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令和四年

初釜

正月八・九・十日
江戸千家 家元邸

 令和四年、恒例の初釜が正月八、九、十日の三日間、二年ぶりに執り行われました。東京を中心に、高知や新潟、群馬、茨城からも参加がありました。常任理事の落合文雪氏に感想を寄せていただきました。
残雪の表門

残雪の表門

正客 南部利文 様

正客 南部利文 様

○初釜に参加して

 凍てつく今年の正月三が日でしたが、令和四年度の江戸千家初釜が催された八、九、十日は、一転して掃き清められたような、穏やかに晴れ上がり、光のどかな中での開催となりました。
 ご承知のようにここ二年程は新型コロナウィルスの影響を受け、永年続けてこられた各行事も中止となり心残りの日々を過ごして参りましたところ、はからずも家元の初釜にお招きを頂きました。
 初釜は感染予防を考慮し、一日一回、約十五名で行われました。ご参加の皆様は二年ぶりの再会に心弾ませ、喜びに満ち溢れていました。
 新年を寿ぐ門松も清々しく、長い伝統を守り、 今後も永々と引き継がれていく家元邸の飾り付けの中に身を置き、 心身ともに引き締まる思いでございました。
 四規七則の和敬静寂を肌に感じて、この難渋する時勢の中にも、眩しいばかりの希望の光があふれ出る初釜でございました。
 家元ご一家の和やかなご挨拶を賜り、新柳様のお台炭、家元のお点前でたっぷりと点てられたお濃茶を頂き、今年の江戸千家と家元御一統様の弥栄を衷心よりお祈りいたしました。
                              落合文雪
一円庵床

一円庵床

家元による大福の濃茶
      各服点て

点心・福引き風景

教場にて談笑

教場にて談笑

落語 柳家一九師匠
     「錦明竹」

蓮華庵床

蓮華庵床

【会 記】

■花月の間
床 不白筆 三幅対
 南極老人星 千年丹頂鶴 万年緑毛亀
  前に 丸三宝飾り
 花入 青竹 掛筒   
 花  柳 椿紅白各種
 脇床 原叟覚々斎
     扇の富士を見て
    年玉や開けて戴く
       富士の山
 釜  広口縦筋      長野烈作
 炉縁 長熨斗蒔絵
 棚  竹台子
  水指 江岑好 朱手桶
  皆具 不白好 皆具  山口浄雄作
 茶入 大海 備前 「凡」
 茶器 梅蒔絵 
 茶碗 御本 刷毛目
 茶杓 不白作 「龍窟」米寿
 御茶 「雲鶴」    丸久小山園詰
 菓子 えくぼ饅頭     㐂久月製
  器 朱 高坏一双

■一円庵
 床 不白筆
  ゆずり葉の消息  自得斎宛
  香合 不白在判 「金獅子」長入作
   三宝に炭飾り
■ 玄 関
  夏目漱石 短冊句
    崩れたる
     雑煮の餅に我似たり

■ 教 場
床 李朝民画 虎の絵
   前に 
    不白作 七福神のうち 
          大黒 恵比須
 脇床 平櫛田中作 大黒像
    堆黒盆 明時代
 花  松 千両 葉牡丹
 花入 備前蕪徳利   桃山時代
 岩松図屏風      十七世紀

 点心 縁高弁当 池の端 かめや製

■蓮華庵
床 光悦消息
     「八日九日十日之内云々」
 花 牡丹 臘梅
 花入 青竹 生野徳三作
 釜 蒲団釜
  縁 縞柿



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