江戸千家 >  不白会だより

Page 1 of 26: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 »

2024年5月26日

福島家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

(福島不白会)

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「福島家元招請研究会」のリンク

2024年5月20日

茨城雲鶴先生招請研究会

雲鶴先生招請研究会

飯島江雪(茨城不白会)

 風薫る五月二十日、雲鶴先生に茨城の笠間稲荷神社までお越しいただきました。
 当日は茶箱を中心に、お盆を使用した拝見までのお点前と、掛子を使い拝見ありと無しの場合のお点前をご指導いただきました。普段のお稽古との細かい所作の相違を、お点前しながら随時詳しく教えていただけたので、色々な疑問を解決する事ができました。
 お昼には多種多様なお話を伺う事ができ、少人数ながらとても楽しい時間を過ごす事ができました。お帰りの際には晴れ間も見えてきて、一同晴れ晴れとした気持ちになり、とても充実した一日となりました。

カテゴリー:研究会/雲鶴先生招請研究会 「茨城雲鶴先生招請研究会」のリンク

2024年5月19日

高知家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台天目〉

松本宗泉(高知不白会)

○今回の研究会で印象に残っているのは「茶会の主役は誰か」ということです。主役はお点前をする人ではなく、客人であること。「台天目」では、如何に貴人に快く過ごしていただくか、そのためのおもてなしであること。分かっていた事ですが、どうしてもお点前や半東の方の動きばかり見て本来の意味を見失っていたように思います。
 茶の湯の本質を考えながら、今後も楽しくお稽古していきたいと思います。また日常でもお抹茶を身近に感じて行きたいです。

        伊藤温雪(高知不白会)

○昨年の研究会では本格的な体操でしたが、今回のように和服で出来る範囲、お話を正座で聞いた後に軽いストレッチのように足や身体を伸ばすのは大変心地よく感じました。こうしたストレッチ的な部分をお稽古の途中に取り入れるのは良いことではないかと感じました。個人的には年齢相応に筋力の低下を感じており、筋肉トレーニングジムに通い初めておりますが、根を詰めてやるとかえって筋肉や節々が痛みます。それに家元の体幹を正す体操を組入れることでよりよい体力維持運動になるのでは、と感じております。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「高知家元招請研究会」のリンク

2024年5月12日

山形不白会恒例茶会

児玉宗純(山形不白会)

 山形不白会の恒例茶会は五月十二日、山形市の山寺芭蕉記念館を全館お借りして、本席、立礼席、点心席の三席を設け執り行われました。私は、本席を担当いたしました。
 本席の観宝亭からは新緑の山寺が一望でき、時折爽やかな風が吹き込む穏やかな日で、百五十名のお客様をお迎えいたしました。
 今年で七十七回目を迎えたこの会は、昨年長井市から山形市に会場を移し、新たなお客様との出会いに支えられております。江戸千家を知っていただくために、流祖川上不白の功績やエピソードをお話しいたしました。独特な美的感覚、遊び心あふれるお稽古のこと等々......。お客様がうなずかれると嬉しい気持ちになりました。
 設えは、景観との一体感を考え「天の川」席にし、オリジナルの菓子「あやめ草」と八女の抹茶を差し上げましたところ、美味しいとおっしゃっていただきホッと致しました。また、お庭から聞こえる二胡の音色もこの席には心地よく、思いを込めたお道具に皆さん見入っておられたのが印象的です。
 少人数でのおもてなしでしたが、協力しあってできましたこと誇りに思いました。 

カテゴリー:行事・茶会 「山形不白会恒例茶会」のリンク

2024年5月1日

長野家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

大場宗絵(長野不白会)

