上段の間に座る宗雪宗匠
月光殿は五年ぶりの修復が完成し、その記念として宗雪宗匠による特別な設えの席であった。上段の間には圧倒されるような拙叟の「鳳来麟現」、古銅に牡丹、砧青磁。蒔絵の真台子には南鐐の皆具が飾られ、創建当初の書院の茶を彷彿とさせる設えであった。隣室には同じく修復がなされた障壁画に岩松図屏風が取り合わせられた。。
蘭亭曲水の図と、岩松図屏風については、会報「ひとゝき草」123号、「琳派散策」、河合正朝先生解説をご覧下さい。
月光殿書院の間
【家元席 会記】
重要文化財 月光殿 修復記念 上段の間 床 鳳来麟現 拙叟宗益筆 花 牡丹 花入 古銅 象耳 香炉 砧青磁 春日卓 真台子 三葉葵孔雀紋蒔絵 風炉先 鳥の子透かし 風炉釜 南鐐 菊唐草紋 沢田宗味造 水指皆具 南鐐 菊唐草紋 沢田宗味造 濃茶器 朝日春慶 堆朱盆 台天目 南鐐 皆具の内 薄茶器 南鐐 皆具の内 茶杓 牙
書院の間
障壁画 蘭亭 曲水の図
伝 狩野永徳筆
脇棚 祥瑞徳利 朱盃
硯箱 忍草蒔絵
岩松図屏風 一双 十七世紀
牡丹の間 呈茶席
床 桜桃図 一双 酒井鶯甫画
花片 根来大盆
釜 責紐釜 長野烈造
茶碗 黄伊羅保
替 牡丹紋 即全造
御茶 千代の昔 味岡松華園
御菓子 江戸の春 両国越後屋
菓子器 呉須染付大鉢 一双
詩文 龍楼鳳閣玖重城
新築沙堤宰相行
我栄我貴君莫羨
十年前時一書生
その他の席主は以下の通り。
艸雷庵……関 宗哲、月窓軒……内山宗邦、宗澄庵……宮内宗迅、
楓の間……藤村女子中学・高等学校茶道部、岩津宗貴
*各席の会記等詳細は、東京不白会会報『池の端』64号に掲載されました。
各席の様子は、春茶会写真レポート のペ−ジでも見られます。