恒例の孤峰忌が十一月四日、江戸千家家元邸で開催されました。
今年は新型コロナの感染状況に鑑み、家元直門を中心とする少人数の参列をもって開かれました。新潟支部長中野宗順氏にその日の様子をお寄せいただきました。
家元による供茶
午後の呈茶
不白辞世
孤峰忌に参列して
中野宗順
秋晴れの孤峰忌は、コロナ禍の中、参列者二十名という少人数で静かに催されました。
一円庵の床には、不白辞世が掛けられ、花月の間、床の間には不白様の御像がお出ましになられ、新柳様の供香、家元の読経と続き、供茶も厳粛に執り行われ、その後で、家元のご挨拶がありました。
今年は不白二百十四年忌とのこと、昨年は生誕三百年の祭典も盛大に催されたことなど思いだし、感無量でございました。私共も不白様に礼拝、流儀の益々の隆昌をお祈り申し上げました。
お昼からは、新柳様と雲鶴先生が青漆爪紅及台子に皆具の炉仕立てにて口切りの濃茶「星の奥」を点てられ、皆で有り難く味わいました。
宗康先生正客の十名の席では、久し振りの空也餅も美味しく、末座の家元から脇床の呂宋の真壷「南山」、参禅の師、大竜和尚の「芦鷺」の道歌の説明などを伺い、和やかなゆったりとした席となりました。帰りには茶壷の薄茶をお土産にいただき帰宅いたしました。
午前 式典
一 供香 川上新柳
一 読経
一 供茶 川上宗雪
一 挨拶 〃
午後
一 点心 於 教場
一 呈茶
口切り茶「星の奥」
星野製茶園
菓子 「空也餅」
銀座空也
花月の間
床 不白筆三幅対
「假 空 中」
不白塑像
前に 三具足
不白旧蔵
呂宋真壷「南山」
脇 大龍宗丈筆
「芦鷺」和歌二首
一円庵
床 不白辞世
妙々が又妙々に生れ来て
又妙々に行くが妙なる