○霧雨の菱野温泉にて行われました。午前中の講義では、「茶通箱とは二種のお茶を飲み比べるための作法、その本来の趣向を忘れてはならない」とご教授いただきました。
 午後の実践の冒頭に、家元は「皆さんには目を閉じて五感で点前を捉えることをお勧めしています」と話されました。釜の煮える音と雨垂れが縁側の庇に落ちる音を聞きながら点前の進行を心中で辿っていると、とても心地よく豊かな気持ちになりました。しかし想像での手運びが迷子になると、お点前を見ておかなければという気持ちから、ご亭主の動きに見入っておりました。茶通箱の点前は本来の趣向のためにあるとの家元のお言葉の通り、二種のお茶の味と香り、茶碗に残った景色までも堪能することができました。
 茶通箱は手数が多く大変だという先入観があったのですが、「茶通箱」に親近感を持ち、楽しみながら学ぶことができました。

御堂島良子(長野不白会)

○家元による講義の冒頭に紹介された『不白筆記』掲載の「茶通箱」について、帰宅後熟読しました。 「箱三様」の中で、茶通箱は第一にお抹茶を贈るための運搬用具であったこと。第二に良いお茶を後座までの間、濃茶器に入れて水屋の棚に保管しておく際の陰の入れ物であったこと。そして第三は、二種類のお茶の飲み比べを楽しむため、お点前用の表道具になったこと。「濃茶二種点前」は、箱なしで実施してもよいことを知りました。
 家元の「飲み物としてのお抹茶が本当に好きかどうか。これが一番大事な根底であり、お点前は手段」との言葉をお聞きし目から鱗の思いでした。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「長野家元招請研究会」のリンク

2024年4月20日

2024年度 家元教場研究会レポート(3)

家元教場研究会 古典「茶通箱」

(土曜B組) 一色宗海

「手の左右の扱いにとらわれるのではなく、茶通箱において何が大切であるかに思いを寄せること。箱には貴重なお茶が二つも入っている。自然と普段よりもより慎重に丁寧に扱うことになり、それは主客の交わりに思いを寄せることにつながる」「手の所作や箱自体に格式が宿るのではなく、お茶を持ってきてくださったお客に感謝し抹茶を大事に思い、共に美味しくいただくことにつきる」......と教えていただきました。
 所作は目的のための手段であり、目的を達成するために何をするべきか、常に自ら考えることが必要だと気付かされました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(3)」のリンク

2024年4月17日

2024年度 家元教場研究会レポート(2)

家元教場研究会 古典「茶通箱」

(水曜B組) 圡田宗充

 茶通箱は「二種の茶の飲み比べがすべてである」という家元の言葉に強い印象を受けました。そうなると茶通箱を使った茶事での会話は、茶を飲み比べての話題が中心になる。そのためには飲みものとしての茶に対する深い知識と洞察が必要となる、これは学ぶ必要があると思いました。しばらくは美味しいお茶を点てることをテーマに茶を学ぼうと決めました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(2)」のリンク

2024年4月9日

笠間稲荷神社 例大祭

池内宗有(茨城不白会)

 本年も四月九日に、笠間稲荷神社において例大祭が執り行われました。ようやく桜も見頃となりましたのに、当日は朝方より春の嵐でした。
 皆様には到着後、慌ただしくも、しかしつつがなく神事にご参列いただき、宗雪家元による献茶式、志野流蜂谷宗苾宗匠による献茶式も厳かに執り行われました。
 午後より志野流香道による香席と、私たち茨城不白会のお茶席を設けさせていただきました。香席においては三種香に参加され、家元が参加者の中で唯一全問正解だったとうかがいました。
 お茶席のしつらえは、お床の花はキブシとツバキ、お道具は、今年は茶碗、水差し、そして花入に至るまで当地笠間焼の作にておもてなしさせていただきました。茶碗は松井康成氏の若い時の物から、現在まさにご活躍中の作家による物まで幅広く揃えてみました。お茶席での雲鶴先生をはじめとする東京の皆様の寛がれたお顔を拝見しましたら、この日一日の疲れが吹き飛んでいくようで この例大祭にて、来年度以降も変わらず江戸千家とのつながりが続いていく事を信じてやみません。

カテゴリー:行事・茶会 「笠間稲荷神社 例大祭」のリンク

2024年3月31日

久留米家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

西依宗直(久留米不白会)

