なく、楽しい余韻のまま帰途に着くことができました。
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2017年10月7日
家元の色紙を掲げて一席
福士宗久(岩手不白会)

「みちのくの 秋刀魚とどきし 舌づつみ」
家元からいただいた我が家の宝です。
十月七日、盛岡市の上田公民館まつりで立礼席を持つ機会があり、掛けさせて頂きました。当日は肌寒く雨模様でしたが公民館を利用しているお年寄りのご夫婦や子供連れのお母さんなど大勢が訪れ、栗しぼりのお菓子と暖かい抹茶を召し上がっていただきました。
中には、抹茶がこんなにおいしいとは知りませんでした。お代わりできますか、と尋ね、おいしそうにいただくおじいさんもいました。
今年は秋刀魚が不漁で水揚げされても細身が多く、家元が描かれた秋刀魚は脂が充分にのって美味しそうなので、お客様には目で秋刀魚を、舌で八女の抹茶を味わっていただくことができました。
迎える私達は同期の仲間、阿吽の呼吸で足りないところは笑顔と声を掛け合い、一期一会の茶席を務めました。終えてみて、このような茶席は初めてだったがとても楽しかったと話されたお年寄りの言葉が嬉しかったです。
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2017年10月1日
実践「自宅の茶」
家元招請研究会
嶋本ふみ枝(熊谷不白会)

爽やかな秋晴れの佳き日、お客様にはるばる籠原までおいでいただきました。家元に「どうぞご主人もご一緒に」とお声がけいただき、お言葉に甘えて、一献茶事に初座からお相伴させていただきました。家元には明るく和やかな雰囲気を作っていただき、気持ちが和み、平常心でお濃茶を点てることができました。数カ月前から庭の草取り、茶室の片付け設え、一献のメニュー、器選び等々、苦労と思っていたことが、ある時私の中で、楽しみに変わっていったように感じます。これを機に「自宅の茶」を是非実践していきたいと思いました。
〈主人からのお礼の言葉〉
「お茶」とは、礼儀、形式美を重んじ、サヤサヤと竹林を渡る風、チンチンと鳴る湯の音に耳を澄まし、静謐なひと時を過ごし、心を磨くもの。従って自分とは遠い世界、というのが私の考えでしたが、毎晩毎晩寝床でお茶の本を読み、作法を繰り返している家内を見ていると、家庭平和の為にもこれは協力しないわけにはいかないと思い、当日は力不足ながら、家元にご挨拶させていただきました。家元には気さくに対応いただき、不躾ながらお茶を飲む作法をお尋ねしたところ、「お茶碗を両手で大切にいただき、ゆっくり味わいながら飲むこと」とお教えいただきました。このお言葉を今後の私のお茶に対する心構えとし、家内と共にお茶の道を楽しみたいと思います。
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2017年9月18日
「自宅の茶」で思いますこと
家元招請研究会
田代宗代(新潟不白会)

研究会二日目、敬老の日「自宅の茶」の実践です。
雲鶴先生、中野先生、桒原先生が我が家へお越し下さいました。お待ち合いにご案内し、頃合いを見て、座掃きを持ち爪先に力を入れ、お迎え付けにあがりました。
掛物は、お家元の「只」を掛けました。道具組は、長板二つ置き、八寸の後、炭点前です。とめ炭を入れる頃「パチパチ」と音がして

