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第66回 東京不白会春の茶会

平成27年4月5日(日)
於 音羽護国寺茶寮

  去る4月5日、第66回東京不白会春の茶会が、音羽護国寺茶寮で開催され七つの席に釜が掛けられました。小雨交じりの天気の中、趣向を凝らした特徴のある各席を、終日大勢のお客様が訪れていました。一部を紹介します。

■ 月光殿

家元席
月光殿

上段の間に座る宗雪宗匠

 月光殿は五年ぶりの修復が完成し、その記念として宗雪宗匠による特別な設えの席であった。上段の間には圧倒されるような拙叟の「鳳来麟現」、古銅に牡丹、砧青磁。蒔絵の真台子には南鐐の皆具が飾られ、創建当初の書院の茶を彷彿とさせる設えであった。隣室には同じく修復がなされた障壁画に岩松図屏風が取り合わせられた。。

 蘭亭曲水の図と、岩松図屏風については、会報「ひとゝき草」123号、「琳派散策」、河合正朝先生解説をご覧下さい。

月光殿書院の間

月光殿書院の間

■家元呈茶席  牡丹の間

牡丹の間

【家元席 会記】

重要文化財
  月光殿 修復記念
  上段の間
床  鳳来麟現    拙叟宗益筆
  花  牡丹
  花入 古銅 象耳
香炉 砧青磁 春日卓

真台子 三葉葵孔雀紋蒔絵
 風炉先 鳥の子透かし
 風炉釜  南鐐 菊唐草紋
           沢田宗味造
 水指皆具 南鐐 菊唐草紋
           沢田宗味造
 濃茶器 朝日春慶 堆朱盆
 台天目 南鐐    皆具の内
 薄茶器 南鐐    皆具の内
 茶杓  牙
  書院の間
障壁画  蘭亭 曲水の図
         伝 狩野永徳筆
  脇棚  祥瑞徳利 朱盃
      硯箱 忍草蒔絵
  岩松図屏風 一双 十七世紀

牡丹の間 呈茶席
床 桜桃図 一双   酒井鶯甫画
     花片 根来大盆
  釜  責紐釜    長野烈造
  茶碗 黄伊羅保
   替 牡丹紋     即全造
  御茶  千代の昔 味岡松華園
  御菓子 江戸の春 両国越後屋
 菓子器 呉須染付大鉢 一双
      詩文 龍楼鳳閣玖重城
         新築沙堤宰相行
         我栄我貴君莫羨
         十年前時一書生

■ 不昧軒 

主 吉平美術展 瀬津吉平
不昧軒
稚児大師像」(南北朝時代)
 床は「稚児大師像」(南北朝時代)、青銅経筒に、かりん、五色ちり椿が生けられた。
 水指は備前矢筈口、耳付、茶碗は斗々屋 織部の沓茶碗など。

■ 圓成庵 

主 高田不白会 木村蓑心
孤峰不白作、吹抜置筒、銘「不動」
圓成庵
 床の掛物は「遠州公歌入の文」、花入は孤峰不白作、吹抜置筒、銘「不動」。あえて花押を見せるように置き、かたくり、岩鏡、白根葵を生けた。水指がペルシャのラスター、茶碗は三作三島、絵唐津など。

その他の席主は以下の通り。
  艸雷庵……関 宗哲、月窓軒……内山宗邦、宗澄庵……宮内宗迅、 
  楓の間……藤村女子中学・高等学校茶道部、岩津宗貴 

*各席の会記等詳細は、東京不白会会報『池の端』64号に掲載されました。
 各席の様子は、春茶会写真レポート のペ−ジでも見られます。


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