家元夫妻入場(篠笛演奏 藤舎理生) | |
式次第 | |
一 開会の辞 | 岩手不白会会長 澤野 宗桂 |
一 家元挨拶 | 川上 宗雪宗匠 |
一 記念品贈呈 | 新潟不白会会長 中野 宗順 |
一 花束贈呈 | |
一 来賓祝辞 | 国華清和会 主幹 小林 忠様 |
上田宗箇流家元 上田 宗冏様 | |
一 お祝いの笛演奏 | |
一管 「鶴」 横笛演奏者 藤舎 名生様 | |
祝 宴 | |
一 乾杯 | 茶の湯文化学会会長 熊倉功夫様 |
一 祝電 | |
岩手不白会名誉会長 三田宗明様 | |
元内閣総理大臣 細川護煕様 | |
フジテック代表取締役 内山高一様 | |
一 テーブルスピーチ | |
はごろもフーズ会長 後藤康雄様 | |
平山堂 高橋 豊様 | |
噺家 柳家小満ん様 | |
一 スライド | 映像『名心庵 自會記』より 川上 博之 |
一 閉会の辞 | 東京不白会会長 落合 文雪 |
上田宗冏宗匠
小林 忠先生
後藤康雄様
高橋 豊様
柳家小満ん師匠
家元スナップ句のくじ引き
世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
桜の花の見事さを讃えて在原業平は、この季節を心待ちにする気持ちを和歌に託しました。
今年三月、まさに桜花爛漫の季節、江戸千家名心庵宗雪宗匠にはめでたく古稀を迎えられ、共にいみじくも江戸千家十世家元襲名五十周年という節目の年をお迎えになられました。
宗匠のこの祝言に、全国の会員の思いを結集し、四月三日に開催する東京不白会の茶会を「家元の古稀を寿ぐ茶会」とし、翌四日は全国連合不白会主催、東京不白会担当で「江戸千家十世家元襲名五十周年祝賀会」として開催することになりました。
この江戸千家平成の大イベントを控えて関係者の心は最早「のどけからまし」を飛び越し、高まる気持ちを一つに抑えて、諸準備に当たったものでございました。
折りから護国寺の坂・境内は万朶の桜に埋め尽くされ、桜吹雪舞う豪華な絵巻物にも似た美しさで記憶に残る茶会でございました。
◇
今を遡る五十年前、名心庵宗匠は慶応義塾の初々しい大学生で二十歳。三月二十三日の誕生日を期して、御母堂蓮鶴先生をはじめ、ご関係の方々が見守る中、先代名元庵宗匠より直接十世家元を受け継ぎ、ここに目出度く襲名なさいました。
襲名披露茶会のお写真を今改めて拝見しますと、みな様それぞれが緊張の中にも穏やかな雰囲気が部屋中に満ちて、胸の熱くなる思いがいたします。この日から今年はちょうど五十年。
◇
襲名五十周年祝賀会は、四月四日十二時から帝国ホテル「孔雀の間」で、七百名という大勢の客様をお迎えして盛大に行われました。家元ご夫妻を中心に、日本文化継承に尽くす高名な先生方、日頃大変お世話になっている道具商の方々、そしてこの日のためにと全国から参じてくださった会員の皆様など、まさに江戸千家の歴史を偲び、将来に思いを託すに相応しい会でございました。
スライド 映像『名心庵 自會記』より
これからの時代、江戸千家として何を伝え、後の時代に向けて何を残すか。これは常々家元に託された課題ではありますが、私達社中は家元からの教えを受け、この伝統文化を正しく受け継ぎ次の世代へ伝え残す努力を続けたいものです。
◇
家元はここ数年、地方での研究会や旅行に際して、写真代わりに写生句(スナップ句)を創っていらっしゃいます。去年八月は奥様と二人でヨーロッパ旅行を楽しまれました。忙しく過ごされた家元襲名以来、またご結婚後の生活を通して、お二人だけでこんなにゆっくり旅行を楽しまれたことは、私どもの記憶にもあまりございません。良い旅を楽しんでお帰りいただきたいと、祈る気持ちでお見送りをしたものでした。セーヌ河を詠んだスナップ句が残されています。
セーヌ河岸夏満載の船が往く
祝宴の終わりに家元の写生句七十枚が、皆様に贈られました。