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2010年11月27日

乱飾許状式に列席して

疋田宗静(静岡不白会)

 一昨年の暮、思いがけず主人の病を得、来年の家元での相伝式に三人の若い人達を連れて行くという責任のみを目的として、一年を過ごしてまいりました。
 通いなれたお家元の門前に立ち、歩進めた時の感激は一生忘れることのできない程の思いでございました。
 清められた玄関、水を打った中庭を通り、温められた寄付に、研究会でお世話になった先生方にお会いしたときは、嬉しうございました。
 床に飾られた、数々のお道具の箱書きも見、三々五々正装で集まっていらっしゃる皆様と緊張して待つことしばし。お家元自らのお迎え付け、入席。間もなく流れるような家元のお炭点前が始まり、続いて奥様お手づからのお懐石、お祝の御酒をいただき、一年分を、ゆったりと味わった思いでございました。
 中立ちの後、、白椿一輪、凛と生けられた床に迎えられました。自分自身がいただいたときは、ただただ夢中で、お看板を胸に抱いて夕暮れの街を帰路についたことしか覚えていないのに、この度、台天目、盆点から総合して乱飾へと続く、一連のお点前を夢中で拝見し、自分自身の相伝式のように感じました。
 三人の社中、それぞれによい御茶名をいただき、家元自ら許状、お看板を授けてくださいました。その重みを忘れることなく、日本の伝統美をである茶の湯を引き継げるよう、社中一同精進したいと思っております。
 どんなことがあったときも、この道一筋に歩んで来て、本当に良かったと思っています。これからも皆と一緒に一歩ずつ歩いて行きたいと思っています。

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