 茶通箱は相伝のイメージが強く、箱を取り扱う作法にばかり気を取られておりました。初伝で茶通箱のお点前を習得するのは結構大変だと思っておりました。
 今回の研究会では、作法は大事だが箱の取り扱いにとらわれず、二種類のお茶を飲み比べることが大切であると知りました。
 先日、さっそくお稽古二種類のお濃茶で飲み比べを行ったところ、それぞれに感想が違って、お茶についての会話が弾みました。
 機会があれば今後もお稽古の時に茶通箱を使って、お茶の飲み比べを行い、皆で気軽にお茶を楽しみたいと思います。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「久留米家元招請研究会」のリンク

2024年3月17日

新潟家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

中野恵雪(新潟不白会)

 午前中家元からお茶を運ぶ道具としての「茶通箱」が、水屋に置かれ、やがて表道具となり現在の姿となった変遷や意味についてお聞きした後で、体操十種から体をほぐすひとときを教わりました。
 午後は実践の場で「亭主」と招かれた「客」とで用意された二種のお茶を飲み比べ。香りや味の違いに驚きながら、五感でお茶を味わう中、「茶通箱」を通して心を合わせるということはどういうものなのか深く考える場となりました。
 家元の「お酒を飲み比べるように、お茶も実用的であるべき」とのお言葉が心に残りました。
 また、この日の掛け物は、不白が利休への敬意をもってあらわした一幅で、お持ちくださった家元のお心遣いにも大変感激いたしました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「新潟家元招請研究会」のリンク

2024年3月13日

2024年度 家元教場研究会レポート(1)

家元教場研究会 古典「茶通箱」

(水曜A組) 松田宗啓

 茶通箱は相伝の時のみ行う点前と思い込んでおりました。日常抹茶をいただいたり、差し上げることが多い中、頂戴した茶を茶通箱を使ってもてなす事を思いつかなかった事を恥ずかしく思います。
 また他の相伝の点前と比べて、箱を扱う時の指の動きが難しく思えていましたが、指の動きにこだわらず、飲み物としての茶を「尊ぶ」気持ちがあれば自ずと所作に現れると伺い、大変良く分かりました。私も久し振りに箪笥の奥にしまってある茶通箱を使って友人と茶を楽しみたく思います。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(1)」のリンク

2024年3月2日

能登半島地震チャリティ茶会

今井宗美(新潟不白会)

 元日夕方新潟でも揺れを経験し、二カ月経った今でも市内西区では液状化被害で我が家で生活できない方もおられます。ましてや能登半島ではライフラインの復旧すら遅れているとの報道に、つらく困難な生活を続けておられる方々を思うと胸が痛みます。
 この度新潟不白会では三月二日、三日、能登半島地震復興支援のチャリティ茶会が行われました。両日共お雛さまもこごえるような雪のちらつく天候にもかかわらず、賛同いただいた多くの方々がおいでくださいました。かわいらしいお孫様とご一緒の方、久し振りの茶会ですとお話されておられた方。先生方が思いを込めて選ばれた輪島塗の棗をはじめ北陸の伝統工芸品のお品を前に、お客様とご一緒に能登の復興のこれからの前進を願いました。
 一日でも早く日常を取り戻されますよう、私たち一人ひとりが出来ることを考え行っていきたいと思います。 

カテゴリー:行事・茶会 「能登半島地震チャリティ茶会」のリンク

2024年2月24日

八女、佐賀家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

(佐賀不白会・八女不白会)

八女不白会

佐賀不白会

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「八女、佐賀家元招請研究会」のリンク

2024年1月28日

新潟不白会九十周年記念祝賀会・初釜

小川宗弘(新潟不白会)

