第六十七回目を数える東京不白会春の茶会は、宗雪宗匠の古稀を寿ぐ慶賀の茶会となりました。
家元の展示席となった月光殿の他、七つの茶席それぞれが祝意に溢れた特別なしつらいの席でした。
すべての席をゆっくり巡られた家元に、各席主への思いをお書きいただきました。
尚、茶会記など詳細は、東京不白会会報『池の端』67号に掲載されます。
■月光殿
■川上宗雪 展示席
今回は茶席の代わりに、ここ五年くらいの旅のスナップ句を色紙に書いて「行雲流水」と題して臆面もなく七十枚を並べました。
床の大字『流水』は酒井抱一上人の筆。前日に届けられた祝いの品、細川不東庵御作の赤楽茶碗『花篝り』を床に飾りました。
■不昧軒
■川上宗康 氏
五十年、共に流儀を支え合ってきた弟による茶席。脇床の烏丸光廣卿の父光宣の和歌懐紙に
幾春も同じ色なる呉竹に
尽きせぬ君が世々ぞ籠れる
とあり、その祝意を有り難く思いました。好みの元禄棚に母手造りの黄瀬戸水指が微笑んでいました。
■月窓軒
■高橋泰平 氏(高橋平山堂)
昔から私共を後援して下さっている高橋氏。今回は脇に有名な雪村周継 八十六歳 席主と同い歳の落款入りの屏風を立てられ、鈴木其一の名幅を床に祝意を表して下さいました。亭主七分の様子ですね。お陰様で私は不昧公遺愛の志野の名碗「朝萩」で一服頂戴の栄を賜りました。