江戸千家 >  不白会だより > 暮の一日 —恩師に感謝する至福のとき—

2008年12月28日

暮の一日 —恩師に感謝する至福のとき

伊藤俊彦(八女不白会)

 暮も押し詰まった十二月二十八日、社中の有志七名が研究会の名目で、群鶴庵に集まった。
 花を持ってくる者、得意の料理を持参した者等、思い思いにやってきて、いつものごとく準備をする。
 さて、何をするか……花所望、且座、相伝物等の案も出たが、結局廻り炭をすることとなり、折据で順番が決まった。久しぶりの廻り炭をしながら、亡き恩師がよく稽古をして下さった思い出を語っているうちに炭が入った。
 昼時になり、料理自慢の手作りの品々に京都土産の粉で練ったソバ掻きと甘酒がついた質素ながら心のこもった素敵な味を楽しんだ。
 食事の後、唐物によるお濃茶となった。良く練られたお濃茶の美味しさに思わず「うまかあー」の声が!
 お濃茶がまわり、さらにお薄茶をいただき豊かな時間が静かに流れるその雰囲気を心ゆくまで味わいながら、亡き恩師あったればこそ、この至福のひと時を経験できる幸せを感じた一日であった。
「感謝」。

カテゴリー:茶の湯を楽しむ 「暮の一日 —恩師に感謝する至福のとき—」のリンク