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2017年12月10日

相伝式を迎えて

神農宗史(長野不白会)

 風もなく穏やかな青天に恵まれた十二月十日、緊張と高揚感をたずさえ相伝式に臨みました。
 家元邸の庭の色鮮やかな落葉に心癒されつつも、背筋がピンと伸びる緊張感を感じながらご相伝が行われる広間へ。はじめて家元にお会いしお点前を拝見させていただきましたが、いっさいの無駄のない流れるような優雅な所作、お点前に引き込まれ、時が経つのも忘れ見入り感服いたしました。
 またこの日のために選んでくださった素晴らしいお道具の数々。代々大切に受け継がれてきたものが時を経て今、眼前にあるご縁に感謝の思いで一杯でした。
 今回私は、先生方が弟子の晴れ姿を温かく見守る光景を目の当たりにし、これが相伝、こうして文化は受け継がれていくのだと実感いたしました。
 家元もおっしゃっていたように、先生の激励がなければここまで来ることはできず、この景色を見る事はできませんでした。李先生をはじめ、同社中の皆様に感謝するとともに、これからも精進して参りたいと思います。

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