 令和六年一月二十八日、新潟不白会九十周年記念祝賀会としての初釜が老舗料亭「鍋茶屋」にて開催されました。当日は、家元ご夫妻、宗康先生ご夫妻、新柳様ご夫妻、そして東京と高田支部より役員の方々にお出ましいただき、支部会員百余名参加の盛大な会となりました。
 午前は中野宗順支部長の濃茶席と、四席のテーブル茶席が設けられ、午後の祝賀会では美味しい料理と特別酒に舌鼓を打ち、家元の篠笛のご披露で花を添えていただきました。
 新年より能登半島地震、飛行機事故等、ショッキングな幕開けとなりましたが、皆様と共に、一服の茶をいただける感謝と幸せを感じた一日となりました。
 今年還暦を迎えます私は幸運にもじゃんけん大会を勝ち抜き、家元、新柳様合作の「龍吟虎嘯」の色紙を頂戴し感無量でございました。 また、はじめて参加させていただいた娘三人は、華やかで温かい雰囲気を楽しみながらますます茶の湯に関心を深めたようです。
 今後も百周年に向けて、支部を盛り上げていくお手伝いが出来たらと思っております。

カテゴリー:行事・茶会 「新潟不白会九十周年記念祝賀会・初釜」のリンク

2024年1月12日

一年の計を思いつつ初釜

御堂島良子(長野不白会)

 一月十二日。朝の気温は氷点下七度、信州の冬らしいきりっとした寒さで、見上げた真っ青な空がとても清らかでございました。
 お茶室の床には孤峰不白の「鶴の絵」、青竹の花入には見事な結び柳と松。雪輪霰紋の釜(長野烈造)熨斗目飾の竹台子に朱桶、唐銅皆具が飾られ、その凛としたお茶室に身の引き締まる思いでございました。
 李宗福先生の新年を寿ぐご挨拶に社中一同あたたかな思いに包まれながら、点心へと進み美味しい懐石料理を楽しみました。
 中立ち後お炭点前が行われ、お濃茶は家元考案の『和韻点』で銘々にふるまわれました。
 お茶入も不白の「赤松末広」、お茶碗は月形邦比古作「鬼志野」でした。
 薄茶席で私はお点前の機会をいただきました。家元作の繊細で美しいお茶杓「三輪山」で、震える手でお茶をすくった瞬間、李先生はもちろんのこと、どれほど多くのご縁でこのような体験をさせていただけていることか、しばし時が止まる思いでした。

カテゴリー:行事・茶会 「一年の計を思いつつ初釜」のリンク

2023年12月1日

家元相伝式を迎えて

令和5年12月1~3日(上伝)/12月5日(皆伝)

●茶の湯の原点を見つめて
 この度は、皆伝伝授式において、家元、奥様、新柳様、正客の落合先生他、皆様に総出で祝っていただき、本当にありがとうございました。
 初めて伺う茶室のたたずまいにまず圧倒され、「家業」と表現された家元の言葉に、その継承の実際を目の当たりにし、深い感銘を受けたところです。久留米篠山で「乱飾」を伝授していただいてから二十年、最後の「皆伝」を家元自身からいただけたのは幸いです。
 手作りのお料理の数々、鮮やかなお菓子、運びの皆様のさりげないお声かけの心遣いに気持ちが和みました。そして何より、家元によるお点前は圧巻でした。
 始める前に深呼吸をされ、そこに何か決意めいたものを感じ、その緩急のリズムにまばたきもせず見入ってしまいました。ここに「本物」があると感じました。また「、孤峰不白」の背景にある意味を初めて知り、四十年目にしていたはずの「孤峰」の意味も知らず過ごしていたこと、恥ずかしく思います。茶花のすっとした切れは、久留米での研究会、梅林寺の折も学ばせていただきました。『行雲流水』の句集は、帰りの新幹線で拝読しました。一つ一つの句の情景、その時の心持ちが、簡潔な中に、しっかりと伝わってきます。また「ニーチェ、朔太郎、大津皇子」等、哲学や文学、歴史に渡る幅広い見識に驚きました。その中で「富士の山上るも下るも一歩一歩」が四十年間遅々茶の湯を続け、今、皆伝をいただいた私の心に一番合致しました。この句集から、家元の全国を歩かれたその足取りのご苦労、喜びが思われます。
 私も一句つくってみました。
 照り葉置く主の心か露地の庭「ちらと見た露地の石に散る照り葉が、まるで意図をもって置かれてあるようだ」との意です。
 最後に、家元の「どうぞ、お茶を自分のために」という言葉が、少し意外で印象に残っています。人に教えることばかり考えていた私にとって、原点は何かと問われているような気がしました。私自身にとっての「茶の湯」とは何であるのか、日々見つめていきたいと思います。
久留米不白会 生津宗郁

