2024年6月12日
2024年度 家元教場研究会レポート(6)
家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」
(水曜B組) 上村宗貴
不白筆 利休円窓図「心法双忘 一味常顕」

かつては目に触れることさえ叶わなかった唐物ですが、美術館などで観賞の機を得ることができる現代において、その貴重さを実感できていなかったのが正直なところです。稽古で唐物見立ての点前を教えていただいていた際に、心が注げていただろうかと振り返りました。
この度、家元がご所蔵の唐物茶入をご披露くださり、まず包みを解き、唐物を扱う一手一手、組み紐や箱さえも慈しむように扱う所作を拝見し、器物の重みを真摯に受け止めることができました。そうした所作が長い時間を重ねて培われたものなのだと感じ入りました。さらに午前中の余韻が午後の床に掛けられたお軸の言葉へと結びつきました。
「心法双忘 一味常顕」
これまでの稽古はもとより、日常生活や仕事への姿勢など、点と点がつながるように人生のすべてに通じる想いです。大切な気付きを毎日の暮らしの中で自分を折り込みながら繰り返し巡らせ、これからの茶の湯の稽古へと投影したいと存じます。
カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(6)」のリンク