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2019年9月21日

2019年度 家元教場研究会レポート(7)

基本(体操十種・小習・テーブル茶) 第三回 

家元教場研究会を見学して

藤田明子(水A:ロサンゼルス)

 先日は研究会を見学させて頂き誠にありがとうございました。
また、この度はお炭を分けてくださり大変恐縮しております。自宅での稽古は炉を切っておらず、置炉で練習をしていますので、風炉の炭の大きさがとても良い塩梅です。もうすぐ炉開きですが、ままごとのようかもしれませんが頂いたお炭で炭手前を加え、炉開きができます。とてもありがたく存じております。
 こちらはインディアン・サマーが続き、サンタ・ケアの熱い風が吹く中の十月下旬です。これもこの土地の風物詩でしょうか。床の花はハイビスカスが主流です。
 お体をご留意なさって、実り多い秋を満喫されますようお祈り申し上げます

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2019年9月8日

新潟不白会家元招請研究会

家元招請研究会 

◦身体の内側を見つめながらほぐす

石橋モユ子(新潟不白会)

 研修会では約半日近く、体操十種の指導をして頂きますが、私はとても気に入っています。足の指から始まり、足首、ひざ、腰、上半身へとゆっくりと身体の内側を見つめながらほぐしていく体操。やがて身体の中からエネルギーが充ちてくるような感覚になります。上虚下実。そして、心静かにおだやかで美味しいお茶が点てられるような気がしてまいります。
 正座が苦手で足が痛くなりますが、この体操でやわらぐのを期待し、体操をしてからお稽古に向かいたいと思います。足をいたわりながらお茶を続けていきたいと思います。
 ありがとうございました。
◦家元招請研究会に参加して

本間辰夫(新潟不白会)

 燕喜館にて家元をお招きして研究会が行われました。家元のご指導で「体操十種」から始まり、小習である「お茶を掃くこと」そして「テーブル花月」が行われました。
 私自身感じたことですが、お稽古で良い姿勢でいようと意識をしていますが、いつも難しく感じています。体操は良い姿勢が身に付き、体力づくりにも繋がっていいと感じました。
 客を迎える前の水屋の支度中で、特に大切な小習いである「お茶を掃く」のやり方とその心構えの大切さを家元より直接ご指導いただき深く感銘いたしました。
 「花月」は私自身あまりしたことがございませんが、正直「テーブル花月」を初めて拝見し、斬新だなと感じました。雰囲気がいいので茶道を始めてみようという方や私のような初心者には楽しめるやり方だと感じました。あっという間の楽しい有意義な勉強会でした。 
◦お客様を心からおもてなしをする大切さ

小林賢子(新潟不白会)

 「お茶を掃く…」の意味、静電気はかきまわすと良い…、茶掃箱の扱い方、小さな疑問がすっきりと解決した家元招請研究会でした。
 体操では手のひらの力、筋肉の大切さ、正しい姿勢の取り方などをお家元自らの実践と詳しい説明で教えていただきました。  「決して無理はしないで下さいね…」とお家元のお優しさともとても印象的でした。
 一服のお茶をしっかりと準備をして心を込めて点て、お客様を心からおもてなしをする大切さを改めて勉強させていただきました。
 翌週の社中のお稽古では、花月の「ハイタッチ」で残暑の中、お稽古場は笑いであふれていました。こんな風景もまた楽しいかと…。
 お茶を始めて八年目となりますが、お茶は私の生活をより豊かにし、素晴らしい出会い、そして行動をも広げてくれます。今回の研究会でで、お茶の旅に九州を訪れたくもなりました。(もちろん農閑期に…)  また是非参加したいと思います。ますますお稽古にも励みたいと思います。

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2019年8月25日

一服のお茶に心配りを

家元招請研究会 

伊東宗由(福島不白会)

 今年の夏は前半に長雨が続き涼しさに慣れた身には、八月の暑さはこの上なく厳しいものに感じられるなか、8月25日に福島不白会の家元招請研究会が行われました。
 午前中は体操十種をしっかり行い、日頃の運動不足と年齢に伴う体の硬さを痛感いたしました。体操の呼吸法は茶道につながることを実感しました。
 午後からは、茶の準備のための茶掃きとテープル花月について勉強しました。 宗匠が濃茶掃きを実践してくださり「美味しいお茶を差し上げるため心を込めて茶を濾す。」宗匠の気持ちが伝わりました。「一服のお茶にどれだけの心配りをするか」という事を改めて感じました。
 特に「小習」は自らが望み体験して学び、先人の積み重ねられた知恵が詰まっている分野なのだと感じ、これまで以上に真摯に取り組まなければならないと思いました。
 テーブル花月については、「従来の花月は無言」ということにとらわれずに、茶を楽しむという事が大切なのだと感じました。とかく堅苦しいと思われがちな茶道の世界ですが、「花月」が仲間たちと茶事を楽しめるきっかけとなったらどんなに素敵な事かと思いました。宗匠には残暑きびしい中、郡山までお超し頂きご指導くださいまして、本当にありがとうございました。

