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2024年1月12日

一年の計を思いつつ初釜

御堂島良子(長野不白会)

 一月十二日。朝の気温は氷点下七度、信州の冬らしいきりっとした寒さで、見上げた真っ青な空がとても清らかでございました。
 お茶室の床には孤峰不白の「鶴の絵」、青竹の花入には見事な結び柳と松。雪輪霰紋の釜(長野烈造)熨斗目飾の竹台子に朱桶、唐銅皆具が飾られ、その凛としたお茶室に身の引き締まる思いでございました。
 李宗福先生の新年を寿ぐご挨拶に社中一同あたたかな思いに包まれながら、点心へと進み美味しい懐石料理を楽しみました。
 中立ち後お炭点前が行われ、お濃茶は家元考案の『和韻点』で銘々にふるまわれました。
 お茶入も不白の「赤松末広」、お茶碗は月形邦比古作「鬼志野」でした。
 薄茶席で私はお点前の機会をいただきました。家元作の繊細で美しいお茶杓「三輪山」で、震える手でお茶をすくった瞬間、李先生はもちろんのこと、どれほど多くのご縁でこのような体験をさせていただけていることか、しばし時が止まる思いでした。

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