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2013年11月3日

郡山文化祭市民茶会

大竹征子(福島不白会)

茶会風景
 街路樹も色づき、菊薫る十一月三日文化の日、郡山諸流連盟による市民代茶会が開催され、江戸千家も郡山男女共同参画センター一階和室に、釜を掛けることとなりました。
 前日は二十畳もの大きな和室を、床、畳と拭き清めて待つうち、社中の的確な指示の下、茶道口やお客様の入り口など考慮しながら、お釜を掛けました。待合、受付、水屋と手際よく場所が定められ、心を込めて準備した茶道具を並べ明日を待ちました。
 当日は好天に恵まれお席もさらに清々しく、床に大亀老師の「一期一会」のお軸を掛け、社中の持ち寄りの数種の花を野に咲いているかのように、大振りの広州の花入に生けました。残花の一輪の竜胆や、つる梅もどきの赤い実が美しく装い、お客様を迎えるにふさわしい床に整いました。社中一同気を引き締め、心からおもてなししなければと席入りを待ちました。
 お客様が座に着かれ、初席主を勤める先輩とお客様との会話を、茶道口でそっと見守っていた先生の安堵とやさしい笑顔がとても印象に残っています。
 お点前は中置で「大変珍しいですね」のお言葉。主茶碗は高麗柿の蔕、替茶碗は紫交跡の菊を揃えました。この時節にぴったりな取り合わせですねのおほめをいただき、しっかり手に取りご覧になっていました。またこの茶室の障子からの光も、この場を和ませ美味しいお菓子と、お茶を差し上げることができ、大変有意義な一日でした。
 最後のお客様をお見送りし今日の反省をしたなかで、岩谷先生より「大寄席の茶会は皆の協力なしでは行えないことや、時には諸流の自由参加のお茶会などにも出かけて、参考にすることも勉強になりますよ」とお話がありました。私達郡山市民も、大震災後二年八カ月が経ちましたが、皆苦しみに耐ええながらも、このような茶会で皆様の心を癒すことができたのではないかと思いました。

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