2016年9月1日
家元句集 〝行雲流水〟を拝読して
森 宗恭(青森不白会)
読み心地の良さ、心に残る句集でした。
セーヌ河岸 夏満載の 船が往く
一度も国外に出たことのない私でも、セーヌの流れを感じ、岸辺で川面を眺める私を感じることができました。
心を揺さぶる句は、遠い昔へ誘ってくれるようです。
くねくねと 酸ヶ湯を越えて 雪回廊
「くねくね」の雪回廊の道、二メートルを越す雪の壁面
十和田湖への北線が開く四月の一番バスが浅虫から出ます。春スキーの帰り、所々に水たまりのある、どこまでもくねくねと見通しの悪い道、ストックで雪の回廊に文字や絵を描いたり、かくれんぼをした遠い遠い昔をこの句に見つけました。
湯ノ島は 亀の甲羅か 紅葉山
浅虫は私の嫁ぎ先。裏の雨戸を開けると湯ノ島が見え、あの島を亀の甲羅と見るおもしろさ、春のわらび、カタクリの花、秋の紅葉は湯ノ島の定番の行事。
亀の甲羅に季節の満艦飾を乗せてたゆとうている湯ノ島は、一服の絵のようでありました。
*「行雲流水」とは、今年の春の茶会の月光殿に展示された、家元による七十点のスナップ句を集めた小冊子です。
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