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2019年8月20日

茶杓削り講習会

遠藤宗雅(東京不白会)

 東京不白会教授者連絡会「夏期特別講習会茶杓削り」では、色々とご指導いただき、貴重な経験になりました。
 実際に茶杓削りをしてみて、きちんと用途(お茶を掬える)を満たす茶杓を削るというのは本当に難しく、また竹の板の状態から、どのような茶杓を作るのか、自分なりにイメージを持つことも大変なことだと感じました。
 普段、お茶会やお稽古etcで拝見をしているようで、実はしていないのだな......。と感じるとともに、茶杓やその作り手に対して改めて尊敬の念を覚えました。
 茶杓の「銘」も、茶杓を作る際のイメージや、作る過程の思い等が反映されたものなのだと改めて思いました。また、家元が実際に茶杓を削る様子を拝見でき、小刀の使い方や削り方などを具体的に知ることができました。さらに、家元自ら手を入れてご指導くださった茶杓、これからどのような茶杓にするかじっくりと考えて完成させてまいります。

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2019年8月3日

「盛夏の茶」と「テーブルでの濃茶」

松本宗実(長野不白会)

 里山にある我家はクーラーの設備は無く、扇風機ですら一夏に数回稼働する環境です。真夏日となった八月三日に茶友二人と旅で求めた道具を使って「琉球茶会」をしました。その後、テーブル席が無い為、ダイニングキッチンに席を移してテーブルでの濃茶をお伝えしました。
 正客は九十歳で、六月には熱中症で救急搬送された茶友。 お家元が日頃おっしゃっている「散らかっている部屋を少し片付けて!」は手が廻らずじまいでした。
「茶室が無くてもこんなに簡単にお濃茶が出来るのね」「
「これだったらお茶の経験の無い人にもお濃茶を味わってもらえるわね」
と盛り上がりました。
 深く考える事無く、お濃茶は畳に正座して......と思っていた七月十日までの私。お二人の嬉しそうな会話を聞きながら、十一時席入で始まった「盛夏の茶」と「テーブルでの濃茶」は四時におひらきとなり、楽しく充実した一日が終わりました。
 長野と埼玉を半月ずつの落ち着かない生活を送っている私ですが家元の考案されたテーブル花月やテーブル濃茶を支部の方にお伝えしたり、茶友と楽しんでいる一端をお知らせしたくペンを執らせていただきました。

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2019年7月28日

家元招聘研究会を終えて

家元招請研究会 

中村良雪(岩手不白会)

 令和元年前期研究会は7月28日(日)、盛岡市立上田公民館で行われました。今年度から清雪会員と合同の研究会となり、人数も増え、年齢も経験も幅が広くなり緊張感のある研究会となりました。
 始めは体操十種です。
 お家元様から、「無理なさらないで……。」とお言葉をかけていただきながらも、いつもの運動不足を解消しようと思い、体をゆっくりていねいに動かしました。精一杯伸ばした後は、爽やかな気持ちになりました。
 お家元様の身体の柔らかさと、ピンと伸びた姿勢は、私の目標でございます。
 体操の後は灰づくりです。 「灰も生き物。押さえ付けずに、筆で大方を整えて、底取で全体を軽く押さえて。」とのご指導でした。お家元様の手元を間近で、息をひそめて見入っているうちに見事な遠山が完成いたしました。自分の風炉で、早速作ってみたい衝動にかられました。
 午後は興味津々そして、とても楽しみにしていた「テーブルでの花月」です。
 随行様にもお客様として参加して頂きました。お菓子を頂きながらの自己紹介は、初対面とは思えないほど、お話が弾んでおりました。亭主の点前から始まり、折据を回して、「月」、「花」と発しての移動には、「ハイタッチ」を交わし、見学者にも楽しさが伝わって参りました。
 お家元様からの丁寧なご指導を受けながらスムーズに流れる花月でした。テーブルでも花月ができるという新しい試みに、高齢になってもお茶を楽しめるという希望が湧いてきました。
 今回、ご指導いただいた事を繰り返し稽古しながら、ますます楽しもうと思った至福の一日でした。
 ご指導有難うございました。
 後期研究会も今から楽しみです。

