牡丹の間 床
二月十一日、東京茶道会招待茶会が音羽護国寺で開かれ、同会各流の理事が釜を掛けられた。江戸千家家元川上宗雪宗匠は牡丹の間を担当され、大勢の参席者が訪れた。
テーマは、まさにこの当日の「建国記念日」。宗匠が鉾鈴を鳴らし浦安の舞という神楽を舞いながら剣を床に納めるという席の始まり。注連飾りに「旭日照波図」、勾玉や六鈴鏡などが飾られた。自作の茶杓の銘は磐余彦(イワレヒコ=神武天皇)と、神話のイメージに溢れた取り合わせであった。建国の時代の発掘品から当時の人々の暮らしや文化を想像する、自分の国の興りについて思いめぐらすのもいいのでは、と語られた。
八寸とお祝いの一献があり、「和韻点て」で一服。意外な趣向、おいしいお酒とお抹茶を、皆さん十分に楽まれていた。
【会 記】
建国記念日
床 旭日照波図 松林桂月筆
春日卓ニ 鉾鈴
六鈴鏡 古墳時代
勾玉 翡翠 弥生時代
瑪瑙 古墳時代
出雲石 〃
違い棚ニ 三輪山
鳥蓋須恵器 古墳時代
一献
御酒 浦霞 宮城 佐浦酒造
丸折敷ニ 海の幸
山の幸
菓子 栗 岩手 中松屋
炉辺
釜 広口堅筋 長野烈作
炉縁 長熨斗蒔絵
棚 好四方
水指 高取 鮟鱇形
茶入 碁器 四君子蒔絵
宗寛 㐂六斎合作
茶碗 瀬戸黒筒 吉田喜彦作
茶杓 自作 銘 磐余彦
建水 塗曲
蓋置 高麗透し
御茶 星峰 八女 星野製茶園