2018年12月15日
ご相伝式に列席して
高木宗永(東京不白会)
先日は、ご相伝式に列席させていただき、ありがとうございました。小さい頃からいつか師範になれるように、いつか家元にお会いできるようにと稽古してまいりました。何度も写真で拝見してきた家元邸は、東京とは思えない程静かで、その静けさがとても心地よく、趣深く感じました。
〝いつか〟は夢のように遠い日のお話と思っていましたので、目の前でお点前拝見させていただき、本当に嬉しかったです。何より嬉しかったことは、家元とお話しさせていただきながら、お食事できたことです。
共に食し、一献交えることは、こんなにももてなしの心を伝えることなのだと改めて感じました。「ようこそ、おいでくださいました」と今まで口にしたり、言われる事はありましたが、それを肌で感じとることができたのは初めてのことでした。もてなしに心を入れること、所作やふるまいで示す事がまだまだ私に足りない「力」なのだと知ることもできました。
「お茶を〝行く〟ものではなく、家で〝する〟ものにしなさい」
最後に家元が話をされた言葉を自宅に帰ってからも、よくよく考えています。茶道が稽古場の中で行うものでなく、毎日の生活、普段の所作からも学び精進できるものであるということかな、と考えました。
看板に恥のないよう、精進に努め、次に東京へ行ける日までに、少しでも成長しようと決心がつきました。
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2018年11月30日
ライプツィヒで茶の湯を
大黒 耿雪(青森不白会)
旧東ドイツの南にあるライプツィヒを訪れた。この街にマクス・プランク研究所というノーベル賞受賞者を何人も輩出している物理学や生理学の研究施設があり、息子が勤務している。変わり者で高校時代は作曲家を目指し、その後、理学療法士になって病院に勤務すると次は「脳の研究をしたい」」と大学院に進み、医学博士の称号を得、東京大学、オックスフォード大学の研究員を経て現在に至る。厳しい世界らしく、来春までに評価される論文を書かないと雇用が継続しないかもしれず、在籍している間に見ておきたい、と訪れる事にした。
すると息子から「研究所でお茶を点てて欲しい」と要請、慌てて道具一式をトランクに詰めたのだった。
研究の合間にコーヒーなどを入れるための部屋で、テーブルでの立礼の略式。最初の客は「日本の茶道にとても興味をもっている」という台湾からの若い男性で、息子が私の事を「ティセレモニーのマイスターだ」と説明、お茶を点てて出すと「日本のマナーを教えて欲しい」と尋ねてくる。「両手で持ち、正面を避けるように少し右に回し、二口か三口で飲んでください」と教えると「台湾にもお茶を飲むときのマナーを大切にする文化があり、とても親しみを覚える」と話した。二人目の栗毛色の髪をしたヨーロッパ人女性は飲んだ後「デリシャス」と感想を漏らした。この建物の中で茶の湯の作法を見せたのはおそらく私が最初、研究者も初体験の珍しさに満足してたようだ。私も未来のノーベル賞学者の卵にお茶を振る舞ったのは、後の誇りになる事だろう。
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2018年11月25日
招かれて味わった至福のとき
家元招請研究会 - 課題「唐物(茶通箱)」
高橋宗津(岩手不白会)
十一月二十五日、平成最後となる家元招請研究会は課題「茶通箱」でした。私は正客として学ぶ貴重な場を与えていただきました。
家元が亭主、半東は博之様です。まず、「茶通箱」とはどのようなものか、本来の意味や用途などをご説明下さいました。また、今回は箱を表道具として棚に飾られました。
箱の扱いは、指の運びや動きだけに気を遣う事ではないこと、心して取り扱うしぐさなのだと学びました。
初座では、床の「茶是長寿友 宙心庵閑雪」のお軸で、若い頃の筆であろうと家元は由緒をお話しくださいました。翌日、十一月二十六日が、先々代さまのご命日、なにか特別な思いがいたしました。
炭点前に入り、炉に寄ると、その種火の美しかったこと、感激いたしました。
点心席では、お料理やお酒をいただきましたが、お茶事でのこの席は主席とは別のものだとわかりました。初座でも半東の役割は大事だと気づきました。
後座では、喚鉦に迎えられて、お床の見事な花に見入り、座に着きました。
厳粛で、美しい流れるようなお点前を間近で拝見し、丁寧に練られたお濃茶は、本当に美味しい最高のお茶でした。今、一つのお濃茶もいただいて二種の味の違いをはっきり感じました。茶碗拝見で、二服目の濃茶を飲み切ったときにも拝見に出されましたことに気づきました。一服目と同じ茶碗なのにと不思議に思いましたが、茶碗拝見は、お茶の色や香りを見、感じることだとお教え頂き、一服目とは別のお茶だからと、茶碗を見せてくださったとわかりました。
半東の博之さまは、気づくとお茶やお道具をお運び下さっていて、その動きは、まったく自然で美しいお姿でした。
いつの日か、茶通箱のようなお道具で、お茶好きな友を招き、二種の濃茶を点てちがいを味わい、楽しみたいと思っております。
田山宗由(岩手不白会)
