且座濃茶各服点
●先日は私共の初めてのオンライン研究会のためにご準備下さり、お客様として東京の先生方にも御参加いただきまして、感謝の気持ちで一杯です。画面を拝見して、伊万里の平水指の見事なこと、蛍籠の炭取りの涼やかさに、まず目を奪われました。家元が流祖の鶴亀、三日月のお茶碗に一元斎の荷葉という銘の茶杓で濃茶をお点てになる頃には、且座を拝見しながら、まるで映画を見ているような気がいたしました。香付花月では皆様の気持ちが通じ合い、お互いの動作をご覧になっていることに感心しました。姿勢の美しさも心に残りました。家元の「余裕がないと間を合わせられない」というお言葉をこの夏の課題といたします。蝉時雨茶会に、私ども高知支部をお招き頂きまして誠にありがとうございました。
(吉岡宗美)
花月
蛍籠
●家元と雲鶴先生のお点前を拝見できたことはとても勉強になりました。落ち着いた動作は、見ている人にも落ち着きを与えること、所作のスピードは、人に与える印象も違うのだなという事に気付きました。
動画を見て、日ごろ私がお稽古で学んでいることは基本的なことだけど大事なことの積み重ねだったんだなと解りました。何のための所作かに意識を向ければ更に意味を理解できる気がしました。亭主と客は互いに気を合わせ流れを乱さないことも大切だけれど、上手くいかなくても、主客のやりとりでフォローしあいながらその場を楽しませることも亭主の腕であり、そこに面白みや喜びを見つけるのも楽しいことだなと思いました。
(田村廣雪)
●YouTubeでの研究会、カメラワークも見やすく、近くで拝見している様でした。お道具の説明もチャットに書かれていて、一人で見ていても分かりやすかったです。家元はじめ皆さんとても和気藹々と楽しそうな雰囲気が伝わりました。
(濱田宗美)
●このような状況下で稽古を行う事には制約がありますが、工夫することで稽古を継続していくことが可能であることと、それにより多少の変化があってもよいのだと、今回の研究会で学ばせて頂きました。日々の稽古ではその変化を楽しむことを、また「一服の美味しいお茶を点てること」が一番大事なことであることを再確認し、そのことを忘れないように心がけたいと思います
(津野久美)
花材の披露
香役を札で決める
佐藤宗博(静岡不白会・火曜A組)
今日も暑い一日になるとの予報にうんざりしながら、早朝の庭に出ましたら紫がかった紅の槿が一輪、静かに咲いていました。河内彩雪(東京不白会・火曜A組)
六月のオンライン研究会に当番として、動画の撮影に参加させていただきました。大野宗育(東京不白会・火曜A組)
「花月」では 床の間方向から撮影していただきましたので、全体がよく見え流れが理解できました。香付をどのようにするのか、見ていましたら、コロナ禍、香炉を回さずに空焚きする方法がとられ工夫を理解いたしました。 従来花月は無言でと習ってきましたが、画面からはとても和やかな様子が感じられました。
池内有紀子(茨城不白会)
六月一日、水戸藝文センターでの家元による茶の湯講座に参加致しました。このところオンラインでのお教室が続いていた中で久しぶりに家元のお姿を拝見できる機会です。
そして、日々の雑事の合間に時間や空間を意識的に作って自分のために一服のお茶を点てることの豊かさについてでした。
●昨日は新潟不白会オンライン研究会に御一家のご参加を賜りまして、誠に有り難うございました。「コロナ禍での且座と花月」、楽しみに致して居りました。
家元の正客、雲鶴先生のご亭主、そして新柳様の半東で一同びっくり。惹きつけられて無言で拝見させていただきました。且座というよりも、まるで茶事。皆様の見事なそして自然の美しさにただ感動しておりました。花月も札、折据がないので初心者も参加できると喜んでおりました。あっという間の終了。緊張しておりましたので体がこわばり、体操がなかったのは少しがっかりでした。お菓子、お茶をいただき帰る前に少し体を動かして終わりといたしましたが、充実した一日だったと皆喜んでお帰りになりました。
本当に有り難く、厚く御礼申し上げます。早く御目もじ出来ます日を祈って折ります。
