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2011年4月24日

武家屋敷「能見邸」で師を偲ぶ茶会

手嶋貴史子(大分不白会)

 若葉香る四月二十四日、江戸千家大分不白会総会が、杵築市の能見邸にて行われました。
 杵築氏は、江戸時代は松平家三万二千石の小藩ではありましたが、海、山、川の景観に恵まれており、小京都と云われる城下町です。
 会場となった能見邸は、故宇都宮宗和先生のご生家でもあり、逝去された後、家老職の家であった旧邸を市に寄贈され、改修工事を経て昨年四月に武家屋敷「能見邸」として立派に復元されました。
 今年の総会を開催するにあたり、先生のご生家でもあることから先生を偲ぶお席をと準備を進めました。
 床には「無量寿」のお軸を掛けました(無限の寿命をもつものという意味)、お花はひょうたん木とオダマキ、香合はお琴。
 脇床の上の棚に柔和な先生のお写真を飾り、その前にお菓子をお供えしました。その下に置いた水盤にオアシスを入れ、その周りに柳の枝を巻き付け(花言葉は追悼)、白とピンクの椿を挿し、一番上に河北支部長により赤い牡丹が一輪献花され、中野副支部長によりお水が挿されました。
 続いて、先生が生前お使いになられていた堆朱のお薄器とお茶碗をお借りしてお薄席が始まりました。先生が一番好まれていたお茶碗で、先生のお弟子さんの緒方さんによりお薄が点てられ、そのお茶を天目台に乗せて衛藤さんにお供えしていただきました。
 お席では、宇都宮先生のお人柄を偲びながら、たくさんの思い出話に花が咲き、とても和やかで楽しいお席となりました。

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