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平成三十年 戊戌

初釜

正月八、九、十日
江戸千家 家元邸

「八日、九日、十日の内、朝なりとも昼なりとも御茶申すべく候」
 初釜の日取りの由来となっている光悦の手紙が広間の脇床に掲げられた。明るい日差しの暖かな三日間で、青森、岩手、山形、福島など東北からの参加者は殊の外喜ばれている様子だった。恒例の正月飾り、家元の点前による大福の茶、点心、福引きと新春を祝う行事が和やかに進められた。
 蓮華庵の床には神像の姿で描かれた日吉ひえい山王権現の掛物、古銅の花入に水仙が添えられ清浄な風を醸していた。博之氏が担当し、参加者の皆様と交流が計られた。
家元による大福点前

家元による大福点前

光悦正月の文

光悦正月の文

曽彦四殿

   父子
宗二
   三人

八日 九日
十日之内
朝成共
昼ナリトモ
御茶可申候
 従鷹ヶ峰
正 四日
光悦(花押)
唐加彩武人と干支人形

唐加彩武人と干支人形

【会 記】

■寄付
  小川芋錢
    田家風味  慈姑くわい■ 花月の間
床 不白筆
   寿老 鶴 亀  三幅対
     熨斗三宝飾り
 柳掛け 青柳 椿
    (曙・加茂本阿弥・妙蓮寺)
竹台子飾り
 江岑好 朱塗手桶
 唐銅皆具の内
 釜 立筋       長野 烈作
 炉縁 時代なが熨斗のし蒔絵
 濃茶器 備前大海 銘 おおよそ
 茶碗 御本 刷毛目
 茶杓 不白作 銘 龍窟
 御茶 雲鶴    宇治丸久小山園
 御菓子 えくぼ饅頭  谷中喜久月
  器 朱 高坏一双
脇床 光悦筆 消息 正月の茶


■ 一円庵
床 不白筆
   ゆずり葉の消息   自得斎宛
香合 不白在判 金獅子
■ 蓮華庵  薄茶席
床 日吉山王曼荼羅断巻
 花入 古銅管耳  明代
 花 水仙
 香合 黒楽 茄子 旦入造
 釜 蒲団   五代寒雉
  炉縁 黒柿
 水指 瀬戸写 耳付 鈍阿造
 茶器 名心庵好 富貴棗
 茶碗 高麗青磁
  替 黒高麗
    金閣寺焼筒
 茶杓 名心庵作 磐余彦いわれひこ
  蓋置 備前 三猿
  建水 木地曲
 御茶 又玄 丸久小山園
 菓子 千代の春 岬屋
 器 安居屋盆

■ 教 場
床 松林桂月筆  朝日図
   如心好 赤楽嶋台 重ね茶碗
         不白在判 共箱
   不白手造 楽焼 七福神の内

 脇棚 三光松・千両 葉牡丹
     古備前 大徳利

初釜風景


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