2008年10月13日
ご相伝をいただいて
近村和子(青森不白会)
むかしご一緒した先生にお会いするたび「お茶を飲みに来て」と声を掛けられ、友達とお稽古を始めました。これが江戸千家の茶の湯との出会いでした。稽古は楽しく、また、日常の慌ただしさを忘れられる安らぎのひと時でした。おいしいお茶を飲むことを幸せに感じる日々でした。でも先生のご病気で一時お稽古を休みました。
お茶をじっくり味わいたいと思い、木立先生のもとで、お稽古を始めることにしました。楽しい中にも厳しいご指導、そしてみなさんと過ごすなごやかなひと時。明日への励みとなる時間でした。
秋晴れの十月十三日、最初のご相伝として「入門・茶通箱」をいただくことになりました。いつもとは違った緊張感でお席入りしました。お床の「寿」の掛け物、お花、すばらしいお道具。先生の心のこもったお点前を拝見していると、少しずつ気持ちも落ち着き、穏やかな思いになりました。
「祝の白」という銘のお茶、格別な香りでまろやかなお味でした。続いて「茶通箱」のお点前では、「星の奥」というお茶を特別おいしくいただきました。茶通箱を用いる茶の意味をうかがい、先人のお茶を大切にする心が理解できた気がします。
式典の後、お茶室でお正客の薄茶をおいしくいただきながら、お軸のこと、お道具のこと、話しが弾み、終始和やかに充実した一日でした。
先生、お正客、お詰の方々のご苦労により、こうしてご相伝をいただくことができまして感謝の気持ちで一杯です。これからも忙しい毎日の生活の中ですが、茶の湯を楽しんでいきたいと思います。
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