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2019年7月13日

2019年度 家元教場研究会レポート(6)

「茶を掃く」に思う

上村宗貴(土B:東京不白会)

 先日は研究会におきましてご指導を賜り誠にありがとうございました。「茶を掃く」ということが、単に茶入れの準備を整えることにとどまらず、石臼を用いて茶を挽き、心を尽くして客人を想った時代を意識することでその意味合いが全く違うものに感じられました。
 テーブル茶の実践では、最高の一服を振る舞うことに思いを巡らせながら、日常を深く生き抜くということを考えさせられました。
漢字から平仮名が生まれたように型を学びながら、どこまで自分なりに柔らかな気配へと変容できるか、更に日々の稽古に励みたいと気持ちを引き締めた次第でございます。

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2019年7月7日

山形不白会家元招請研究会

家元招請研究会 

◦年に一度の研究会を七夕の日に

舟山宗恵(山形不白会)

 山形不白会は小さな会なので、家元招聘も年に一度だけにして頂いております。年に一度の研究会を七月七日の七夕様の日に行うことができるとは大変喜ばしい事でございました。東京はずっとお天気が悪かったとの事ですが、前日の六日にお家元と随行の郡司さんがお着きになったとき、上山は晴れていました。ホテルにお着きになると郡司さんは、早速近くにある沢庵禅師の春雨庵を見学なさったと言っておられました。次の日は朝食前に上山城まで行ってこられたそうでさすが若い方は行動力がすごいと思いました。
 七月七日の研究会当日は、九時半頃になると会員の皆様が集まって参りました。時間になると、お家元から今日一日のお話をお聞きしたあと体操が始まりました。柔軟体操、立居の基本動作からだんだんと難しい動作になり、私は身体が硬くなかなか言うことをきいてくれなかったのですが、何とかついていくことができましたが、やはり常日頃の運動不足を反省いたしました。
 お昼をはさんでお茶の掃き方を実際に見せて頂き大変勉強になりました。薄茶器にとんがりお山のようにふわっと入れるとお茶も溶けやすいと言っておられました。
 又テーブル花月は始めての事だったので、興味津々、半分不安でした。どんな事をするのか見当もつかなかったのですが、してみると足の運びも関係なく花月の仕方さえ知っていれば難しい事はないと思いました。「花月」の札を引いて場所を変わる時のハイタッチは和やかな気持ちにさせてくれて笑いもおこり楽しかったです。そのあと皆様にお薄を差し上げました。郡司さんがお一人でお茶を点てて下さって美味しく頂戴致しました。
 年に一度の研究会ですが、本当に充実したお勉強会でございました。ありがとうございました。
◦茶歴四十年を経て今思う

大貫宗静(山形不白会 白鷹教室)

   『上九十歳平均六十夏体操』
 いつもながらの宗匠の即興の句です。いつもと違うのは、句の主題が私の事でした。
 令和元年七月七日(七夕様の日)山形不白会の家元招聘研究会に出席いたしました。宗匠のお元気な姿を拝し、私は今年も勉強できますことがうれしゅうございました。
 宗匠は、作務衣に着替えられ、床に花を活けられ、ご挨拶が始まりました。
 宗匠を中心にして、バラバラ適宜に場所を取り体操が始まります。寝て、立って、中腰になって、体をほぐします。充分時間をかけます。研究会は大きく分けて、ご挨拶(趣旨)、体操、理論、実践、と私なりに受け止め、ひそかなお声も聞き逃すまいと集中します。 自分の身体も動いてくれました。ありがたいことです。
『九十歳。何がめでたい』という本を出版した方が居りました。が、自分が九十歳の声を聞いてみると、人間好むと好まざるに関わらず、みんなが歳を取ることを思えば、仕方がないかと思ったり。今年一年間は九十歳に逡巡することにしよう。

 私の江戸千家入門は、昭和五十四年の秋、三十年間の教員生活に終止符を打ち、新たな人生にスタートを切ってからでした。決して若い時からではありません。
 最後になりますが、平成十七年に自分史『日月』を出版しました。
 これからも、高齢の私を支えて下さいます茶友の皆様とともに「道」を楽しんで参りたいと思って居ります。