ほっと致しました。中立の後、濃茶、薄茶と進めてまいりました。
お点前の最中に、雲鶴先生の会話のご様子、立ち居振る舞いに、心奪われました。沢山のお手本をお示しいただき、心に深く刻みました次第です。お客様方のご配慮にもお助けいただきました。
思い描いた万分の一も、おもてなしが叶いませんでしたが、家元の「自宅の茶」のご指導で、このような機会をいただき、今までの自分のあり方を振り返ることが出来たように思います。お客様に美味しい一碗を差し上げられますよう、心を込め只ひたすら精進してまいります。
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2017年9月13日
良寛さんをテーマに一期一会の交流
家元招請研究会「自宅の茶」
宮迫宗勇(新潟不白会)
当日は、朝から雨模様でしたが、幸いお客様が自宅へ到着され席入り十分前くらいからすっかり雨も上がり、露地へ下水を打つ必要もないくらいすがすがしいスタートができました。また県外からお出で頂いた方々に、少しでも新潟を感じていただきたく慈愛と清貧に生きた、越後が生んだ良寛さんをテーマに寄付、床、そしてお菓子を工夫してみました。
私事ですが、庭の紅葉の木に数日前から野鳩が巣を作り二個の卵を産み、親鳥が懸命に卵を温めている姿を皆でそっと覗き見ることができました。正に啐啄。翌日にはかわいい二羽の雛が元気よく誕生しました。
遠方よりお出でいただきました皆様とは、普段家元の教場でご挨拶を交わす程度でしたが「自宅の茶」を通じてこのような和やかな一期一会の交流ができました。そしてお天気にも恵まれまた、めでたい鳩の誕生にも助けられ無事終了することができましたことに改めて心より感謝申し上げます。
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家元の色紙を掲げて
家元教場研究会 - 自宅の茶
宮井艸栄(東京不白会)
「生のホヤ 秋田のキュウリ 酒爛漫 時雨来る中傘さして宴」
数年前の「自宅の茶」の際に、家元から頂戴した色紙を床に掲げました。
この色紙が話題になり、何とも言えない素敵な雰囲気を想像しながら、そして各自の地域の話なども出て和やかでした。
今まであまり話したことがなかったお客様と、とても親しく交流することができました。おつき合いのあったお正客、次客とは今までより以上親しくなりました。初回の自宅の茶の時はとても緊張しましたが、今回は準備中も楽しさを感じ、「次はどのようにしようかしら」と色々と案が浮かんできました。
反省点も沢山あります。特に当日の準備の時間配分が下手でもたもたしてしまった事です。社中の手伝いでようやく間に合いました。「自宅の茶」を勧めてくださいまして、ありがとうございました。
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2017年9月10日
自宅の茶に招かれ
家元教場研究会「自宅の茶」
遠藤柊雪(高田不白会)
五智窯の陶芸家、木村先生のお宅に家元と他三人でお招きいただきました。
残暑厳しい日でしたが、香川景樹の波の掛物が涼しげに私達を迎えてくれました。初座には朴葉の上にぼたんの大輪の花が咲いている様な鱧の切り落としに梅肉をあしらい、鰻の鮨に浜梨と水菜が添えられた八寸から始まりました。美味しい地酒をいただきながらさすが陶芸家、素晴らしい自作の鉢に秋の味覚が美しく盛られ、一口吸物には千切の栗、そして、きのこごはんと贅沢な初座が終わり中立です。後座へとお声がかかり、先ほどの部屋に案内されました。入ると燈が落とされ、目の前には葛のつるが天井から艶かしく奥ゆかしく畳まで垂れ下がり、花生けの口元に一輪の甘い香りを漂わせる葛の美しい花が……。まるで別の部屋に通されたようでした。秋の味覚が余韻を残す口の中に、冷たいふまんじゅうがふんわりと心地よく咽を通ってゆきました。
薄暗い部屋、テーブルの上には涼しげなガラスの瓶掛、キャンドルの炎が妖艶に揺れており少しいびつなお茶入からお茶を汲み出して点前をしているご亭主の姿はまるでシルエットを見ている様でした。それはそれは美味しい和韻点ての一服でした。
初座、後座の流れの中、家元と和やかにお話ができ、尚且つお話が弾みました事に感謝感謝の念で一杯です。ちなみにお茶杓は、宇宙船アポロ号が人類を初めて月に送った年に家元が作られた、銘「静の海」でした。
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茶通箱の本意を学ぶ
雲鶴先生招請研究会
千田文雪(岩手不白会)

