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2010年9月21日

基本の基

家元招請研究会−【濃茶の基本】

中原宗美(青森不白会)

濃茶の点前
濃茶点前の流れを熱心に見学
 例年にない猛暑に見舞われた北の地も、やっと虫の声が似合う季節となりました敬老の日、今年度二回目の研究会が青森市において開催されました。
 研究会初担当となる私たちは、緊張と不安の余りつい早口の小走りになりがちでしたが、家元ご指導による柔軟体操と呼吸法によって、身体のコリは少し解消された気はするものの、呼吸はまだ長息には至らないまま、お客様をお迎えいたしました。
 炭点前では、下火の大切さ、また拝見の間に空気を通すことで火を起こしやすくするという意味について、そして、お濃茶のときにうまく湯が湧くよう炭火を持続させるための炭の量の工夫等を学びました。
濃茶、亭主相伴
本年度研究会課題の亭主相伴
 お濃茶では、服紗捌き、茶杓の清め方、茶筌通しのお手本を、点前の途中途中で示してくださいました。さらに、お茶事では大目のお茶を用い、練り方が美味しさの秘訣であること、無言のお茶とはいえ、適度な会話の必要性等、細かくご指導下さいました。また、今年のポイントである亭主お相伴は、新鮮で納得のいくものでした。
 研究会に参加して、今回も自分の認識不足を痛感させられました。特に、基本をお点前の手順であり、所作と考え、その習熟にのみとらわれ、茶事の流れの中でとらえ切れておりませんでした。お迎えしたお客様におもてなしの心を伝え、心和むお茶事とするための基本磨きであることを、遅まきながら気づかされた一日でした。そして、溜め息混じりの長息ですが、お茶に対する思いをじっくり見直す貴重な機会をいただけたことに感謝しております。
七戸不白会研究会の様子
青森の前日、同内容の研究会が七戸不白会でも催された
 床の間に置かれた家元ご持参の秋の虫「邯鄲」の替わりにとご披露下さいました家元の横笛の音が私たちの不足分を補い、皆様を癒していただけたようで何よりでした。
 東京の地で、ゆったりと美声を響かせてるであろう邯鄲に思いを巡らせつつ報告とさせていただきます。

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