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2019年6月16日

気楽に楽しめる茶会

高田不白会 青年部青峰会

◦おもてなし側として

小笠原孝雪

 最初の濃茶席では、亭主の竹田会長は「気楽な席とはいえ濃茶は重々しく」との思いを込めて準備されました。床は後西天皇の色紙「日光の宮にて」。古瀬戸茶入「老松」、水戸徳川治保公お手焼の黒楽茶碗、石州流藤林宗源の茶杓にて点前が行われました。ゆっくりお茶を味わいながらお道具を愛でる穏やかな一時となりました。
 点心でリラックスした後の薄茶席では、会員持参の茶碗が使われました。お気に入りの品、思い出の品、自作の品など。自作とは、会の研修で五智窯の木村先生の御指導のもと製作したものです。自作ともなると話し手の熱意が一段と増して、お客様も盛り上げ上手と相俟って、賑やかなエネルギッシュともいえるお席になりました。
◦お客として

浅野ゆか子

 作務衣姿のご亭主と半東さんがお二方温かく迎えてくれ総勢十名ほどのお客、とてもアットホームな雰囲気の中、お濃茶お薄と頂戴しました。
 お道具の取り合わせ、掛物、季節のお花、お菓子等々、水屋の準備も含め、もてなす側のご苦労は大変なことと想像ができます。
 大寄せの茶会ではできないような説明があったり、そこから歴史の話に発展し、そのお道具に出会ったきっっかけまで。お薄では会員の方手造りの色や形、大きさの違う茶碗が次々と登場し私達の目を楽しませてくれました。お客として参加し、感謝と共に有意義な一日となりました。

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2019年6月13日

支部研究会で「テーブル花月」

長野不白会 望月グループ

 今年度の家元教場研究会のテーマテーブル茶はとても楽しく心踊る体験をさせていただいております。
 長野不白会では、李宗福先生が支部長になられてから、毎月第二木曜日に小諸市文化センター茶室をお借りして支部研究会をしております。
 佐久・小諸・望月地域の三グループが当番となり、七事式や小習十三ヶ条あるいは季節のもてなし等それぞれのグループの創意工夫の支部研究会をしております。
 私達望月グループは六月十三日が当番でした。五月十五日の教場研会でご指導いただいた「テーブル花月」を致しました。
 全員で濃茶をいただいた後、中立をして席を改めてテーブル花月をスタート。全員参加ができるように三席、それぞれの亭主の好みの花を生け、茶碗も替えて気分も新たに勉強できました。初回こそ戸惑いの声もありましたが「決まり事が多い花月に較べてとても楽しかった」という声が大半、終了後、点前に対する質問や疑問が沢山出ました。翌日も、電話やメールで「楽しかった。教場研究会に行かれないのに良い勉強をせてもらいました」といただき嬉しい悲鳴をあげたほどでした。

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2019年6月11日

2019年度 家元教場研究会レポート(5)

基本(体操十種・小習・テーブル茶) 第三回 

テーブル茶の亭主をして

土屋宗葉(火A:東京不白会)

 楼蘭の拓本、ベネチアングラス、正倉院展の葉書、シルクロードを渡って来た品と、扇面の棗、蓮鶴先生お作の茶杓で、ご遠方よりいらしたお客様をおもてなしです。華やかな色の花入れには、白い嵯峨菊と唐竹蘭を入れました。
 お正客様が、長くお茶を続けられる訳など沢山お話して下さいましたので、他のお客様と共にお話しに聞きほれました。
新しいお盆点前の道具の配置に、お客様や回りを囲む方々の視線が集中しているのを感じました。緊張のあまり茶杓を持つ手が震え少しこぼしてしまった時『何をやっているんですかねえ』と、蓮鶴先生のお声が聞こえた様な......。お客様お一人お一人に精一杯美味しくお茶を点てることが一番と考えました。三客様が『美味しかったのでもう一服』と所されたことが、何より嬉しかったです。

