掛物は「達」の一字
始めの一献
色とりどりの椿の花が仏像に捧げられた
富貴漆の曲盆に盛られた八寸と干菓子
宗雪宗匠が主張されている「初座の復活」。点前をし抹茶を飲むだけでは茶事の半分。本来の茶の湯は、初座で食事や酒肴を楽しみ主客の交流があってこそ、後座の点前に意味がある。お抹茶も美味しい。
今年の家元席では、その主旨を大寄席の茶会に取り入れるという試み的な茶会が繰り広げられた。
まず、潅仏会に因み家元が自ら色とりどりの椿の花を床の如来座像に捧げる散華の儀式。八寸が出されて一献が勧められると、場が和み主客の会話も弾んで席中は寛いだ笑顔で満たされた。頃合いにお点前が始まり干菓子と薄茶をゆっくりと味わった。一席の時間も十分に充てられ、入席者は初めて体験する贅沢なひと時を存分に楽しまれていた。
【家元席 会記】
初めに一献 八寸と干菓子 富貴漆曲盆 床 江雪宗立筆 達 ノ一字 花 椿 色々 青磁輪花大皿 川瀬忍作 書院 香炉 黄瀬戸 堆朱盆 釜 華甲好円窓繰口 長野烈作 炉縁 長熨斗
紹鴎棚 水指 砂張 平 棗 松蒔絵 ちはやぶる平野の松の枝しげみ 千代も八千代も色はかわらじ 茶杓 一元斎作 銘 桜狩 茶碗 灰釉 辻清明作 替 牡丹絵 永楽善五郎作 建水 南蛮写 蓋置 染付 御茶 松の齢 味岡松華園 御菓子 黒・白・生姜糖 盛岡関口屋
その他の席主は以下の通り。
不昧軒 土屋宗葉、 艸雷庵 榎本宗浩、
宗澄庵 牧江宗紀、 楓の間 松田宗啓
各席の会記等詳細は、東京不白会会報『池の端』61号に掲載されています。
各席の様子は、春茶会写真レポート のペ−ジでも見られます。