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第27回東京不白会夏期講演会

実技「『茶筌飾り』による茶の湯」、「廻り花」

平成十九年六月十七日(日)
於 江戸東京博物館大ホール

 恒例の東京不白会夏期講演会が、東京都墨田区の江戸東京博物館大ホールにおいて行われた。
 今年のテーマは、小習十三箇条の内から「茶筌飾り」による茶の湯、そして七事式のうちから「廻り花」が選ばれ、好評の実技形式で行われた。講師は川上博子先生。
 いずれも稽古の一課題として捉えがちであるが、お茶事の中で気軽に取り上げてみたいという講評を川上宗雪宗匠にいただいた。
江戸千家東京不白会夏期講演会会場の様子 会場に床の間を設置して茶室を再現。重要な部分を背後のスクリーンに映写した。

■『茶筌飾り』による茶の湯
 「茶筌飾りは主に茶碗のことなり」と相伝の書物にあるように、茶碗を第一に大切に扱う作法。
舞台では、中立ちとその後の濃茶点前の中で、亭主側も客も茶碗を大事に扱う様子が一連の演技の中で示された。
 「拝領物や伝来物、また、新しいものでも自らの思い入れのある茶碗を披露したいと思うとき、気軽に茶筌飾りという趣向でお客様をもてなしてみてください」、と講師からお話があった。
江戸千家東京不白会夏期講演会『茶筌飾り』後座席入り 後座席入りの際、今日の茶事が茶筌飾りの趣向であることを知る。
『茶筌飾り』茶碗の扱い 茶碗は両手で扱う。
『茶筌飾り』会話(主) 『茶筌飾り』会話(客) 掛物のこと、花のこと、会話が弾む。
『茶筌飾り』茶碗を拝見 身体を低くしてじっくりと拝見。楽しむ。

■廻り花
 舞台中央に竹花入、右に水盤、左には蘆屏風に掛けられた魚籠の花入が用意され、亭主が四人の客に廻り花を所望。色とりどりの様々な花が次々と活けられ、会場を魅了した。
 同じ座のものが互いにつながりをもちながら、花を活ける。花材が豊富に集まった時には、是非楽しみとして廻り花を、と講師。
江戸千家東京不白会夏期講演会『廻り花』挨拶場面 三種の花入を使った廻り花の挨拶場面。工夫の舞台。
『廻り花』博子先生の解説 花の名前、入り具合など、博子先生から楽しい解説。
『廻り花』花を活ける 前の花をじっくり拝見してから礼をして自分の花を活ける。即興的にするのが信条。
『廻り花』花を活ける2 生きている花は、一つとして同じものはない。同じ花でも活け方で違った景色に。
『廻り花』水を差して終了 正客からお留めがかかり、亭主は水を差して廻り花を終了する。
夏期講演会の講評を述べる江戸千家家元

家元による講評

 茶筌飾りと廻り花のそれぞれの重要点を解説。今日の実技を楽しまれたという講評をいただいた。

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