平成20年10月22日〜11月4日 於 日本橋高島屋催事場
昨年、創立百周年を迎えた東京茶道会は、二月十一日の百周年記念招待茶会が催され、また記念行事として十月二十二日より十一月四日の期間中、日本橋高島屋に於いて「江戸・東京の茶の湯展 −近代茶の湯の黎明−」が開催された。本展覧会では「萌芽」「開花」「爛漫」「新生」という時代区分によるテーマを設定し、江戸から東京への茶の湯文化の変遷を、茶道具を中心に展示し、武士階級から町人社会へと茶の湯が拡がる様相を作品を通して解説。その中心人物として、小堀遠州、山田宗徧、川上不白に焦点が当てられた。
また、明治時代以降の茶の湯の黎明として、京都三千家を含む流派の好みの立礼卓が展示紹介された。江戸千家は、これからの茶の湯としてテーブル茶が紹介された。
開催期間中、各流派により添釜があり、一般の観覧者の方々に、抹茶が振る舞われた。
【会記】
主 川上宗雪
床 孤峰不白讃 鹿画 中村芳中筆
黄葉み落ちて
そろそろ鹿の開炉かな
花 ホトトギス、女郎花、秋明菊
花入 細竹尺八 式守蝸牛作
銘柏樹子
香合 宝珠 渡辺㐂三郎造
木瓜卓
風炉釜 朝鮮切合せ 高木治郎兵ヱ造
水指 千成瓢箪 真葛香山作
棗 四君子蒔絵 一元斎在判
茶杓 石塚宗通作 銘初しも
茶碗 紅志野 藤原銀次郎作
替 瀬戸 春岱作
建水 曲
蓋置 染付亀甲 木村隆作
御茶 音羽の杜 ほりつ詰
御菓子 花香津美 鶴屋八幡製
江戸千家の添釜は10月30日(木)。終日、賑わいをみせていた
手前のモニターにテーブル茶の様子が映し出された
展示場風景