家元と博之様を岩手山の一際美しい小春日にお迎えしての研究会、茶通箱のお茶の掃き方から丁寧にご指導いただき、自ら亭主をなさり楽しみにしておりました炭点前をはじめ、全ての所作の変わらぬ美しさは体操十種の賜物でしょうか。またほっこりとした優しい銘の「木守」のお茶碗でとろりとしてふくいくたるお濃茶をたっぷりいただきました。お茶の味わいに集中できるように配慮されたお点前の進め方、お茶入、お箱の花押を拝見では一瞬身も心も引き締まりました。木守のエピソードや富士登山のお話を楽しくお聞きしてすっかり和みまして、席の設定を始めお心遣いをひしひしと感じ客として本当に何と幸せな研究会でした。社中もお稽古で茶通箱のお点前が思ったより簡単だったとそれぞれ言っておりました。まお亭主が二種のお茶を用いた事の方が会話もごく自然で現代にはあっているように思いました。お稽古に活かして楽しんで参りたいと思っております。ありがとうございました。
博之様の半東としてのお働き大変勉強になりました。
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2018年11月17日
家元教場研究会レポート(16)
課題ー古典(相伝物) 第四回 茶通箱
炉開き
下火に菊の葉を乗せ、塩をまいて清める。切り火をする
半東として
河内 彩雪(土B:東京不白会)
お当番では、十一月の炉開きで行う茶通箱の半東という貴重な機会に恵まれました。半東は通常のお稽古でも動きに気を配りますが、研究会での相伝物ではなおさらのことでした。家元の濃茶点前の最中、ふっと口切りの茶の香りが漂ってきました。ああ、なんていい香りだろうと顔を上げて、ゆっくりと茶室全体を見渡すことができました。
芳しいお茶を、美味しいうちにお客様にお届けしようと、自然と思いがわき、少し落ち着いて動けたような気がします。
一瞬ですが、茶席の皆様と心が通い合ったように感じました。お客様をもてなすには、まず自分の心の平穏を保つことが大切だと気付きました。
花月の間 水屋の準備1
水屋の準備2
水屋の準備3
水屋の準備4
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2018年11月2日
郡山市民茶会で茶箱の点前
渡邉宗翠(福島不白会)
平成三十年十一月三日、郡山諸流茶道連盟主催にて七会場で茶会が開かれました。
私は公民館の会議室が担当でしたので立礼卓での茶箱を使ったお席ににしました。
大寄せの茶会での立礼の茶箱は初めての経験でしたのでご指導、ご意見を仰ぎ準備を進めました。
当日、お客様も「珍しいお席で楽しませていただきました」とお話くださったり、「もう一回入ってもいいですか」と二回、私の席に入ってくださったお客様もいらして、亭主を務めた私も大変うれしく、楽しい茶会を経験させていただきました。
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2018年10月24日
家元教場研究会レポート(15)
課題ー古典(相伝物) 第四回 茶通箱
次客として
斎藤 宗江(水A:東京不白会)
今回のような茶事形式での「茶通箱」ははじめてです。
最初に、家元から「茶通箱」は、到来のお茶と亭主のお茶との二種類のお茶を入れる箱というお話がありました。
家元 花月の間
そもそもなじみの薄いお点前がどのように展開するのか、興味津々でした。
床の掛物は「菊慈童」。一献ではお料理を堪能しながら先日大分で行われた全国大会のお話で楽しくお席が進みました。家元のお炭点前を拝見して中立そして、お濃茶です。。一碗目は「星の奥」、二碗目は正客持参の宇治のお茶です。「茶通箱」独特の指使いはありません。家元は箱を棚からすっと下ろされ、お茶入を出され、二種類のお茶をいただきますと、確かに味の違いがわかります。お濃茶を中にして一座の人達の思いが一つになったような気がしました。二種類のお茶の味の話題で盛り上がり、楽しいなと感じました。気の置けない人達と二種類のお茶について話ができるような「茶通箱」のお茶事をしてみたくなりました。
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2018年10月21日
山形不白会 家元招請研究会
家元招請研究会 - 課題「唐物(盆点)」
庄田宗雅(山形不白会)
数寄屋造りの和風で格調高い山寺芭蕉記念館研究室
宝珠山立石寺を一望
十月の秋晴れの日に、山寺芭蕉記念館にて「相伝物 盆点」の家元招請研究会が行われました。
敷地内からは俳聖松尾芭蕉が訪れた宝珠山立石寺を近くに眺めることができます。
茶碗、茶入、盆とご持参くださり貴重なお道具を拝見させていただきました。
家元のお点前で、お料理、お濃茶といただき、まさに「一座建立」と幸せな一時でございました。
家元は、山寺の風景と中村昌生先生設計のお茶室に深く感銘を受け、「山形の方々はこんな素晴らしいお茶室を活用しなくては、もったいないですよ」とご進言いただきました。。
随行の森田様には、水屋、半東をお手伝いいただき大変勉強になりました。
楽しい料理作り
笹原宗稜(山形不白会)
今回研究会で料理を任せていただく事になりました。幾度か料理を作る機会はありましたが、毎回初心のような緊張を覚えます。
