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2008年9月26日

坂本繁二郎画伯生家修復チャリティー茶会

田中宗芳(久留米不白会)

坂本繁二郎画伯生家修復チャリティー茶会
試行錯誤の舞台設営・多くの来場者で賑わう
 前日まで降り続いた雨も止み,早朝から日が差し始めた九月二十六日、久留米市六ツ門町の六角堂広場に於いて坂本繁二郎画伯生家修復チャリティー茶会を催しました。広場での茶会ははじめてのことで、ステージでの点前の方法、客席をどうするか、舞台装置の設営など試行錯誤の末、当日を迎えました。
 久留米が生んだ近代洋画家の巨匠坂本繁二郎画伯は、明治十五年久留米藩士の子として京町に生まれました。生家は江戸時代後期から明治初期にかけて建てられた久留米に唯一残る武家屋敷で、市の指定文化財(建造物)となっています。しかし経年の腐朽や蟻害等で危険な状態となったため、久留米市文化観光部文化財保護課によって、保存整備事業が実施されています。
 坂本繁二郎画伯の奥様、宗薫先生は、昭和二十五年創立江戸千家九州支部初代支部長として長年に亘りご活躍された方です。物静かな温和なお人柄で、支部の発展に尽くされ、千余名の会員を擁する大きな支部となりました。
 坂本画伯は昭和六年にアトリエを八女市に移されたため、八女、佐賀、福岡と、江戸千家の茶の湯は広まり九州支部は大きくなっていきました。現在アトリエは久留米市文化センターに移築されています。
 生家の修復は平成二十二年春の完成を目指し、茶室、野点等でも使用出来る施設となるそうです。
 幸い、茶会当日は八女、佐賀の両不白会から、また他流の方々や地元の商店街の皆さんも、大勢訪れてくれました。盛会のうちに坂本繁二郎画伯、宗薫先生のご遺徳を忍びながらの一日を終えました。
 十月二日、この日の収益金が西村会長から久留米市長へ手渡しされ、修復への願いをお届けしました。

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