(新潟不白会 中野宗順)
●長く続くコロナ禍に対し、工夫された且座、お花、お炭と続くなかで、お香を略しお菓子が運ばれてきました。中立ちがあり、湯がよく沸いて、各服点てのお濃茶へと続きました。
家元、雲鶴先生、新柳様、直門の方々が加わり、自然と和んだ雰囲気が伝わってまいりました。
炉の中のお炭の様子をはじめ、香合、床飾り、お道具の一つ一つをゆっくりと見られるように、カメラワークが素晴らしく、その場に座っているようでした。
花月は四人で各自が服紗を付け、折据は使わず、自己申告で役を決め、各服点てなので控えの役の動きが重要とのことで、後に配信された映像で確認することができました。
この度の研究会では、思いも掛けない事が多く、茶の湯一会、型にとらわれすぎてはいけないという家元のお言葉に、茶の湯の奥深さを感じました。
(山田厚雪)
落合文雪(東京不白会・金曜A組)
今年度の家元教場研究会、新型コロナ禍を受け心配しておりましたが、出席された皆様と久方ぶりに再会できてに大変喜んでおります。加賀秀雪(東京不白会・金曜A組)
半東をさせていただきました。宗匠のお話で半東は単に機敏な動きばかりが求められるのではない、もっと落ち着きのある役目であることをお教えいただきました。研究会は宗匠の言葉を直にお聞きでき、また志を同じくする方々にお会いできる楽しみがあります。参加してよかったとの思いが募ります。大村宗芙(東京不白会・火曜A組)
富士と隅田川(柳桜) 渡辺省亭画
炭所望
●前半は、「且座」の指導。一つ一つのお点前が目の前で、アップで見せていただき勉強になりました。後半の「花月」では、折据(札)なしの式法に度肝を抜かれました。「花」「月」の名乗りが「自己申告」ということをお聞きして納得、目から鱗でした。また、お茶碗も毎回替えるなど、家元、雲鶴先生、新柳先生の試行錯誤の取り組みがあったのではと推察いたします。楽しく勉強させていただきました。さて、実際自分でやると上手くできますか……。勉強ですね。
(田中宗俊)
●オンラインの研究会は昨年末に続き二回目で、少し余裕をもって参加できました。私にとって少々敷居の高い且座が自然な動きや所作で展開され、解りやすいアングルから拝見できたのもオンラインならではでした。お花が生けられると一瞬にして座が凛として春たけなわとなり、釣釜での炭点前もじっくり見せていただき改めて季節を取り戻しました。
花月は斬新で驚きましたが、随所に合理性が伺え納得のいくご提案でした。早速お稽古でやってみたところ、
最初戸惑いのあった月、花の名乗りも、回を重ねていくうちに座の流れや雰囲気を読みながら自然とできるようになりました。
かかる状況でオンラインで研究会を開催していただき、感謝致しております。然りながらやはり実際にお目にかかって対面でご教授いただける日が一日も早く戻るのを願って止みません。
(笹本 緑)
正客
次客
花月
濃茶各服点
松崎宗渓前会長
今井光雪(熊谷不白会)
去る三月七日、熊谷不白会の理事会が開かれ、役員の改選が行われました。足立淳雪(東京不白会)
宗雪宗匠がまだ慶応大学ご在学中、卒業記念に何かと考えて、お小遣いを貯め、顧問の山口有雪先生にご相談した。山口先生は銀座の「空也」のお店近くのフォルム画廊を紹介して下さった。
(七席)に開催しました。難しい状況の中、さまざまに工夫した各席のレポートを一部紹介します。◦亭主の感想
早くも先月三田宗明先生の一周忌を迎えました。今回は澤野宗桂先生をお迎えし、大切なお道具でおもてなしをしました。
お薄は、三田先生がデザインして手彫りされた波間に遊ぶ亀の絵のお茶箱。茶杓は先生が九十九歳の作。いつまでも見守って下さるようにと「月光」と銘をつけていただいた私の宝物です。澤野先生は「うさぎ」の落雁と錦玉で作った「イチョウ葉」を三田先生にとお持ち帰りくださいました。◦正客の感想
ご亭主がお茶の心を大切にしていらっしゃることが伝わってまいりました。
◦亭主の感想