家元は「濃茶には美味しい料理、美味しい酒、会話が如何に大切であるか」と話されておりますので、その言葉を肝に銘じながら五味、五色、五法のことも忘れずに時節の食材と器選びを楽しみながら進めました。
向付には「鯛の柚子酢じめにもって菊三種をあしらい」、汁は「づいき芋」つぼつぼには、お客様がお酒を召し上がるということで「鰹の酒盗麹合え」また、八寸は「むかごと銀杏、海老に卵と山芋の寿し詰」など、もちろん美味しい山形のお酒を召し上がっていただきました。
お席の様子を水屋で感じながら料理をお出しするタイミングも難しく勉強になりました。
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雲鶴先生をお迎えして
雲鶴先生招請研究会
土田宗春(新潟不白会)
新潟支部教授会が初めて雲鶴先生をお迎えして研究会が行われました。
午前中は且座をご指導いただきました。設いは季節的に中置でしたので、お棚のないお点前を雲鶴先生より丁寧にお教えいただきました。午後は花月を二回いたしました。ご指示をいただきながらの分かり易いご指導で、皆楽しみながら勉強させていただきました。最後に皆でお薄をいただき、和気靄々の実りの多い研究会でした。
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2018年10月8日
水屋を担当して
家元招請研究会 - 古典(相伝物)
下津浦靖雪(久留米不白会)
肩衝で肩の巾が少し広く威厳がある朝日春慶作瀬戸の濃茶器、唐津の中里重利作の奥高麗茶碗、銘作「木守」。流祖不白作十牛の茶杓も家元がお持ちくださいました。いずれも手に取って拝見するのもはばかられるような立派なものです。床は、立花大亀和尚の一行書。
家元は設えていた台子の位置をもっと前の方に進めてくださいと言い、畳一枚半前の方に置き換えました。その先にちょうど、書院造りの丸窓があり、前に進めた事により部屋全体に和の風情が漂い家元の見識の深さを改めて感じました。
後座で、青磁の花入に色付き始めたマユミ、ホトトギス(満点の星)、沢桔梗が入って床の矢筈板の上に置かれた時、緊張が解け、私はほっとした気持ちを覚えました。
水屋担当の私が今日一日、家元の亭主振りを間近で拝見させていただき、よい教訓を得させていただきました。全てにおいてお客様に精一杯のおもてなしを願う心意気を勉強致しました。
跡見の床
於 久留米少林寺
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2018年9月15日
家元教場研究会レポート(14)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
「貴人として」
岡田 宗春(土B:新潟不白会)
今回は、越後の豪農地主の奥方が、二人のお伴と江戸へ出てきたという設定でした。私は貴人にふさわしくないのでは、という重い心で臨みましたが、始まってみると、横山清輝筆の薄と月の掛物、サンマや菊など季節の食材を使ったお料理とお酒で、すっかり心がくつろぎ、お話も楽しく、いつしか時を楽しんでおりました。
後座はどんな花が生けられているか楽しみにして席入りしたところ、見事に盛られた秋の果物の数々、枝付きの柿に栗、葡萄に蜜柑、梨、色付いた柿の葉、秋の訪れを心ゆくまで楽しむことができました。天目茶碗にたっぷりと点てていただいた家元のお濃茶の美味しかったこと。
我が家には貴人はおいでにならなくても、お祝い事などのお客様を貴人点てでもてなしてみたいと思いました。
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皆が楽しめる観月茶会
柿崎宗恵(青森不白会)
みちのくの善知鳥の宮に茶の集ひ和むこころそ楽しかりけり(宗慶)
平成三十年九月十五日、善知鳥神社参集殿にて第二十三回観月茶会が開かれました。前日の神社の大祭、夜は百五十名の直会、それに続く茶会当日は、他流の方や、お茶の稽古をなさっていない方、お酒を飲みにいらっしゃる方と様々お集まりになり、準備は大変でしたが、賑やかな楽しい集いとなりました。
お酒は七戸のまごころ、つまみは地元の物を籠に盛り、お点前は立礼で氷点。陰点も薬罐に氷をたくさん入れて冷たいお茶を出しました。皆さん珍しいといってお替わりする方も多く、九州、八女のお茶をおいしいと味わっていただき、準備の甲斐がありました。皆様喜んで帰りました。支部長一年生の茶会は、とてもハッピーなひと時でございました。
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2018年9月12日
家元教場研究会レポート(13)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
「半東として」
小池 宗京(水B:久留米不白会)
茶室は秋の空気に包まれ、季節の料理が出され、貴人もお付きの方お二人も、亭主の家元と共に本当に楽しい会話でくつろがれていて、皆様に一献をお勧めする私も、とても幸せでした。
後座は息を呑むような静寂な世界。家元の真剣なお姿、臨まれる点前に緊張感が走りました。その心の込められたお濃茶を、柳原のお茶碗、堆黒の台を貴人にお運びする重圧に立居や足さばきが悪くなってしまいました。足腰を鍛える基礎から始めねばと、家元の推奨する体操がいかに大切か実感しました。
