2008年6月15日
宗匠をお迎えして
家元招請研究会−【茶の湯の実践】
中野梅雪(大分不白会)
茶事の後の記念写真
梅雨もはしりの六月十五日、家元招請研究会は、かねてより計画のありました各地区に分かれて行われる茶事の実践でした。
大分支部は都合により、今回が初めての実践でしたので、宗匠には何かとご心配をいただきましたが、皆それぞれに覚悟を決めて、お役をいただきました。
私方には、宗匠他二名のお客様をお迎えすることになり、当番はもとより社中を上げて準備の段階から取り組みました。何とも急のことでしたので、いざお受けしてみると、家の外も内も気になる所ばかり。たまたま近所の方が、庭木の剪定はどうかと立ち寄り、事情を話しますと、早速自分の裏山から竹を切ってきて、くぐり戸の屋根や垣根を取り換えて下さり、本職でないのでできあがりは程々でしたが、本当に有り難いことでした。
さて、畳も新しい方がよいと、この際替えることになり、お稽古日は専ら大掃除、雨のことも考えて蹲は内と外に準備、火入れの灰形等日頃やらないことが急に現実となって、皆さん大変でしたがよい勉強をさせていただきました。
研究会とはいえ、何の趣向もないわが家、到着までの道中を、大分の市街が木の間隠れに眺められる美術館へと通じる森の中を、露地として通っていただきましたが、当日は生憎の梅雨空、展望はきかず、せめて和の香りでと玄関にお香を焚いてお待ちしました。
まず待合に、そこで先輩から譲り受けた恩師佐野宗秀先生のお写真に目を止めていただき、本当に嬉しく思いました。
お席入り、心ばかりの点心は、地産地消をモットーに、国東半島の蛸の向付、別府湾の太刀魚の八寸、野菜は当番の方の菜園から。又夜の会食を美味しく召し上がっていただけるよう、軽めの碗盛は七夕「天の川」仕立に、星形や短冊など作る楽しさも存分に取り入れました。
後座のお濃茶は私が務めさせていただきましたが不加減なできで、申し訳なく反省しきりです。続き薄茶は代点で、半東、水屋共よく頑張り、緊張の中、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
五組に分かれたお茶事が無事終わり、全員別府に集合して、それぞれ亭主のおもてなしの様子、客となって感じたことなど、思い入れの報告があり、なごやかな茶事の様子が手に取るように想い描かれる報告会となりました。
当日掛けました「不立文字」の軸、文字や言葉によるのではなく、ひたすら自己のうちに向かって究明し、以心伝心、宗匠の心を心として、道は遠いですが、これからも茶の道に精進したいと想います。
後日宮崎よりの遠来の客を交えて、跡見の茶事を行いました。
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