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東京茶道会 月釜

平成24年5月24日
於 音羽護国寺
月窓軒 主 川上博子

 床には、東福門院の消息が掛けられた。後水尾天皇の弟一条兼遐宛のもので、お約束の飴について書かれた親しみのある内容。流れるような書風に引き込まれる。籐組の手は花籠に、大山蓮華、金鳳花、壷珊瑚が生けられた。
 家元が好まれたという元禄棚に白釉の仁清水指が取り合わされ、天板には、松亭の見事なる花寄せ模様の平棗が置かれた。絵御本の茶碗に、茶杓は家元がこの茶会のために削られたもので、銘は初音。お菓子は亀屋伊織のほととぎす、千代結、京霜月の木の芽琥珀が四方盆にきれいに組み合わされた。
 博子氏の初の席持の気持ちがお席に満ちあふれ、品格のある取り合わせに来席者は充分に楽しまれていた。
【会 記】
床 東福門院消息  
  このあめひとひ 
    御やくそく申候まゝ云々
 花入  藤組手付籠
 花   大山蓮華、金鳳花、壷珊瑚
 香合  ころころ香合    不白在判
脇床  袖香炉
 風炉先 黒柿 市松紋
 釜   真形 松竹梅地紋 大西定林造
 風炉  唐銅切合せ
 棚   元禄棚
 水指  仁清 白釉 
 棗   花寄せ      守屋松亭造
 茶碗  絵御本
  替  牡丹唐草紋    永楽即全造
 茶杓  名心庵作 銘初音
  建水  塗曲
  蓋置  色画古銅 三唐子
 御茶  星峰     八女星野製茶園
 干菓子 ほととぎす 千代結 亀屋伊織
     木の芽琥珀      京霜月
 菓子盆 四方 松花堂画
                 以上
月窓軒床 掛け物は,東福門院消息
月窓軒
釜
川上博子先生

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