●道号をいただいて
先日は上伝を賜り、まことにありがとうございました。美味しいお料理、由緒あるお道具、美しいお点前、これからの私の人生に彩りを与えていただける大変貴重な経験をさせていただきました。
 高校生だったころ、お菓子を楽しみに半ば遊び感覚で茶道教室に通っていた頃は道号がいただける日が訪れるとは、夢にも思っておりませんでした。名前に恥じることのないよう勉強して参りますので、今後もご指導よろしくお願いいたします。
群馬不白会 青栁宗匡

●感謝の気持ちを胸に
初めて池之端に伺った時、左手にお箸を持ち替えてお菓子を取ったのを家元が気付いてくださり、その後左利きの点前を開発くださったことが、ここまでお茶を続けられた大きなきっかけになりました。利き手を使えることで安心して落ち着いてお茶に集中でき、お茶のみならず人生を深く感じられる時間になりました。
 美味しいお菓子とお茶をいただくだけではなく、もっと勉強したい、もっとお茶のことを知りたいと思い、お稽古を続けて通えるようになりました。お茶を始めて周りのことにも興味を持つことができ、陶芸にも出会えました。
 先生方にも恵まれて、家元はじめ雲鶴先生、落合先生、矢口先生、高橋先生に入門当時からお世話になったのもお茶を続けられた理由です。感謝の気持ちで一杯です。
 今年はお免状をいただいて、本当にいい年になりました。「友雪」という素敵なお名前、雪を友と敬ってお茶に精進いたします。
東京不白会 内山友雪

●「秀嶽」のお軸を胸に
晴れた初冬の一日に上伝の相伝式を迎えさせていただきました。家元、中野先生のご指導、雲鶴先生、新柳様はじめ皆様の温かいお心遣いと、深く感謝申し上げます。
 心に残りました床の「秀嶽」のお軸、その力強い筆致に圧倒されるばかりでしたが、ご相伝の際、多くの先輩方がご覧になられたことに思いを巡らせますと、何だか勇気が湧いてまいりました。
 今はその麓にも立っておりませんが、気持ちを新たにお稽古に精進してまいりたいと思います。雪深い地で生まれた私には「恵雪」の道号もありがたく、大切にしてまいりたいと思います。
新潟不白会 中野恵雪

●これからも楽しく
師走を迎え山には白い雪も見える新潟でしたが、東京は天高く青空一杯で気持ちのいい一日でした。
 門をくぐりお庭に見入り、ご準備いただいたしつらいの数々、家元のお気持ちが嬉しく感動いたしいました。初座での心のこもったお料理は、ほっこり身体も温まり楽しいお話で緊張も和らぎました。家元のお話で、忘れていた振り返りができました。この日だからこそ大切に思い、お茶をやっていて良かった、これからも楽しく続けようと思う一日となりました。
 たくさんのご準備をいただいた奥様、新柳様をはじめ皆様にお礼申し上げます。
新潟不白会 斎藤和雪

カテゴリー:茶の湯を楽しむ 「家元相伝式を迎えて」のリンク

『大人の茶道教室』を開催して

影山宗翠(福島不白会)

 郡山市にある 世紀公園麓山の杜主催の「大人の茶道教室」を、九月、十二月の二回、郡山市茶道連盟の当番として福島不白会根本社中が講師として開催しました。
 郡山市内にお住まいのお茶に興味のある初心者を公募し九月に十人、十二月に十三人が選ばれました。「大寄せの茶会に気軽に参加できるように」を目標に、お茶の飲み方や茶室での基本動作、茶会の楽しみ方など実践を中心に行いました。