「水屋・料理担当として」
大塚 宗仁(水B:東京不白会)
料理の準備で気を遣った事は季節感と衛生面です。重陽の節句、中秋と続く季節を感じるものを、シンプルに、素材を大切に用意しようと考えました。
食べやすさ、お口に合ったかどうか気にかかっていましたが、お客様から美味しかったと言っていただき安堵しました。ただ、お客様が貴人という設定ですと、内容はどうだったのか、品数は絞った方がよかったか、など課題が残りました。
一緒に料理担当をした飯泉さんが中里花子さん作の皿を持参、それを見て雲鶴先生が花子さんのお父様の中里隆さん作の鴨の徳利を出してくださり、思わぬ出合いがありました。
昨年は自宅茶の実践をし、今年は一献の準備。我が家でも友人やお客様を招いてお茶を楽しめるような気がしてきました。
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2018年9月11日
家元教場研究会レポート(12)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
台天目の半東をしてみて
大野宗育(火B:東京不白会)
これまで、台天目の稽古というと、書物に沿って貴人のあしらい、台天目の点前の注意事項を学ぶことでした。しかし、今回の研究会では設いから実際にお客様と亭主、貴人とお伴の関係を明確にするものでした。初座では、貴人を恭しくお迎えし、後座ではまさに一座建立という雰囲気でした。
このような設いで実践してみると、やはり貴人は台天目で一碗でいただき、お伴は、別の茶碗で台なしでいただくことがしっくりきました。さらにここで、亭主相伴となると、普段稽古しているように、台天目で一同飲みまわすという方法より、亭主は、お伴と一緒に相伴するというのが、なるほど道理にかなうと思いました。
実際の半東の動きは、より複雑で、その場で臨機応変に動かなくてはならないので、もっと実践を重ねる必要性を感じました。
貴人様とお伴への接し方は、区別しているようで、区別の加減が難しく、また貴人様への接し方とともに、相伝式で使われるような大変貴重なお道具を使わせていただき、道具に対しても丁寧にしなければという気持ちになり、その両方への気持ちの使い方で動きがぎこちなくなってしまうような気もしました。
そのようなことから、傍から見ると動きにめりはりがなく見えてしまうのだと感じました。第一に貴人様を待たせないことに心を配ること、とご指導をいただき、納得しました。
ご相伝の台天目では、書院の設いで大棚でお点前するものと思っておりました。ところが、今回は、糸巻棚で夏の涼しげな設いのまま、どのように台天目のお点前をされるのだろうかと思っていましたら、糸巻棚の上に天目台のみ飾られ、貴人のお茶が出される際に台にのせられました。それはとても自然で、流れるようにお席が進んでいきました。
状況に応じたおもてなしができるようになることを、今回の研究会で、学ばせていただきました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
貴人様を招くことはなかなかできませんが、どんな場面でもそれに準じたおもてなしができるよう実践していきたいと思いました。
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2018年9月8日
ロサンゼルス活動報告
西村 宗櫛(羅府不白会)
ロサンゼルス不白会は今年も様々なお茶会を頼まれ皆で楽しく江戸千家のお茶をしております。
どうぞ日本の皆様、応援してください。
・二月 ランチョパロスバーデスアートセンター茶会
・四月 トーレス文化祭
・六月 ホンダモータース おもてなし茶会
・七月 デリシャス リトルトウキョウ茶会
・八月一日 TVチャンネル7 朝のニュースで江戸千家LA不白会の紹介
・九月二日 ジャパンハウス オープニング茶会
・九月八日 パロスバーデス茶会
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2018年9月6日
長野不白会会長傘寿のお祝いと感謝の茶事
神津宗栄・下村宗悦・李 宗福(長野不白会)
平成七年より長野不白会支部長をお受けいただいている李宗福先生がめでたく傘寿を迎えられ、九月六日、「傘寿のお祝いと感謝の茶事」が菱野温泉茶寮「花おか」で行われました。
まず、支部長のお申し出により六名の物故者に献杯が行われました。続いて本懐石のお料理で始まり、貴人点、薄茶と続きました。最後に社中の方から花束贈呈、支部長のお言葉にもこれまでの長い年月への思いが込められ、皆様目頭を押さえていました。江戸千家のお茶を通し強い絆で結ばれている事を感じた一日でございました。厳粛の中にも楽しいお茶会でした。
●傘寿を迎えて
李 宗福
長野不白会の支部長をお受けいたし、今年で二十四年になります。今年傘寿を迎えました。先輩の方々、また会員皆様のご協力のおかげで無事今日まで、楽しい茶の湯の道を支部長として務めてまいることができました。会員の皆様が準備したお祝いの会、床には瑞雲、大徳寺の掛物が掛けられ、貴人席にご案内いただきました。本懐石で千鳥の盃、炭点前、貴人点て茶碗は、建窯天目で美味しい濃茶をたっぷりと、まさにお茶の醍醐味を感じ、茶道に精進し、本当に幸をしみじみと感じました。もう少し皆様と共に、江戸千家の和を広げていきたいと思います。
