宗澄庵 床
去る二月十一日、護国寺茶寮において、東京茶道会主催の招待茶会が催された。昨年は同会創立百周年を記念し、招待茶会から始まる一連の行事が行われた年だった。本年は、また新たな始まりの気持ちで、各流家元を中心に釜が掛けられた。
江戸千家家元は、宗澄庵を担当。昨年の円成庵席の端正な取り合わせとは打って変わって、遊びの趣向。テーマは「沖縄」。
床には、浅葱木綿の紅型の美しい模様染めを掛け、大きなパナリ焼の壺に赤椿を一輪。かつて沖縄を旅した際に窯元で求めたという人間国宝金城次郎の茶碗、「思いの外」うまくできたという自作の志野茶碗等。
自由自在な取り合わせが、侘びた草庵茶席に、生き生きとした世界を創出していた。
家元自らのお点前
床 沖縄紅型 十九世紀
浅葱木綿雪輪松竹梅紋様
花 赤椿
花入 パナリ焼 沖縄新城島
十八〜十九世紀
香合 朱塗牡丹紋箔絵沈金八角合子
琉球十九世紀
釜 広口立筋 長野烈作
炉縁 嶋柿
水指 瀬戸一重口
茶入 黒棗 二代宗哲作
茶杓 孤峰不白作 真砂
茶碗 金城次郎 白流し
替 自作志野 思いの外
建水 曲
蓋置 青竹引切り
御茶 松籟の昔 ほりつ詰
菓子 早梅 越後屋製
器 九谷