九月十日、岩手不白会峰雪会では雲鶴先生をお迎えして「茶通箱」の研究会が行われました。
相伝として扱われる茶通箱ですが、初めに茶通箱本来の意味や用途、種類、茶事においては主客の呼吸の重要性等についてご指導いただきました。
実践では、お客様がお気に入りのお茶をお土産にお持ち下さったということで、亭主が用意したお茶と、お客様から頂戴したお茶との二服を楽しんでいただこうと進めて参りました。貴重なお茶を入れている茶通箱ですから、亭主としては大事に取り扱いたいと考え、まずは急がず、一つ一つの点前を丁寧に進めようと努めました。このことが一本一本の運指に現れ、茶通箱の大事なお点前として残されているのかと思うと、社中内の相伝にも今までにも増して丁寧に扱い、その意味もしっかり伝えていこうと思いました。
雲鶴先生には、相伝書の行間をも紐解いてご指導いただき、大変有り難く感謝の念で一杯でございました。
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2017年8月27日
家元招請研究会を終えて
家元招請研究会
根本宗久(福島不白会)

自宅で茶事ができるだろうかと不安がありましたが、私に今できる身の丈にあったおもてなしならと思い、お引き受けしました。
東日本大震災から六年が過ぎましたが、自宅の小さな庭に草花はありません。汚染された土は新しい土と入れ替えられ、草花も根こそぎ削り取られてしまいました。今の向かい側に川を挟んで緑の竹林が見え、そしてかすかに聞こえる水の音がおもてなしでした。家元、支部長の白井先生、社中の渡辺先生の三人のお客様でした。
家元は軽井沢での一人生活の楽しいお話など緊張をときほぐす雰囲気を作っていただき、私の緊張もとけていきました。家元から、お話の運び方など気付かされ学ぶことができました。何より自然体で対応できたことが嬉しく思いました。
後座は、濃茶付薄茶を召し上がっていただきました。お道具のお釜や、建水、服紗など、仙台で江戸千家のお茶を習っていた義母の品を使わせていただきました。嫁の私へと江戸千家の縁が繋がり、義母も空の上から喜んでいたと思いました。
午後の反省会では、お客様を迎えるにあたり、ひとつひとつの準備がいかに大切であるか実感したという感想がでました。今まで茶会の手伝いはしていても、自分で茶事をやることの大変さがよくわかり、お茶を通しての人との縁を大切にしていきたいと思ったなどが、話されました。全員が、自宅の茶事を行ってよかったし、多くのことを学ぶ事ができたとのことでした。
いつも家元がご指導されているように、どんな場所でもお客様を迎える側の心があれば自宅での茶事はできることを実感いたしました。
自宅の茶事を実践された皆さんに家元御筆の色紙を一人一人がいただきました。
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2017年7月7日
青葉の仙台便り
川上雲鶴

頑張って続けて来られた仙台の稽古場がやむなく休止となりました。しかしながら、仙台の方々や家元の熱意によって昨年九月より再開。少人数の中、岩手不白会の先生の助力を得て月二回の稽古を続けております。
毎回、部屋のしつらえに始まり、炭、花、濃茶等、皆で手分けしながらの一回で楽しく一日が過ぎます。岩手の千田先生や皆様の様子を見ていると、私も教えられることがたくさんあり伺うのを楽しみにしております。今後仲間を増やすべく努力してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
初釜にお客様を迎えて(1/14)
家元による炭のくべかたの指導(12/24)
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2017年7月5日
熊谷・長野 喫茶往来
家元教場研究会 - 自宅の茶
今井光雪(熊谷不白会)

