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東博特別展『茶の湯』添釜

 平成二十九年四月二十七日
於 東京国立博物館平成館ラウンジ

 四月十一日から六月四日まで開催された『茶の湯』展では、各流派による呈茶席が設けられた。江戸千家は四月二十七日を担当、臨時に設えられた置き床に、平櫛田中の「観」と、可憐な初夏の草花が生けられ、茶籠の趣向で、直門の皆さんによりテーブル茶のお盆点前でお茶が振る舞われた。入席時には喚鐘が響き、家元の篠笛演奏、また軽妙な語りで参加者からの質問に答えるなど、茶の湯を身近に感じられる工夫が随所に凝らされて会場を沸かせていた。主催者の毎日新聞社富樫光正様に文章をお寄せいただいた。
●テーブル茶
床 「 観 」の一字
     平櫛田中  百二歳 筆
  花  花筏 都忘れ  宝鐸草
  花入 唐銅     長野 烈作
   喚鐘        〃

時代
 茶籠
  茶入 白酔庵好 桑中次 木賊蒔絵
  茶碗 乾山作    松画賛
   替 魯山人作   青釉
   〃 原 憲司作  黄瀬戸 

  茶杓     名心庵自作
   茶筌筒 桐製
   茶巾筒 象牙   猿公紋
  振出し 朝鮮唐津 益田紅艶旧蔵
  御茶  星峰  八女星野製茶園
  御菓子 つばら〳〵  鶴屋吉信
              以上
 東京国立博物館としては、実に三十七年ぶりに開催する展覧会「茶の湯」に、主催として毎日新聞社も入れていただきました。
 この展覧会に特別協力としてお願いするため、共催社であるNHKグループと江戸千家様を訪れ、家元と初めてお会いすることができました。とても緊張して伺ったのですが、家元と話をするにつれ緊張もほぐれ、一服いただいたことを記憶しております。
 ご協力いただいた呈茶席では、家元は当初より、展覧会に特別な思い入れをいだかれ、会場での演出を心掛けながら、篠笛を披露されるなど一般のお客様に「気軽に楽しめるお茶」を提供くださいました。呈茶席は午前十一時から午後三時の開催でしたが、午前中にチケットは完売となりお陰様で参加された二百人以上のお客様は、至福のひとときを過ごされたことと思います。江戸千家様の心を込めたおもてなしに感謝申し上げます。
           毎日新聞社 事業本部美術事業部 富樫光正

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