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2018年9月2日
新潟不白会支部講習会「都のお茶・江戸のお茶・東京のお茶」
高野邦子(新潟不白会)
九月二日、武者小路千家官休庵の千宗屋様と、川上博之様をお招きした講演会が、新潟不白会主催で催されました。
利休に始まる茶の歴史、流儀の歴史に始まり、現代のマンションならではの茶室の工夫など、お話は大変興味深いものでした。
なかでも、東京のマンション内にある宗屋様のお茶室「重窓」のお話や、リビングに置かれた立礼卓への思いが印象に残りました。現代の生活空間に違和感のない茶の湯のある暮らしは憧れです。これは「自宅の茶」を学ぶことと共通点があり、目指すものは同じでは……、という思いに至りました。宗屋様はたくさんのアイディアをお持ちなのだと思います。
お二人の対談では、博之様が武者小路千家で修行することになった経緯や、去りがたく修行を一年延ばされたことなど、仲のよいお二人のお話を楽しく聞かせていただきました。
各社中のテーブル茶のおもてなしもあり、その手伝いにも参加でき、有意義な一日となりました。
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2018年9月1日
茶の湯の普及をめざして
亀山 穂雪(高田不白会)
友人二人からそれぞれ依頼をもらいました。一件目は、和服を着て何かをしたいということでしたので、椅子とテーブルでお茶を点てる稽古をしました。まず、私が習っているヨガの呼吸法を取り入れてストレッチをした後、和服着用時の所作を実践し、テーブルに着きお菓子のいただき方やお茶の点て方を教え、自分でもお茶を点てたり飲んだりしてもらいました。友人以外三名のお客様は、お茶を点てるのが初めてでしたが、またやってみたいという声、帰りに茶筌を買って帰った方もいたと聞き、私もやってよかったと思いました。
もう一件は、高田城の復元を望む市民団体のシンポジウムでお茶席を用意してほしいという依頼でしたので、簡単な茶席を設け、高田藩と江戸千家の関係についてお話をする機会も得ました。、
今後のシンポジウムにも関わっていくことになり、自分ができる範囲で活動を広げていけたらいいなと思いました。
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2018年7月11日
家元教場研究会レポート(11)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
「お付きの客として」
加藤 宗希(水A:東京不白会)
貴人点ての付き人は、「客であり、客でない貴人のお伴」ということを頭において務めました。貴人点は普段は縁のない世界ですので、貴重な体験です。
初座でのおしのぎの会話が、貴人中心で、出過ぎずに、でも会話に参加するというところが難しかったです。後座では、席入りの拝見は遠慮し、お伴同士で一緒に道具拝見するなど立場も考慮しました。
家元が常におっしゃる「全力で、真剣に」を私もまねて自分のものにしたいと思っています。
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2018年7月8日
天心忌茶会で思い出すこと
岡倉天心の孫夫妻とご一緒に(毎日新聞)
李 宗福(長野不白会)
七月八日の信濃毎日新聞にの「わがまち遺産」に、長野県下高井郡山ノ内町にある大観の別荘「嶽心荘」が紹介される記事がありました。昭和四年に建築、木造平屋のかやぶき屋根で、庭も含めると六千平方メートル。いろりのある客間は、東京の自宅の部屋をまね、大観がこだわって設計したと書かれています。大観の何かの祝いの集いだったと思いますが、その客間でお客様に一服差し上げる光栄に巡りあったことがあります。天心のお孫さん夫妻と一緒の記念写真です。
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2018年6月3日
静岡不白会 家元招請研究会
家元招請研究会
佐藤宗博(静岡不白会)
静岡市 宝泰寺不二庵
静岡での抹茶製造もようやく緒について参りましたので、八女茶と飲み比べるという趣向にしました。家元に伝わる茶通箱、二種の茶入をご持参くださり、席に重みを添えて下さいました。水屋での準備、茶事での和やかな会話と、力みのない自然体のお点前に引き込まれるように拝見しました。
二服の濃茶を続けていただくことは、胃にも重たいことです。濃さ、分量、品質、季節等を考慮し、お客様の要望も伺いながら進める必要があろうかと思います。
御簾の内にあるお点前と捉えていた相伝物を、茶事という実践の場で活用することにより、一層生き生きと継承されていくに違いありません。それぞれに意図された所作の本来の意味が明確に示されることにより、稽古の幅が広がると期待します。
◎参加者の感想
正客担当