狭い庭の木々もすっかり裸木となり、紅葉が足下に残った飛び石をそのままに寄付へと案1内。炭点前、折敷と進み、和やかに会話がはずみ、菓子をお出しして元の寄付へ。床には石蕗、蔦を生け、静寂のうちにお濃茶へと進みました。
今回の研究会、コロナ禍、新しい生活スタイルでの茶会、マスクをしてのお点前、客との会話も表情が読み取れないもどかしさ。いつもの自宅の茶と違う緊張感の強いものでした。天候に恵まれ遠路お出掛け下さいましたお客様に、ただおいしいお茶をとの思いで席主を務めました。
コロナ対応の観点から、家元招請研究会に替えてオンラインによる勉強会が開かれています。八女不白会では「小習いと薄茶」を課題にしたオンライン研究会が行われました。小習(茶席の準備と片付け)では、床飾り(掛物を掛ける、花を生ける、炉の火を直す)と抹茶の用意(お茶を掃く)を、そして割稽古と薄茶点前の披露などが質疑応答を交え行われました。参加者の感想を掲載します。
○映像を通してのご指導は、手元の動きなど判りやすく、とても勉強になりました。家元の間の取り方や流れを目の前で見させていただき、今まで自分が手順優先でお点前をしていたことに気付くことができました。つい忘れがちな、心をこめて取り組むことの大切さを教えていただいたことが大変嬉しく、これからのお稽古に繋げていきたいと思っております。
半東をされた雲鶴先生の振るまいや、所作、東・半東の息のあった、優しい流れを読み取ることもでき、家元、雲鶴先生、新柳様の連携の様子に、とても温かいものを感じました。和やかに手を振って終わったことも次に繋がるようで、本当に有り難うございました。
(重永博子)
○コロナ禍のなか、全てが始めての試みであるオンライン研究会。できることから少しずつでも進んでいくことが大事だと思いました。家元と双方向でに関わりながらお稽古ができることに、大変感謝です。有意義な時間でした。
「形やパフォーマンスだけでは、相手に何も伝わらない」という家元の言葉が心に残りました。毎回のお稽古に対して、もっと準備から丁寧に細やかに取り組む事が大切であると痛感しました。
(麓水会 Y・I)
○小習いで、日常の茶の支度の様子が拝見できて、とても勉強になりました。特に炭の支度の様子など通常の研究会では、炉のそばにいなければ見得ないような所まで拝見でき、よかったと思います。オンラインならではの良さでしょうか。「茶筌通しも相手の事を考え、心をこめてする必要が在る」。これから実践していければと思っています。
(麓水会 T・D)
小川宗弘(新潟不白会)
十月十八日燕喜館にて雲鶴先生をお招きして研究会が行われました。
お道具の相応しい位置への設えや、半東も臨機応変に対応し、サポート出来るようになると改めて学びました。今後ご教授いただいた事を意識しながら全体に気を配り、心のこもったおもてなしをして参りたいと思います。
加賀秀雪(青森不白会・金曜A組)
先日の研究会は思いがけず家元とご同席でき、興味深く楽しいお話をお聞きする機会を得ました。持参したリンゴの名前がわかりました。青森の地で開発された品種で「はつ恋ぐりん」という名でした。初恋の甘酸っぱさがでしょうか。思い切って上京し心が晴れたような気がいたしました。来月にはこちらは里にも白い物が……です。寒さに向かう折り、どうぞご自愛くださいませ。
松岡宗理(東京不白会・土曜B組)
細やかなコロナ対策を徹底的に追求された新しい型の研究会に、土曜日の参加は十六人だけでしたが、例年では考えられない全員が主客として参加する事が実現して、温かく満たされた気分でございました。関 宗哲(東京不白会・土曜B組)
コロナ禍で、疾患を抱える身ゆえに外出を控え引きこもりの状態にも違和感を感じなくなってきたころ、「オンライン教室」の中で「外に出てみるのもいいのでは」という家元の言葉に押され、研究会に参加させてもらいました。当日は、教場のテーブル席を引き当て、松岡宗理様の「自宅の茶」にお招きいただいたという趣向。
