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2013年10月29日

「体操十種と」「テーブル茶」

家元招請研究会

高田不白会

一献から
●テーブル茶で正客を務めて…………田村英夫
 去る十月二十九日、高田別院会館で家元招請研究会が行われました。
 午前中は、お家元が長年取り組んでこられた体操十種のうちから五種をご指導いただきました。
 体操の解説を伺いながら身体を動かし、なまった身体も少し動かしやすくなりました。  点前は基本的な姿勢を身に付けるにはまず正しい姿勢が必要で、そのために正しく身体を動かすこと、柔軟な対応が大事だと痛感しました。
 さて、午後からは本日のテーマの一つ「テーブル茶」です。お客は私を含め三人です。そして正客は私
。  茶事は正客に左右されると言われており、お家元がご亭主で一層緊張が走ります。先ずは一献ということで季節の食材が出され、ご亭主役のお家元からお酒を注いでいただき「茶事はお酒が大実なのですよ、お茶を美味しく味わうためには」と勧められるままいただき、お酒のおかげで少し緊張がほぐれました。
 次にお薄です。お家元がゆったりと丁寧に、たっぷりと点てられたお薄を一服口にしてお茶の美味しさを堪能させていただきましたが、会話の楽しむ事を忘れてしまいました。
 「本来茶の湯は、家にお客を招いてご馳走しお茶を一服差し上げて楽しむことですよ」、と家元。いつか自分でもお客を招いて楽しんでみたいと思った一日でした。
家元による一服
   ◇   ◇   ◇
●久し振りの研究会…………吉田敏子
 今年は十月二十九日のウィークデイがお家元招請研究会でした。私にとっては勤務を調整し何年かぶりに参加することができた研究会でした。課題は「体操十種」「テーブル茶」。テーマは美と精神性の学びではと捉え新鮮な気持ちになりました。
 嬉しい気持ちでお迎えしたお家元はやはりいつもの品格と清々しさをまといながら私達の前にお立ちになられました。年月の重みを感じながら「体操十種」の基本からです。瞑想しつつ正しく美しい姿勢をお示しになられ頭の先から足元まで細胞が蘇っていく心地よさでした。気功太極などお家元に習って同じ形をなしているつもりでも私の動き、姿勢呼吸法はなかなか難しく自分のものとするには時間がかかりそうでした。集中するただ中にも思うこと、感じる事は様々に迫り来るものがありました。お家元に直々に触れ合うことの有り難い幸せ、江戸千家に学んだ日々夢中になってひたすらお稽古に励んだすべてがいとおしく、押し寄せて来るのでした。そしてまた年月を重ねてこその「体操十種」を用いて健康と美しさのある正しい姿勢の重要性、新たな気持ちでお茶の所作を学んだのでした。奥義と思い今後の「体操」の学びが待たれます。
 終わりなきお茶の美の世界、文化芸術をますます諭すお家元、その教えにどこまで行ってもたどりつけないでしょう。だからこそ引かれ続けるのです。この人生に江戸千家のお茶の世界を知ったことに深く感謝しています。最後にお家元の篠笛そのものの幽玄さに魅了されました。楽しい一日をありがとうございました。
篠笛の凛と射られた音ひとつ秋の夕闇に響いて幽けし

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