思いがけず長野不白会の松本様からのお誘いを受け「自宅の茶」にお伺いして参りました。
初座ではシルクロードのお軸を拝見しながら、佐久の食材がふんだんに盛り込まれたお手製のお料理を堪能させていただきました。後座には丹精込めて育てられたお花が涼やかに生けられており、丁寧に練られたお濃茶がより一層おいしく感じられました。お軸やお茶碗に因んだ中国のお話は楽しくて、出かける機会の少ない私はご一緒にシルクロードを旅した気分でした。
普段の研究会では他の支部の方々とゆっくりお話する時間はありませんが、ご亭主の明るいお人柄でお話が弾み、連客の皆様ともども楽しいひとときを過ごさせていただきました。家元のおっしゃる「喫茶往来」、十月の研究会には、松本様に我が家にお出でいただけることになりました。今から楽しみです。
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2017年6月26日
めざして百歳
今井光雪(熊谷不白会)

梅雨の晴れ間にほととぎすの声が聞こえてきます。家元におかれましては、ご健勝にてお過ごしのことと拝察いたします。
過日は母にお心のこもったプレゼントを頂戴いたしまして、ありがとうございました。母も私も社中の者も皆びっくりしてしまいました。先日の稽古日に頂戴いたしました色紙をかけて、お茶事の勉強会をいたしました。母も九十三歳になり、耳も大分遠くなりましたが、社中と過ごすお茶の時間をとても楽しみにしております。お家元様のエールを心に、大好きなお茶を一日も長く楽しんでほしいと思います。
お家元のご配慮に心より感謝申し上げます。
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2017年6月18日
「自宅の茶」で廻り花
家元招請研究会
吉川恭子(青森不白会)

お伺いした山本先生のお宅の二階に上がると、広い洋間の寄付に、家元の筆による「つつじ咲く門跡寺院の雅かな」の掛物が掛かっていました。下に活けられた芍薬と露草が風情豊かで、しばしそこで歓談しました。
一献では心のこもったご馳走を、続いて名菓「鮎」をいただいた後に移動。廊下伝いに造られた露地には筧が涼やかな音をたてておりました。
本席は立礼でした。思いがけず、「廻り花を」と所望され、稽古不足の私は大変困りましたが、逃れることもできず、床柱の竹の掛花入に、見よう見まねで挑みました。貴重な経験になりました。