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2019年6月9日

大分不白会家元招請研究会

家元招請研究会 

◦初めてのテーブル花月

緒方佐和子

 体操十種は運動不足の私にも取り組み易い内容で、前半で早くも汗ばみ、全身の血液が勢いよく流れ出すのを感じたほどでした。日頃伸ばせていない部分のストレッチもあり、股関節の硬さを自覚しました。快適な老後をイメージし、今から筋力を蓄える努力をしたいと思います。
 テーブル花月は初めてのことで、興味津々。亭主とお客の距離も近く、札の扱いも、折据の扱いも手元がよく見えて稽古になると思いました。お盆点てで時間もかからないので何度もお茶を点てられますし、いろんな人が立てるお茶が飲める楽しみも有ります。座代わりですれ違う際にハイタッチがあったのには驚きましたが、今回のお当番は若い人達だったこともあり楽しさが倍増したように感じました。
◦テーブル茶ならの「おしゃべり花月」

工藤宗睦

 別府豊泉荘での研究会。課題は、体操、掛け軸の扱い、テーブル花月でした。 私はテーブル花月で亭主をさせていただきました。初めてのことでしたので、家元の指導のもと進めました。まず、着席し亭主が茶を絶てる。そこから折据を回し「月」の飲む方を決める。同時に「花」を引いた次の点前者が亭主席に移動。すれ違うときに「ハイタッチ」を勧めていると、家元。テーブル茶とは和やかな雰囲気でお茶を飲んで楽しむもの。そこに花月というゲーム性をプラス。より楽しめるような仕掛けです。ハイタッチをすると自然に皆さんが笑顔になりより場が和みます。本来花月は無言で滞りなく進む式法ですが、テーブル茶ならではの「おしゃべり花月」もいいなと思いました。
 家元の「楽しそうで良かったのですが、作法や手順ばかり気にして、おいしいお茶を点てるという当たり前のことをおざなりにしていませんか」という言葉が心に響きました。

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2019年6月8日

雲鶴先生を迎えて出稽古

上野 爾今(仙台同好会)

 百年、二百年単位の長い視野で林業を営む大沼御殿。四方が山に囲まれ、山そのものが庭園かのよう。この日は雨で、雨にかすむ庭がまた素晴らしい。最高のおもてなしは貴重な古いガラス戸越しのゆがんで見える景色であった。茶席は皆、五感で自然と語る。
 各自眠っている道具を持ち寄り、テーマは「六月を感じる道具組」とした。道具は使うものじゃなく育てるものだと思う。箱から出し活躍させて、可愛がってやれば、いい道具になる。自分の力を出してくれる。
 濃茶は、剛雪さん担当。お薄は、新人若手三名が実践した。雲鶴先生のご指導を客人もベテランも見逃すまいと頭に新たに叩き込んでいた。やがて雨も上がり、 ガラス窓を開けると着物に優しい風が入り込む。「風と語る」贅沢な自然の贈り物。
 客人の隣に新入りの会員が上座の勉強。古株の男性全員が末席にて道具の説明。  十月十九日に市の茶室を予約した。茶会を学ぶため稽古場を飛び出し楽しく勉強会を予定している。

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2019年5月26日

家元の茶人としての心を実感

家元招請研究会 

高柳宗恵(群馬不白会)

 テーブル茶の濃茶席で家元が亭主の正客をしました。席入りの段で緊張のあまり頭の中はごちゃごちゃです。「正客として言葉掛けのタイミングは? テーブル茶のお濃茶は話しをしていいのか……」等々。家元が座に着かれてご挨拶をしましたが、床の拝見も、家元が行け直されたお花も型だけの拝見で、心ここにあらず。お点前を見ているようでも上の空。そんな様子をお見通しで、家元は先へ先へと言葉を添えられて歩かせていただいているようでした。お濃茶は本当にまろやかで優しく味わい深く、今まで宙に浮いていた心がすっとお茶碗の内に降りて来られました。「型に捕われず、全ては美味しい一服のお茶のために」。家元の茶人としての心を身をもって実感させていただきました。

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2019年5月19日

且座、香付花月

雲鶴先生招請研究会

白水宗穂(久留米不白会)

 少林寺にて雲鶴先生招請研究会が行われました。
 午前中の課題「且座」では、亭主の心構えとして花、炭、香の準備について教えていただきました。
 花はお客様が生けやすいように、炭は下火の確認を、釜のお湯はたっぷりと入っているか、香炉は下火を入れ充分に温める事が大事であること。また、香炉の灰の型押しを実践していただきました。
 初座が終わり、手付籠の花入に芍薬、クサフジ、カワラナデシコが入り、中立をして後座の濃茶、薄茶と続きました。東、半東の動きやお客様との会話についてご教示いただきました。
 午後は「香付花月」を学びました。最後にお薄をいただき大変有意義な研究会となりました。