「茶通箱は、指の運びが大切なのではありません」静かなしかし強い信念をもった家元の第一声が強く響きました。心をこめて一席を用意し点てていただいたお茶をいただいたとき、どう感じ、どのように思いをお伝えしたらいいか、日々の生活の中で感性、知識、表現も磨かなければと、正客を務めて思いました。
三客担当
お茶碗を十分に温め、丁寧に、真剣に練り上げる、茶の湯に対する強い思いを感じました。二種のお茶の味、色、香りの違いを楽しみました。一服目はたっぷりと、二服目は控えめにというお気遣いも有り難く感じました。
見学者
一席の茶事で二種の茶を振る舞う合理的な方法。「茶通箱を使わず、茶入二種でもできます」という家元の発言は示唆的でした。
◎随行の感想
初めての出張随行。茶事の流れを経験できたこと、半東として裏の水屋や料理の仕度の様子も知る事ができたことは収穫でした。席の間に畳を雑巾で拭いたり、棚を乾拭きしたり、万全の体制、心持ちでお客様を迎えるということが大切だと感じました。半東の仕事は拙いものでしたが、再び随行の機会を得る事ができればと強く感じました。
内山健太郎
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2018年5月26日
長野不白会研究会
家元招請研究会「相伝物—盆点」
(長野不白会)
正客として
松本宗実
普段何気なくしている水屋仕事、風炉灰の量や押さえ方、下火のつぎよう、釜や水指の水量など懇切丁寧で的確なご指導をいただき納得しました。流祖ご愛用のお道具で家元が亭主の特別なお席、全身全霊を込めたお点前を間近に拝見することができ、魅了されました。丁寧に、時に豪快に練られたお濃茶を最初に口にできる幸せ。「自宅の茶」の定着や相伝制度の改革など家元のお考えを拝聴し、ここで学べる刻を大切にしたいと思いました。
見学して
神農宗史
李先生宅にて家元招請研究会が行われました。私は初参加というもあって、緊張の面持ちでしたが、特に印象に残っていることがあります。
それは家元が席入をする際の姿です。精神統一をされ、気持ちを込めている姿が大変印象深く、一席一席をそういった心持ちで臨まれている事を知り、感動しました。
盆点を拝見しましたが、普段はどうしても点前の作法や順序に目が向きがちです。家元がお話しされたように、相伝の本来の意味を考えることに今まで意識が向いていなかったことにはっとさせられる思いでした。また、家元の流れるような点前を拝見し、いつか家元の点てたお茶を一服いただいてみたいという思いを抱きました。
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2018年5月13日
七戸不白会 家元招請研究会
家元招請研究会 - 課題「唐物(盆点)」
盛田宗蛍(七戸不白会)
五月十三日、十和田市民文化センターで、「家元招請研究会」が行われました。課題は「盆点」、相伝物を特別なものとせずお稽古に取り入れ本来の意味を理解するようにとのことで、博之氏が半東を務めてくださいました。
「霜夜」の茶入と唐時代の螺鈿のお盆をお持ち下さって、大切に扱うことや客を招いて披露すること、そして主客共に楽しむことを教えてくださいました。緊張のあまり、席入も拝見もうろうろとし杯ばかりでしたのに、さりげなく楽しく過ごす様にして下さいました。やはり、楽しくなければとの思いを強く致しました。そして以前からのお考えを少しずつおしめしくださっていらっしゃると感じます。
参加した方々から宗匠のなめらかで自然な動きに驚き、出席してよかったとの声が聞かれました。至らない客でございましたが、贅沢な時を過ごさせていただきました。相伝の書物もこの研究会がなければ、奥深くしまっておりました。あらためてよい機会をありがとうございました。
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2018年5月9日
家元教場研究会レポート(10)
課題ー古典(相伝物) 第二回 真台子
客として
本間 宗尚(水A:東京不白会)
家元自ら亭主とのことでしたので、型通りではない、現代に通じる変化をどのようにされるのかと楽しみでした。後座は真台子を使って普通のお濃茶を博之様が代点してくださいました。
その間、濃茶が点つまで家元(亭主)と共に、静かに待っているうちに、初座で向き合い和やかにおしゃべりをして過ごした時よりも、亭主と客との距離がぐっと近くなったように感じました。
今年の研究会のテーマは「古典」ですが、私が想像した見た目の点前の変化などではなく、〝主・客が一体になる〟という尤も大事なことそのものが古典といえるのかもしれない、と考えさせられました。
初座
後座
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2018年5月6日
高知不白会研究会
家元招請研究会「相伝物—盆点」
(高知不白会)
半東として
石元泰雪
初座、なごやかな雰囲気でしたが、一献をすすめるタイミングが難しいことでした。濃茶を運ぶ時も、膝行か立つか、どの向きで座るかなどに不安を感じました。茶を掃くこと、花を入れること、家元の所作を身近に見ることができ勉強になりました。
三客として
中山精雪
