2019年3月31日
寺田虎彦の旧居で研究会
家元招請研究会 - 基本(体操十種・小習・テーブル茶)
江島宗和(高知不白会)
寺田虎彦の旧居で研究会は行われました。手入れの行き届いた庭には、椿、さざんか、れんぎょう、すみれなどが咲き、虎彦の面影を残しています。
はじめの体操は、狭くて充分な動きはできませんでしたが、ゆっくりと呼吸を整えながら歩いたり腕を回したりしているうちに心身一如の通り雑念が払われ、心が落ち着いて清らかになる心地が致しました。
小習では掛け軸の出し入れ飾り方。軸を巻く時には端をきちんとそろえること、ゆっくりと丁寧にまくこと、家元の指先の動きが涼やかで心をこめるということはこういうことだと一つ一つの基本を重ねることの大切さを感じました。
午後からはテーブル茶の花月。面白く楽しく、座替わりのすれ違いで「ハイタッチ」なんて、思わず笑ってしまって会場が和やかな雰囲気に包まれました。これなら堅苦しくなく畳に座ることが苦手な方も外国の方々にもお茶を楽しんでいただけるのではないかと新しい風を感じました。
基本と応用と、心と体と、和と洋と、古きものと新しいものを自在に取り入れ、新しい今の茶の湯の道を教えて下さったように思いました。会が終わった後、家元が床にあった花蘇芳の枝をちょっと手直しされました。小さな花器に挿してある中心の枝でしたが、一瞬にしてきりりと引き締まり、皆、息を呑む瞬間でした。花の一枝で立腰の心を感じました。
寺田邸温故知新の花すおう
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