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2016年6月6日

石川前支部長に感謝して

家元招請研究会 

佐藤宗博(静岡不白会)

  今年の課題の「体操十種」、濃茶席の支度、お家元ご亭主による濃茶席について、参加者の感想です。
 ◦熱心な体操のご指導に、疲れが午後に出ないか心配だったが、筋肉をほぐし、体幹を整え、腹式呼吸をする事でむしろ活性化され集中できた。
 ◦小笠原式礼法の立居の美しさに感嘆させられた。所作も点前も全身を使って心を表すことが大切なのだと教えられた。
 ◦茶席の支度では、見学者の為に点前座を移動された。自分が固定観念に囚われていたことに気付いた。工夫次第で自分の茶席を作る事ができるのだと得心した。
 ◦気迫のこもったお家元のお点前を一つも見逃すまいと拝見した。記憶に残し自身のためにも活かしたい。
 ◦博之様の水屋でのご指導が役に立った。

 濃茶席は、三十三年に亘って支部を支えて下さった石川宗貢前支部長への家元からの労いの席となりました。同席させていただき、石川先生のお母様の思い出話と現在までの流れを感慨深く伺わせていただきました。明治生まれの女性の気骨と茶道への情熱で人生を貫かれた方で、江戸千家が困難に直面した折にも信念は揺らぐことなく今日の静岡支部への道を繋いで下さった事。そして石川先生がお母様の意思を継いで三十三年間、守って下さった事などを。
 石川先生は、箏の名手でもおられ、教育長賞、文部大臣賞、二〇一四年には旭日双光章を受賞されました。茶道と邦楽を究められた先生のお人柄の、雅さと大らかさで支えられた三十三年間でした。家元の思いの込もったお濃茶をお相伴しながら、バトンは受け継いだものの未だ不安だらけの私はしっかりせねばと自分に言い聞かせておりました。

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