高知城を眺めながら、家元が亭主をされる盆点のお茶事は、まさしく荘厳でした。おいしいお料理、家元からお酒を頂戴し会話も弾み楽しく過ごすことができました。見事な濃茶入を拝見し、それを用いてのお濃茶を拝服。師匠である澤先生の七回忌、私を通して先生が家元にお招きいただいたような不思議な縁を感じました。
詰として
長野すが
うまく会話に入れなかった事、点前が行われる前に点前畳には入ってしまい「亭主が真剣に心を込めて点前をする、その重要な場」という考えに至らなかったことを反省しました。
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2018年4月30日
「茶箱の濃茶点前」
雲鶴先生招請研究会
河原志雪(福島不白会)
四月三十日、福島県白河市南湖公園内の翠楽苑で行われました。
課題は「茶箱の濃茶点前」です。薄茶点前との相違点を意識した予習を重ね、雲鶴先生のご指導をお待ちしました。盆を使った点前、お茶をかき出さないことから茶杓の置く角度まで、丁寧にご指導いただきました。
そして、ご指導の合間の一言ひと言、かけ花入れの藤の花を見つめるお姿そのものが、茶の湯を学ぶ励みになっていることに気付かされました。
また、いつも携えていらっしゃる貴重な茶籠をご披露いただきました。吟味された一つひとつのお道具を通して、日常にこそ茶の湯を……という尤も大切な志をご教授いただきました。
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2018年4月28日
正客として
家元招請研究会
田中宗俊 (久留米不白会)
少林寺において行われました。まず家元にご持参いただいた唐物の濃茶器と螺鈿の四方盆を床飾りにして、「盆点」の本来の意味、意義についてお話いただきました。
初座では、八寸に三品の料理をせっせといただきながら、会話がうまくいかず、お酒と料理の意味が生かされず課題でした。
床の間に広徳寺海雲老師の「道」を掛けておりましたので、お客役の師匠にあたる末次先生、溝尻先生、田中宗恭先生の思い出話をしていただきました。
後座は家元が花を生けられましたが、大胆に鋏を入れた芍薬がすっきりした姿にいかりました。家元の点前で盆点の濃茶をたっぷりいただきました。
堅苦しいイメージの相伝物「盆点」でしたが、今回は肩の凝らない親しみのある研究会になりました。
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2018年4月14日
家元教場研究会レポート(9)
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
高谷宗晶(土B:東京不白会)
平成二十二年から家元研究会に参加していますが、私にとって研究会は非日常の濃い勉強の時間となっています。今回のような格の高い場で正客を務める機会などないものと思っていました。突然のことで舞い上がってしまい、家元の指摘の通り全く慣れておらず、見苦しいことばかりでした。
あの日以来ずっと稽古場での背後の皆様の視線が体中に残っているような気分で放心状態に陥り、感想文の提出もどう考えても何も浮かばず時間が過ぎていきました。
茶の湯は一期一会と申しますのに、研究会が済んだ夜に日中のお茶事を、もう一度やりなおしている夢を見てしまいました。
ただ、ご相伝以来の「盆点」のお点前を間近で拝見し、宗匠ご自身から初座でお酌をしていただき、後座でお濃茶を味わう事ができまして、本当に幸せな時間でもございました。これから、遅まきながら仲間や親しい友人と共にお茶事を積極的に行っていきたいと考えております。
家元教場研究会 - 古典(相伝物)
根岸宗昌(土B:熊谷不白会)
・料理当番
私は、急遽料理の担当となった。当日、準備していただいた料理を並べるだけでよかったのだが、実際にこれが非常に難しかった。小振りのお皿に海のものと山のものを分けて並べればよいのだが、容易された食材を前にして迷うばかりでアイディアが浮かんでこない。いかに日頃、考えもせずに料理の盛り付けをしていたか痛感させられた。お皿い並べたが、まとまりがつかず思案していたところ、奥様に一種類料理を足していただき盛り付けをご指導いただいたおかげで、見た目も美しくお出しすることができた。
反省会で、お料理については、まず、味がおいしくなければならない。次に季節感、彩りや分量、盛り付けで目を楽しませることも大切であるとのご指導をいただき、とても勉強になった。
研究会後に『ひとゝき草』を読み返してみると、今まであまり気に止めていなかったが各号に各地の茶事のお料理の写真が掲載されていることに気付いた。季節や器に合わせそれぞれおいしそうな料理が美しく盛られており、次回から会報を読む楽しみが増えたと感じた。
・家族との茶事
家元からの「実践が大事」とのご指導をずっと受けていたがなかなかとりかかれずにいた。今回、研究会でお料理担当となったのを機会に、連休中に家族を客に迎え、食事とお茶でもてなすことを実践してみた。家の掃除から始め、料理本を読んで献立を考え、食材の買い出しと、準備には時間がかかった。実際造った料理は簡単なものだったが、器をそろえたり、盛り付けを考えるのも楽しい作業でもあった。お盆に小皿を並べ、お酒とともに出し、家族三人でゆっくり食事をし、その後、娘の好きなお濃茶をお菓子と共に味わった。慌ただしい日常の食事とは違い、のんびりと楽しい時間を過ごすことができた。