 皆さん熱心に取り組んでくださり、「正客」「点前」などのお茶用語を知ってもらい「抹茶の産地によって味に変わりがあるのか」「お茶にはどれくらいの種類があるのか」などの質問も出、社中みんなで協力しながら答えたり資料をそろえたりしました。
 最終日には感想をお聞きしました。
「今回経験したことを参考にお茶会に参加してみたい」 「お茶には興味があるが格式が高く気軽に行けなかったが、これからは楽しみたい」 など。
 私たちも参加者からの質問や感想を聞くことで、初心の心の大切さ、お茶を楽しいと思ってくださった方々にこれからも継続してもらうにはどうしたらいいのかという課題もいただきました。

カテゴリー:行事・茶会 「『大人の茶道教室』を開催して」のリンク

2023年10月29日

福島家元招請研究会

家元招請研究会

太田宗恵(福島不白会)

 家元をお迎えしての四年ぶりの研究会でした。「体操十種」では、茶の湯を行う上で身体は重要、呼吸、正しい姿勢、座り方が体操中に折り込まれており、頭の先からつま先に、芯が通って行くのが感じられます。中でも「だだっこ体操」。子供がおねだりをして駄々をこねるように、腕をぶらぶらさせながら、「ヤダ、ヤダ、ヤダー」と身体をねじる。大きな声を出して笑いながら、とても良かったです。
 小習いは、「床のしつらえ」で、この日十五夜に併せて、持参の夏目漱石直筆の詩をおかけくださり、軸に合わせて、花器、敷板をどう選ぶか、組み合わせをどうするかをご指導くださいました。自分で選ぶことの大切さを学びました。床を決め、整う感触がわかったような気がいたします。
 花月では、間合いを考えながら、状況をどうとらえて動くか、どう進行していくかを考えながらも、「月」が出れば、一服のお茶をゆっくり味わい、「花」になれば美味しいお茶をお出しすることに集中するということを学びました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「福島家元招請研究会」のリンク

2023年10月15日

熊谷家元招請研究会

家元招請研究会

曽原宗香(熊谷不白会)

 午前中の体操では、家元と一緒に爽やかに身体を動かし、その際「体操は身体への旅」と心得よとお話いただきました。 「興味をもって自身の身体と向き合うこと」で、「自身がこうありたい、そこ(旅先)にたどり着くためには、どのように、どのような行程(体操)を経ていけば、よいかを考え、どのような心持ちで日々を過ごすべきか」をご教示いただいたものと理解しました。効果的な身体の動きのみならず、今後、自身のどのような姿を意識して人生を歩んで行くかを意識し、実践して行くべきヒントをいただいたものと実感しております。 午後の花付き花月では、美しく生けられた花と、花月の楽しみを興味深く拝見しました。そしてコロナ禍に適応した新たな形の、札なし花月では、永きにわたり時代とともに進化するその過程を目の当たりにし、貴重な経験をさせていただきました。
 改めて、この研究会のみならず、師の下で日々稽古を積んでいくことは、総合的なエッセンスを実装した「大人の総合学習」であると感じました。多くを学んだ実感を得た一日でした。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「熊谷家元招請研究会」のリンク

2023年9月16日

お茶会でのお点前をして

─新潟県文化祭茶会─

斎藤和子(新潟不白会)

 九月十六日、新潟県文化祭茶会にて中野里雪先生が新潟不白会として初めてのお茶会を担当され、私もお点前のメンバーとして参加しました。里雪先生から「今回は立礼席なので華やかにしたい」と言われ、五人のメンバーは着物の打ち合わせをしたり、前日までお点前の確認を兼ねて練習を行いました。当日は宗順会長はじめ新潟の先生方・先輩方が受付・水屋に入っていただききお客様をお迎えすることができました。
 私は一・二席のお点前担当で、里雪先生は隣で今回のお道具、取り合わせについての話をしています。斑唐津の主茶碗に家元が『今から』と銘をつけて下さったこと。扁額は会津八一の書で、里雪先生のお席への思いを感じ、心が熱くなりました。お客様の「お茶美味しかったです」の一言が全てのお礼の声として聞こえ、こんなに嬉しい事なのだと。湧いてくる新たな気持ちを噛みしめました。茶の湯の美学をたくさんの角度から学ぶことが出来た一日となりました。

カテゴリー:行事・茶会 「お茶会でのお点前をして」のリンク