これまでの研究会で、「初座で一献」「後座で盆点の薄茶」「同濃茶」「花月を取り入れる」を学んで来、今回は「和韻点て」で、テーブル茶のバリエーションを学び、そのバランスをどう工夫するかを教えていただいているように思っております。初座の最初に花所望があり、亭主と正客の心が花を話題に交歓され、花が茶席を柔らかく結ぶことを実感しました。由来や思い入れのある持参の道具に、自然と会話も弾みました。亭主の茶碗は尾戸焼(霊芝紋)、次客は再興星野焼(源太窯)。茶杓は、新柳様作、銘「一寸法師」。少し短いとの由で家元が即興で命銘とのこと。
工藤宗年(七戸不白会・金曜B組)
今年は新型コロナで毎日鬱陶しい生活でした。コロナに負けまいと九月の研究会に参加致しました。日帰りの旅でしたので気持ちに余裕がございませんでしたが、皆様にお会い出来て心が和みました。正客との仰せにびっくり仰天。花所望を受け、豊富な花材を眺めているうちに、心も落ち着いて参りました。
蝦名厚雪(青森不白会・水曜B組)
教場のテーブル席でお濃茶を担当させていただきました。お客様は二名、お正客様がお花を生けられ、秋の風情を感じるいいお花でした。
今年の家元教場研究会の課題は、「実践—自宅の茶」でしたが、コロナウイルス感染症の影響を受け、前期は中止、九月の後期からの開講となりました。阿部宗広(東京不白会・火曜B組)
朝夕と涼しさが増し秋を感じるこの頃でございます。先日の家元教場研究会に参加させていただきました。始めての花月の間の亭主役は、一生の思い出です。色々反省、茶事の流れを把握出来なくて家元にお教え戴き、花所望、後座へ進めました。これからもしっかり学んでまいります。ありがとうございました。
最後にホテルニューウィングで報告会があり、リモートでの家元の講評がありました。各席のレポートが届きましたので、一部を紹介します。
◦お客の感想
梅雨晴の一日、中津川原より心地よい風が入り、澤野先生と荒木田さんとのお話も楽しく素晴らしいひと時でした。おじい様(吉川保正)とお母様の思い出のお道具の取り合わせ楽しかったです。江刺の涼鉢を頂き、お濃茶席に入りました。ご亭主の奥様の手づくりの栗の渋皮煮をおいしく頂きました。◦亭主の感想
当日の梅雨晴は頂いた庵号、晴空庵のお陰です。気持ちのよい席を持ちました。茶席の前の点心はすくい豆腐のすまし汁、黒むつの西京焼きと菊の司の本醸造を味わっていただきました。家元からいただいた目を見張る北門鎮護神の山(岩木山)を床に飾り、祖父が民藝にも係わっていたので、
我が家の宝、河井寛次郎の花入に紫陽花とギボウシを生け、南部鉄器の鉄瓶で濃茶を点てお出ししました。お薄は林宗悦さんに点てて頂き、私は席に入り、澤野先生と楽しくお話できました。
報告会に参加できたことはよかったと思っています。家元の色紙〝白椿 一輪生けて 小春かな〟を頂き感動いたしました。
日程がウィークデーにあたり、家族が留守で丁度よいので(?)、引き受けました。終活を考え、庭を畑にしてしまいましたので、お花を探したり、食材を探し回ったりと、当日までハラハラでした。臨機応変、メニューを変えれば良かったと反省です。茶事の実践、その後の報告会までの時間が十分ありましたのでお客様にゆっくりしていただく事ができ、半東とのいつもの連携プレーで焦らずに進めることができたと思います。またひとつ、いい経験が出来ました。
岩手不白会会長 澤野宗桂
この度七月の研究会はコロナウイルスの問題で家元、新柳様をお迎えできず、残念なことと思っております。
オンラインで家元の講評を視聴
田中尚一(新潟不白会)
六月二十四日、中野宗順先生はじめ四人の方を自宅にお招きし、台所の丸いテーブルで、私一人、のんびりとてんぷらを御馳走する趣向です。岩原朋子(新潟不白会)
田中尚一さんはお仕事を引退されてから、男性ならではの集中力でみるみるお茶の世界に没入されていることで社中では有名な方です。
御堂島良子(長野不白会)
長野県で緊急事態宣言が解除された六月一日、お稽古が再開されました。
家元ご考案の和韻点ては、今の状況に相応しいお茶の点て方だと思います。
当たり前のようにお茶室への木戸をくぐり、先生が丹精を込められたお庭に心和ませていただきながらお稽古に励むことのできる日常が、なんと幸せなことかと、改めて感じる日々であります。