濃茶に続いて薄茶、野点もできるという広いバルコニーでフルーツまでいただき、時間を忘れて優雅なひと時を過ごしました。
反省会では、八席の客と亭主の話から、趣向を凝らしたおもてなしの多様な表現を知ることができ、大変勉強になりました。「自分で点てたお茶を自分も一緒に呑む事で、初めてお茶の味や湯の加減が分かる」という宗匠のお言葉が、心に残りました。
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試行錯誤の自宅の茶
家元教場研究会 - 自宅の茶
奈良恵雪(青森不白会)
未熟な私が席主になりました。我が家にお茶人をお招きする。寄付は書斎を仕切ってカーペットを敷き、茶室は仏壇の扉を閉めました。庭から隣の洗濯物が見えます。水屋を隠していた古い屏風を立てました。すると水屋は丸見え、台所までも見えてしまいました。どうしましょう……衣桁がある、衣桁を屏風のようにして立てて、布を垂らしました。床のお軸は「大国主命と兎」(荒川静淵画)、花入は「泊舟」杜若とシマフトイを活けました。
時分どきでございます。粗飯を差し上げます。飯は紫蘇塩を散らし、そっと型押して、汁は海老、豆腐、千切みつば、向付は、鯛の昆布締め、菊大根の酢の物にオクラを添えて、香の物は茄子ときゅうりの醤油漬け、八寸は帆立てと茹えんどう。お酒は地酒「亀吉」。お客さまは明るいお方たちで固くなっている私をほぐしてくださいました。主菓子は鮎の塩焼きかと思われんばかりの「鮎姿」、鮎の塩焼きには蓼酢です。この時期、道路にまで広げているイタドリ、これも「蓼」イタドリの葉を主菓子の下に敷きました。
お濃茶、ゆっくり、ゆっくり練りました。お湯も上々。五名様で、私もご自服を勧められいただく、美味しいです。ほんに静かでした。これより続けてお薄を差し上げます。座布団を出し干菓子「竹流し」と「薄紅」、お茶碗は「九谷木米」歪の茶碗です。面白いのでお喜びのご様子でした。
寄付で焙じ茶を差し上げて終了しました。午後の報告会、宗匠からは力強い御筆「涼風吹衣抱衾臥」をいただきました。次回は、お床に掛けようと思います。楽しい一日でした。
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2017年6月17日
亭主になって気付くこと
家元教場研究会 - 自宅の茶
中野里雪(新潟不白会)
初座 テーブルにて洋食
床 啐啄 中川一政
料理 ワイン 吟醸酒
前菜 キスのマリネ バゲット添え
ホワイトアスパラガス
コンソメスープ
のどぐろのハーブ焼
とりどり野菜の梅ゼリー和え
生姜ご飯 香の物
葛焼
後座 小間にて濃茶 続き薄茶
床 竹 掛花入 田中泰阿弥
花 マツモトセンノウ 鳥足ショウマ
ツリフネソウ
茶碗 斗々屋
●感想
一、お客様が興味を持って話をリードしてくださり、そこから話が発展し、つながりや共感を持つことができました。ひとえにお客様の力で交流を深められたと感じています。
一、自宅の茶では自分の今まで生きてきた全てが出ると思います。良いものを見たり、感じたり、考えたりする毎日の積み重ねが大事だと痛感しました。
一、たどたどしい亭主でも、周囲がしっかり支えてくれましたので、安心しておいしいお茶を点てることに専念できました。茶事はチームプレイ、数多くの作業と準備を整えてくださった半東さんと水屋がいてこそと感じました。
一、漠然とした不安や自信のなさが実践をとおして具体的な課題と解説策に変わりました。実際に亭主を務める事で何を勉強したらよいのかがよりはっきり見えてきました。(お迎えつけや、水のまき方等)
一、洋食では前半、盛り付けた料理を銘々にお出ししたので使用するお皿が多すぎたようです。あらためて向付の器を最後まで利用する会席料理の合理性に気付きました。
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2017年6月16日
祖母の愛した百花園で追悼茶事
家元教場研究会 - 自宅の茶
佐原華雪(東京不白会)
主:佐原華雪 半東:丸山宗恵 水屋:岡部南雪
客:疋田宗静様 横溝圭仙様 加賀秀雪様
祖母の追悼茶事でしたので、やはり百花園のお成座敷を使い「祖母が愛した庭と座敷で、楽しくゆっくり、笑って偲ぶ」を主題として用意を進めていきました。
茶室は芭蕉の間。中の間を支度部屋とし、お成の間に点心席をあつらえました。道具は百花園にゆかりがある物と祖母が懇意にしていただいた方々の作品をなるべく用いて、作品の経緯をお話しできればと思い取り合わせました。また、居心地良い宴会を提供することを心掛けていた祖母に習い、点心を召し上がっていただく部屋にはテーブルと座椅子を用意し、祖母制作の一代記アルバム、茶の湯の方々との写真集を数冊置きました。
点心の後、写真を見ながら少し歓談を楽しみ、茶室にて濃茶と付薄茶を召し上がっていただきました。先生方の思い出話が尽きなかったので、テーブル席へ再び戻りほうじ茶を飲みながら、色々な話題を楽しみました。
〈考察〉
この度、人生で初めて茶事の亭主を務めさせていただき、一人で行う茶事は私にはまだまだ不可能だと再認識しました。右も左も良く分からないまま手を挙げてしまった私に、岡部さん、丸山さんが親身に助言と提案をして下さり、当日の点心の用意も陰の段取りも、ほとんどをしていただきました。
そしてこんなに拙い茶事に御足労いただいた先生方に感謝すると共に、祖母の思い出に新しく、この偲ぶ茶事も入れていただく事ができたら幸いだと思っております。
茶事を終えて家で点心の残りを家族と一緒に食べて薄茶を点てて飲んだとき「はあー」と自然と一息ついている自分がいました。お料理や濃茶がとても美味しかったことを改めて心の底から認識しました。自分がどんなに緊張してお客様に対していたか、自分が一番茶事を楽しめていなかったことに気付きました。
今後何年掛かるかわかりませんが、いつかはお客様も自分もゆっくりと楽しめる茶事ができるようになりたいと思いました。
沢山の道具と有り難い程に頼りになる人間関係を築いてくれた祖母と、今回の自宅の茶事をもつ機会を与えて下さった家元に、改めて感謝いたします。今後も励んで行きたいと思っております。
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2017年6月14日
高層ビルの茶室で一服
家元教場研究会 - 自宅の茶
清水艸香(東京不白会)

