2020年9月19日
2020年度 家元教場研究会レポート(4)
家元教場研究会 実践 「自宅の茶」
●温かく満たされた気持ちに
松岡宗理(東京不白会・土曜B組)
細やかなコロナ対策を徹底的に追求された新しい型の研究会に、土曜日の参加は十六人だけでしたが、例年では考えられない全員が主客として参加する事が実現して、温かく満たされた気分でございました。
家元御一家、事務局の方々に厚く御礼申し上げます。さぞお疲れと存じます。何卒お大切に遊ばしますようお願い申し上げます。
●主客の作り出す「間(リズム)」に身を浸す
関 宗哲(東京不白会・土曜B組)
コロナ禍で、疾患を抱える身ゆえに外出を控え引きこもりの状態にも違和感を感じなくなってきたころ、「オンライン教室」の中で「外に出てみるのもいいのでは」という家元の言葉に押され、研究会に参加させてもらいました。当日は、教場のテーブル席を引き当て、松岡宗理様の「自宅の茶」にお招きいただいたという趣向。
「自宅の茶」では、気楽にしていただこうと簡便にすると、日常生活の延長のようになって茶事を催す意味が薄らぎかねないし、逆に型通りにやろうとすると、茶事のための茶事になって楽しさが薄らいでしまう気がします。そのバランスに悩みます。
これまでの研究会で、「初座で一献」「後座で盆点の薄茶」「同濃茶」「花月を取り入れる」を学んで来、今回は「和韻点て」で、テーブル茶のバリエーションを学び、そのバランスをどう工夫するかを教えていただいているように思っております。初座の最初に花所望があり、亭主と正客の心が花を話題に交歓され、花が茶席を柔らかく結ぶことを実感しました。由来や思い入れのある持参の道具に、自然と会話も弾みました。亭主の茶碗は尾戸焼(霊芝紋)、次客は再興星野焼(源太窯)。茶杓は、新柳様作、銘「一寸法師」。少し短いとの由で家元が即興で命銘とのこと。
中立では、外待合で庭の苔・木々などを見やりながら、家元から邸内の茶席の経緯、蹲踞の位置、植木の植え替えのことなどを近しくうかがうことができました。
久し振りに大勢の中に身を置く事に緊張感があったのですが、主客の作り出す「間(リズム)」に身を浸し、背筋を伸ばして喫茶し、家元のお話をうかがい、体操で身体を動かす内に、心身がほぐされて軽やかになるのを感じました。参加して本当に良かったとの思いで帰路につきました。
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