■月光殿
家元席
今年の江戸千家東京不白会春の茶会は、流祖不白二百遠忌を記念して開催され、他支部の参加も得て各席いずれも見応えのある会となった。
家元席は、三六畳の大広間に五十人のお客様を迎えるというスケールの大きさ。織部の茶碗、青竹の結界、朱塗りの桶。淡いモスグリーンの瓶子にこぼれるような枝垂れ桜が座敷の中央に飾られ、まさに春爛漫の趣向であった。
■艸雷庵
主 新潟不白会
本席
床 如心斎筆一行
頭上漫々脚下漫々
花入 焼〆掛筒 木村隆作
花 木五倍子 片栗
寄付
床 啐啄斎画讃
夜来風雨声
花落知多少
■不昧軒
主 群馬不白会
床 名心庵一行 日暖風和ノ郷
花 黒文字 白根葵
花入 如心斎 竹一重切
銘 うすみどり 一燈箱
茶器 柳桜蒔絵 光漆作
茶碗 御本半使
替 赤楽 銘 朝日 了入造 不白箱
茶杓 不白共筒 銘 舞鶴 名心庵箱
建水 えふご 浄益造
蓋置 名心庵好 亀甲 木村隆造
■円成庵
主 菅原素雪
床 不白筆 如心斎 柳の句 名心庵箱
音もなく香もなき風の柳かな
花入 古染付 徳利 瓢形
花 黒臘梅 雪椿
音もなく香もなき風の柳かな
■宗澄庵
主 富塚宗喜
床 春駒 不白画讃 名心庵箱
夢にさへ よいとや申せ 春の駒
花入 如心斎作 銘 不動 一燈箱
花 木瓜 曙椿
■化生庵
主 長野 烈
床 一去一来 熊谷守一筆
花 八手花笠
花生 ジョッキ ドイツ(十九世紀)製
香合 志野 筍 長野垤作
釜 六面取 自作
水指 黄オリベ 柳原睦夫作
薄器 朱 池田巌作
茶杓 潤 三浦小平二作
茶碗 種子島 小山冨士夫作
蓋置 瑠璃釉六角 自作
建水 柿釉 小山岑一作