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2014年12月5日

「ホッとタイム」

幸田宗陽

一服
 十二月五日、Y小学校において、五、六年生とALT(外国語指導助手)の先生、計三十名の「身近な人とホッとタイム」という授業に、抹茶体験で参加させてもらいました。
 長いテーブルを二カ所設置し、各学年の生徒、間にALTの先生に席についてもらいました。はじめに、私たち二名が盆略点前で各学年のお正客にお茶を点て出し、そののち、各一名ずつ点前席に出て、交代でお友達にお茶を点てて振る舞うという流れで進めて行きました。
 お茶をすくい入れ、お湯を注ぎ、一生懸命茶筌をふる。点てたお茶を出して飲んでもらい、ALTの先生に教えていただいた「How’taste? 」。すると親指を立てて「good!」の返事。その時の生徒の顔は安堵と共に大層うれしそうでした。最後の校長先生のゆっくり、ハッキリの「very good」には場が沸きました。
 合間に、お菓子のこと、棗の形、縄文時代にすでにあった漆(Japan)について、お茶席にとってとても大事なお軸のこと、「自分の中にいるもう一人の素直な自分が教えてくれる」という言葉、禅語について、そしてyes、noだけでなくグレーゾーンを大切にする民族である日本人が、常に相手の身になって考え、行ってきた大切な文化、お茶について……。少し難しいかなと思いつつも、お話しました。視線をそらさず目を輝かせて静かに聞いている姿が印象的でした。別のテーブルに並べた棗と茶杓を生徒達が興味深そうに見いっていました。
 もう一人の素直な自分そのものの子供に触れることができ、私たちにとってのホッとタイムとなりました。

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