鈴木宗明様のご新居、お茶室は高層ビルの十五階。林立するビル群、家並みを眼下に見下ろし、まるで空に浮かんでいるような心地がいたしました。広いベランダには竹垣に大ぶりの鉢の蹲、和の設えで大層風情がありました。京間のゆったりとしたお席に通され、客は石橋先生、宮井先生、私の三名、半東はご亭主の弟様、終始和やかに過ごさせていただきました。
お手作りの松華堂弁当、お菓子は「紫陽花」、お濃茶は、万葉集和歌「むささびの……」と家元が箱書きされた百碗展でのお茶碗で見事に練られた美味しいお茶を頂戴いたしました。
今回は亭主客共にお仲間だった事もあり、なれ合いの雰囲気とならないように研究会のテーマがきちんと実践できるよう心した一日でした。
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2017年6月13日
「自宅の茶」を実践して
家元教場研究会 - 自宅の茶
千田文雪(岩手不白会)

〈亭主の感想〉
東京からお二人と花巻からのお客様をお迎えしました。遠路お越しくださったお客様に岩手の夏にふれていただきたく、薄茶を初夏の風物詩チャグチャグ馬ッ子の趣向(馬上杯 馬鈴蓋置 槍鞘建水)で差し上げました。また、社中の皆さんには大事な実践の場と捉えて主体的に茶席つくりに取り組んでもらったので、お茶の奥深さの一端を感じられたようでした。鶯、夕影鳥、郭公の声、雑草と乱れ咲く花々、緩やかな川の流れに助けられながら、都会の喧噪からしばし放たれ、岩手の夏を味わっていただけたのなら幸いです。旧知の友の如くに交わることのできたひとときでした。
〈客の感想〉
北上川が流れ森林の中、季節の花が咲き、小鳥のさえずる声を聞きながら、先生の自宅の茶事にお招きいただいたこと、東京に戻ってもあの風景が目に焼きついています。数々のお料理は全て心のこもった品々でした。大変勉強させていただきました。賢治記念館にも最後までおつきあいいただき、本当にお世話になりました。
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初めて家元教場研究会に参加して
家元教場研究会 - 自宅の茶
青木宗幸(東京不白会)

一昨年にお看板をいただいたばかりですが、今年の研究会に初めて参加させていただく機会に恵まれました。
全国いろいろな所からおいでになった皆様の熱心なご様子に私も家元のお話をメモにとり、また目に焼きつけるようによく拝見させていただきました。脇床に置かれたつぼやお盆などを、私たち参加者に直に手に取らせて下さいましたことは、とても貴重な体験でございました。
特にお軸のお話は毎回とても印象深いもので、書かれた方のお名前やその背景などを知ることができ、とても良い勉強となっております。
先日の第二回目の折には、蓮華庵にお客として入れていただき、テーブルでの一献と和韻点てを堪能しました。郡司さんのお席は心尽くしの酒肴の品々とワインで、大分や静岡からいらした方々の地元のお話、おいしいお茶を点てる秘訣など、話題も時間も豊かに過ごすことができました。雨に映える緑の静かなお庭を眺めながらのお席で、忘れられないことでございます。
自宅の茶事、今年のテーマ、日頃あまり考えておりませんでしたけれども、茶の湯を学ぶ者にとってとても大事なことであると改めて思い至りました。いつか実践できたらと思います。
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