2024年6月30日
山形家元招請研究会
家元招請研究会〈課題:茶通箱〉
船山宗恵(山形不白会)

これまでリモートでの研究会が行われていましたが、四年ぶりに家元をお招きする研究会が行われました。パソコンを介してではうまく話すこともできず緊張してしまいます。やはり直接にお会いしてお話できることを参加者一同楽しみにしていました。
まずは軽い体操で身体を慣らしましたが、コロナ禍で茶の湯の稽古を三年もお休みし足腰が弱ったことを感じました。身体作りの大切さを感じます。
課題は茶通箱でしたので、箱の扱いや、指の動きに注目していましたが、家元は、茶通箱の本来の目的は、箱の扱いではなく、二種の抹茶を飲み比べる楽しみであると強調されました。実践では次客になり濃茶を二服いただき、味わうことを幸せに感じました。
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2024年6月12日
2024年度 家元教場研究会レポート(6)
家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」
(水曜B組) 上村宗貴
不白筆 利休円窓図「心法双忘 一味常顕」

かつては目に触れることさえ叶わなかった唐物ですが、美術館などで観賞の機を得ることができる現代において、その貴重さを実感できていなかったのが正直なところです。稽古で唐物見立ての点前を教えていただいていた際に、心が注げていただろうかと振り返りました。
この度、家元がご所蔵の唐物茶入をご披露くださり、まず包みを解き、唐物を扱う一手一手、組み紐や箱さえも慈しむように扱う所作を拝見し、器物の重みを真摯に受け止めることができました。そうした所作が長い時間を重ねて培われたものなのだと感じ入りました。さらに午前中の余韻が午後の床に掛けられたお軸の言葉へと結びつきました。
「心法双忘 一味常顕」
これまでの稽古はもとより、日常生活や仕事への姿勢など、点と点がつながるように人生のすべてに通じる想いです。大切な気付きを毎日の暮らしの中で自分を折り込みながら繰り返し巡らせ、これからの茶の湯の稽古へと投影したいと存じます。
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2024年6月11日
2024年度 家元教場研究会レポート(5)
家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」
(火曜B組) 大野宗育
唐物の書物に、「~但し炉の時は四畳半にても台目に居る」とあり、これまで唐物の稽古をする時、炉の時は台目でするものと思っていましたが、なぜ「台目」なのかということには思い至っておりませんでした。
今日、茶室の出来ていった流れをあらためて学び、古風では風炉で正面を向いていたのが、炉が出来て、風炉があった位置の「隅炉」から「向切」そして「出炉」が出来て、道具に向き合っていたのから、だんだんと客に近づいて斜めに居るように客に近づいていき、道具を流して置くようになったという経緯を学びました。
逆に唐物点前では道具を大事に扱う為に道具を正面に置く。「台目に居る」の意味がよく理解できました。
青磁香炉 竜泉窯 南宋時代
堆朱長盆 明時代
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2024年度 家元教場研究会レポート(4)
家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」
(火曜B組) 永島宗智
唐物茶入 銘 玉水
唐物青貝輪花盆 明時代
お道具に感動すれば所作は自ずと決まってくる。心の顕れが所作に、所作は感動のあらわれである。
掛物「夫茶道在心不在術 在術不在心 心術双忘 一味常顕 是茶道之妙道也」流祖の茶の湯の至上の境地に少しでも近づければとの思いを新たに致しました。
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