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2019年5月7日

植樹経過報告

2019年植樹・発芽

片岡信夫(片岡林業)

 日頃たいへんお世話になっております。
 三年前弊社にお越しいただき、家元ご家族と幹部の皆様にお手播きをいただいたクヌギの苗を令和元年の朔日に山に植樹しました。
 本日定着具合を確認したところ、順調に新芽の発芽を確認致しましたことを御報告させていただきます。
 苗木と植樹後の写真を添付いたします。
   五月七日       片岡林業 片岡信夫

2017年クヌギ手播き

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2019年4月28日

初めて炭点前を学んで

雲鶴先生招請研究会

小桧山宗恵(福島不白会)

 課題は「炭点前の基本」です。普段の稽古では電熱器を使用する事が多く、なかなか炭や灰に触れる機会がありません。今回始めて風炉の灰型を勉強しました。
 雲鶴先生より、炭点前の基本の説明があり、その後風炉に灰を入れ灰形を作る作業に入りました。和紙を釜底の大きさに合わせて四つ折りにして入れ、釜の足に入らないよう灰を入れました。灰は湿気を吸ってしっとりとしていました。一般的な丸灰形でしたが、火袋の峰を作るのが難しく何度も作っては炭を入れ大きさや傾きを調整しました。根気のいる作業の繰り返しでした。いつまでもならしていると崩れたり歪んだりと上手くできません。
 そんな時、「灰ならしは諦めも肝心」「釜によって灰の量が違うので決めておくとよい」「灰を温めると火が入りやすい」「何度も繰り返し自分の灰を作る」などたくさんのアドバイスをいただきました。完成した火袋の中へ炭を入れ温まった灰に触れると、初めとは違いふわふわとした感触でした。ゆっくりと湯が沸いていくのが愉しみでした。時間を掛けた一服は一段と美味しく感じます。お客様を招く時間を遡り、一から炭の準備をすることがどれだけ大変で思いやりのある茶席なんだと改めて実感しました。
 永年ご指導いただいた白井宗節先生がお亡くなりになり、未だ哀しみは消えませんが、白井先生の熱心なご指導を忘れることなくお茶のお稽古に励みたいという思いで研究会に臨みました。いつか、私もお客様をお招きし心からのおもてなしが出来るよう精進していきます。白井先生も見守ってくれていると思います。

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2019年4月21日

新潟不白会家元招請研究会

家元招請研究会 - 基本(体操十種・小習・テーブル茶)

○随行

古屋宗空(東京)

 当日は随行としてさしてお役に立てずでしたが、勉強になりありがとうございました。
  越の国の雪ありてこそ八海山
  鍋茶屋のあかりほのほの春寒し
  川の辺を行く人々ランナーも春の色
○テーブル茶の楽しみ

高野宗栄(新潟不白会)

 あまり身体を動かすことのない私にとって、ゆっくりとした呼吸と動作は普段でもできる部分を取り入れて、心身の安定に繋がる体操として今後も行っていきたいと思っています。
 掛け軸の掛け方、外し方は普段のお稽古でもさせていただいていますが、なかなか良い高さ、お花とのバランスなど難しく思うところでもありますので、今後のお稽古で、バランスの良い感覚を身に付けることが目標と考えています。
 テーブル茶でのお濃茶、今回の研究会で一番興味深い部分でした。テーブルの中心には季節のお花、丁寧な家元のお点前にみとれ、しずかな、また、緊張感のある空間であったと同時に、心を込めてお茶を点てるということの愉しみを、家元のお点前とお客様役の皆さんの笑顔で味わったように思います。
 丁寧な立ち居振る舞い、お作法と、気持ちを込めることの大切さを研究会を通して改めて実感しました。

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2019年4月19日

2019年度 家元教場研究会レポート(4)

基本(体操十種・小習・テーブル茶) 第一回 

自分のやっていることを再確認

藤田宗松(金A:久留米不白会)

 体操は家ではあまりしていなかったのですが、皆様と一緒にした後は気持ちよかったです。そして帰宅しまして足指でのグーチョキパーを毎日しておりますと、グーをしたとたんにつっていた指がつらなくなってきました。このまま続けていけば、正座の時の足のつりが軽くなっていくかなと、ひそかに期待しています。
 今回の小習は、自分のやっていることの再確認の教室に思えました。
 お濃茶のお盆点てではお道具配置などすっきりしていて良いなと思いました。帰りまして自分でお濃茶のお本立てをしてみました。盆上部j中央に茶入と茶筌が横に並べて置いてありましたので、茶入が取りやすく感じました。
 これからは、来客の折お盆点でお濃茶をお客様と楽しめたらいいなと思っております。
体操と小習

