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2019年10月15日

神戸同好会家元招請研究会

家元招請研究会 

◦テーブル濃茶で心の交流

鈴木宗陽

 私は自宅外の和室なしの貸会場で初心者向け体験講座を時々開催しています。茶道は敷居が高いと感じている方にも正座なしのテーブル茶を謳って気軽に参加いただいております。研究会のテーブル濃茶で私は半東を受け持ちました。亭主がお点前に専念できるよう半東はその手助けをするとのことですが、テーブル茶の半東は従来の濃茶点前の動きとは違うので、まずその出番が分からず戸惑いました。 テーブル濃茶の亭主が点前を始める前の準備の段階から自分の心入れが足りず、時間がかかってしまったこと、初めて使用するポットに入れるお湯の量が多過ぎたこと、亭主に頼まれた建水の持ち出しのタイミングが遅かったことなど反省点が多々ありました。テーブル濃茶が初めてでも臨機応変に対応できる力を身につけることが必要だと感じました。自ら考えて亭主の痒い所に手が届くような半東になりたいと思いました。
 テーブル濃茶のお正客は夏にご主がお亡くなりになり、喪が明けてのご出席でした。亭主である家元がお鳴物の場面で笛をお吹きになり、その曲が偶然正客にとって亡きご主人との思い出の曲であったのでいたく感動なさっておりました。いつもご夫婦でお茶を楽しんでいらしたので、亡きご主人も正客の隣で一緒に参加なさっていたに違いないとの話になりました。心をこめた丁寧なおもてなしから生まれた主客の心の交わりが感じられた感慨深い研究会でした。
◦心に残ったこと

安高宗幸

 関東・東北に甚大な被害をもたらした超大型台風直後の十月十五日、お家元を神戸にお迎え致しました。
「体操十種」の身体をほぐす体操と呼吸法から始まりました。徐々に足元から温かくなり体も心も柔軟になる感じがしました。
 休憩の後「茶の掃き方」などの準備と片付けを学び、参加者全員で食事を摂り中立となりました。後座のテーブル濃茶ではお家元が亭主で客は三人。寄付にて、席入りは美しい篠笛の音で「夜明けの歌」。お家元の選ばれたこの曲が、偶然にも心さびしくされていたお正客の想い出の曲であったため、お正客には驚きでもあり心慰められたのではないでしょうか。お家元のお茶事での心配りが、このような所にも表れ、お正客に対する亭主のおもてなしの心遣いを学ばせていただきました。
 心がけがないと気付かず、つい通り過ぎてしまうことが多い中、お茶の稽古だけに留まらず、又身体を調え正しい姿勢と健康管理にまでご指導戴いた体操十種も生活に取り入れお茶に活していきたいと思います。

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