横溝圭仙(金A:八女不白会)

 自宅近くで日曜、祭日を除き、十人程度が集ってラジオ体操をしていて、身体を動かすのは嫌いではないのですが、数年前に両膝半月板損傷で長時間に及ぶ運動はちょっと苦痛です。家元が、足が悪くてもお点前をあきらめる必要はないとおっしゃってくださるのが、大変励みになります。
 小習は指導する側になるととても勉強になります。テーブル茶は濃茶、花月等、いろんなことができるということを教えていただき自宅でも稽古に取り入れております。高齢になり、いつまで東京に出かけられるのか心細さもありますが、挑戦してゆきたいと思っております。
体操の効用

森宗絹(金A:八女不白会)

 私にとって体操はとても身体が軽くなる運動です。特に、腕を耳の横に上げる動作と、肩を上げて後ろに引く動作は、肩凝りがとれ、背中が丸くならないように予防してくれるように思います。臥位の運動は腰痛によくきくようです。たくさんの運動はしませんが、疲れたときなど思い出しながらやっています。
 小習の掛物の扱いでは、自宅での稽古でもっとゆっくり丁寧に取り上げなければと反省しました。
 花生けでは、人の感性の違いによって全然違う使い方、入れ方があることを考えさせられました。
テーブル茶見学

堀地宗章(金A:群馬不白会)

 テーブル茶のお席を拝見して、距離が近いだけでなく、視線が高いせいでしょうか、一つの輪の中で楽しめるように感じました。お点前の手元が見えすぎて難しそうで、ポットからのお湯の加減や柄杓と違いお湯が茶碗の中で散ってしまわないか気になりました。
 テーブル上のお花が印象的で、さっそく帰宅後に庭のオダマキを切り飾ってみました。茶花と気負わずに入れても、お花は可愛くて和みます。大袈裟に考え前に進めない事が多いのですが「出来る範囲で」「気軽に」と前向きな気持ちになりました。当番をご一緒した皆さんの、積極的にてきぱきとした動きがとても勉強になりました。
床の花を活ける

森宗鈴(金A:高知不白会)

 当番で、床の花を活けさせていただきました。鉄鉢という器は大きく、掛物「為君葉々起清風」を鑑みて流れの枝を伸びやかに乱れる如くなびかせました。清風に清められ心が解放された気分で花材と格闘しました。
 さて午後、先生方に取り囲まれた床前を見て、我に返った如く、恥じ入りました。「乱れて盛んなるも守って滅びよ」という格言もあるようです。
 家元のお手直しをいただき、格言の深さにふれた気がしました。花材一本外しただけで、それは清楚で品良い姿となりました。勇気をふりしぼり床の花生けに臨んだ気分の高揚が生んだ作品であったことでしょう。この気分を静める修練に茶の湯のお点前が有るように思えます。いかなる場面でも冷静に対応できる自分作りに今後いっそう励みたく思いました。
テーブル茶 半東

丸山宗恵 (金A:東京不白会)

 テーブルでの濃茶で半東は何をすればいいか、イメージがわきませんでした。茶道口に控え、亭主の様子、正客をはじめ次客、詰めの挨拶、菓子をいただき道具を持ち出し、お盆の上に清めた道具が並んで濃茶をゆっくりと練る……。その様子をつぶさに拝見しました。
 反省会の際、半東として無力であったことに触れると、家元は「何か起こったときに、さっと動いてくれる半東が控えていることで亭主は安心して点前に専心できる」という主旨のお話をしてくださいました。控えているだけで安心だ、と亭主に感じてもらえるようなスキルを身に付けたいと思いました。
テーブルの花入を担当

宮園宗里(金A:不白会)

 初めて参加する研究会の当番で、テーブルの花入を担当しました。床の間の仏器の花入は難しそうだったので、テーブルの花ならできるのでは、と思い手を上げましたが、まず花選びに迷いました。日頃の稽古で花を活ける練習をしていますし、床の間や家の中に花を活けているという自信のようなものはあったのですが、テーブルの花が一番難しかったんだと思い知らされました。花入をどこに行けばいいのか、これまで見ているようで見ていないことに気づきました。掛花の鉄線は、朝はよかったのに昼からしおれてしまい、水の入れ方を反省しました。
 今回の研究会では亭主としての気構えを花入から学びました。

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2019年4月17日

2019年度 家元教場研究会レポート(3)

基本(体操十種・小習・テーブル茶) 第一回 

広間の床の花を担当

本間宗尚(水A:東京不白会)

 「為君葉々起清風」という慈愛に満ちた掛物と鉄鉢の花器。御軸の長さがあり、黒くずんぐりと円い花器の重量感とのバランスを考えて少し悩みましたが、持ち寄った花材の中に濃い紫紅色の牡丹が一輪ありましたので、葉を整理して少し低めに入れました。思いのほかすっと納まりましたのでひと安心し、仕上げに充分に霧を吹きました。ところが、その後、鉄鉢にかかった多量の水滴 を宗匠にふき取っていただくことに なってしまいました。
 研究会では応用や間を学び取る事ばかりに多くの気が向いていましたが、お道具のことを充分に知らなければ大事に扱うことはできないのだと、基本中の基本を身にしみて思い知りました。
テーブル濃茶の次客

今井光雪(水A:熊谷不白会)

最初は主客の距離の近さに戸惑ってしまいましたが、家元のゆったりとしたお点前が進むにつれて、主客の近さの程よい緊張感はテーブルにもかかわらず、まるで小間でおもてなしを受けているように感じてきました。
 四時間近くかけて行う茶事をテーブルの上に凝縮させる事は大変かもしれませんが、今、自分が置かれている状況の中で、何が出来るのかを見付けて、工夫をすることが大切だと思いました。
テーブル茶の客として

榎本宗浩(水A:東京不白会)

 テーブル茶の客として入席。寄付にはブルーノタウトの「太白山」画の小幅。花月の間の床飾りは「為君葉々起清風」の穏やかな墨跡。花は今にもはじけんばかりの、いかにも牡丹色の牡丹が鉄鉢に。御床から清々しさと若さをもらい、明るい色の更紗布が掛けられたテーブルを囲んだ。菓子は「広沢」。水面に翠が染む。喚鉦があって家元の濃茶が始まった。 木瓜型面取り盆に、大ぶりの濃茶器、落ち着いた色合いの仕服から瀬戸の濃茶器が表れた。自作のお茶杓から掬い出されるタップリのお抹茶、丁寧に練り上げた一碗。古服紗を添えてだされた。一口いただく、二口目、なるほどと実感と納得。皆さんの目が背中にあるのを忘れた一瞬である。
 客と亭主が間近に接するテーブル茶、会話も弾み、お道具もより近くで拝見でき好ましく感じました。伝統は時代の流れとともに替わりゆくもの。私達はその心を受け継いでいかなければならないと、自覚した一日でした。
臨機応変に工夫することの大切さ

松田宗啓(水A:東京不白会)

 今年の研究会では広間の床、テーブルの上、寄付の床の掛け花を午後の部までに、当番の私共で活けるようにとご指示がございまして、私は黒百合を持参しましたので、テーブルに生けさせていただきました。
 午後、宗匠より一点一点丁寧にご指導賜りまして大変感激しました。生けてある花を拝見することも勉強になりますが、宗匠がお直しになる過程を拝見できることは何よりの勉強です。また、テーブルの花の位置につきましては、私はポット、建水は左に置 くものと、固定観念に囚われておりましたが、宗匠はポットも建水も右側になさり、花を左側の隅へ置かれ、なるほどと感心致しました。
 常に臨機応変にお客様のことを考えて工夫することの大切さを今回の研究会を通して学ばせていただきました。
掛け花を活けて

西貝宗正(水A:東京不白会)

 掛物は幸田露伴、やさしい筆跡の消息文。花入は竹の細筒。消息文には、洛北、保津川の文字が見てとれました。
 竹の花入は掛釘の穴の下一センチまで水を入れ、柱に掛け、この時期の爽やかさを表現しようと皆で持ち寄った沢山の花の中からトキワ宝鐸草の垂れ下がって咲く花とぱっちり開いた白山吹を若緑の葉のいいハーモニーが生まれました。
 活けてみると、上部の白山吹が浮いている感じです。家元は、「水はぎりぎりまで入れます」「花は立って見たのでは決まりません。座って見て下さい」とおっしゃって上方の花一輪をチョンと切ってくださいました。もう一度座って床を見ますと、風薫る初夏の京都を思い描いていました。

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