茶事にはまだまだ遠い道のりだが、まず家族との簡単な茶事に朝鮮できたことは収穫であった。実際にお客様をお呼びする事を考えると途方もなく大変だと思うが、そこに近づけるように、日常の食事ももっと心を込め、楽しい食事になるよう工夫してみたいと感じさせてくれた一日であった。次は、友人を招いての茶事に挑戦してみたい。
・水屋での準備
今回、特に炭や釜の準備が勉強になった。普段のお稽古でも、炭や釜の準備をしているが改善するところを見付けることができた。
下火であっても、湯がしっかりと沸くように心を配り、さらに美しく入れてあったのが印象的であった。また、稽古でのお釜の水の量が少なかったと反省した。早速次の稽古の時には、社中の方と一緒に炭やお釜の水の量を実践に移すことができたので、今後も継続したい。
・茶事の中の盆点唐物
半東の動きや水屋全体の流れを見ることができたので大変参考になった。
また、唐物や盆点は稽古の経験も少なく、お点前が難しいという気持ちが強かったが、本来はそうではない。自慢のお道具を是非お客様似楽しんでもらいたいという真の目的を再認識した。心を込めることで自然に立ち居振る舞いやお点前が丁寧になり、心を込めたお茶だからこそ美味しく飲んでいただきたいという原点をしっかりと心に留めていくことがまず第一歩であると感じた。そこを理解することにより、半東や水屋の動きもおのずから決まってくると学んだ。
今回の研究会に参加し、茶事の流れの中の盆点唐物を家元のお点前で拝見することができて非常に勉強になった。客をもてなす気持ちが準備や会話、お点前にあらわれるということを再認識した。
また、研究会での学びが家族との茶事という実践につながったことも収穫であった。
今後も研究会に参加して学んだ事を少しずつ実践につなげていきたいと感じている。
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家元教場研究会レポート⑷
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
柄田宗明(土B:東京不白会)
当番を通じ、三点のことを感じました。
①「盆点」とは、自分が所蔵している名器を披露する為の、道具に対する尊敬と愛着が生み出した趣向であることが茶事の準備と流れの中で理解できました。
また道具を大切に扱う点前としつらえによって、客にも特別の配慮をした茶会であることが伝わりました
②茶事の準備は、平常心を保ちつつ、茶事に対する気持ちを高めるものであることを感じました。盆点で秘蔵の茶器を披露するのであればなおさら、落ち着いて丁寧に準備をすることで、心も場も落ち着き、かつ緊張感のあるものになることを実感しました。
③亭主の特別な心入れともてなしに共感し、楽しみながら亭主と一所に茶事を作っていける客になりたいと思いました。
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家元教場研究会レポート⑶
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
中野里雪(土B:新潟不白会)
相伝物が茶事の趣向の一つというお話は、今まで目指してきた初座と後座から成り立つ茶事が基本であることとつながり、あらためて亭主と客のやり取りの大切さを認識することができました。あくまでも茶事の流れとして自然であることが大切だと感じると共に、現代の生活の中で実用の茶を考えるきっかけとなりました。
またお席は亭主側と客達で作り上げるもの。亭主の気遣いのこもった一服のお茶の重みを、半東をさせていただき実感しました。
六種の仕服とともに挽家、箱、想像以上に大きな外箱に収められていた唐物茶入が使われている光景も貴重でとても美しいものでした。
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2018年4月11日
家元教場研究会レポート(8)
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
永井宗悦(水B:岩手不白会)
今年の研究会の課題は「茶事の趣向で相伝物を学ぶ」でした。御亭主は家元。半東と水屋は当番でした。客は当番から話し合いで決めました。不安でしたが、正客を受けて、とても貴重な時を体験しました。
床に進みますとお軸の本紙の上部にかかれた「達」の大きな一文字に圧倒されました。達成、到達の意で相伝式で掛けられる軸であると伺い、相伝の意義を理解できました。
お席は長板に桜の色合いの萬古の皆具、お釜は雪洞型のたっぷりした釣釜でした。お炭点前の後、八寸と盃が運ばれました。桜鱒、菜花のおひたし寒天仕立、チコリに蕗味噌を添えて。お酒は新潟のフルーティーなお酒でした。やさしい春らしい、さりげない盛り付けも茶事ではとても大事な気遣いと後座のお濃茶を意識した八寸のお料理と思いました。また寄付での家元の短冊の蕗味噌が飛び出したようでした。ほっとする瞬間でもありました。
中立後昼食を教場でとり、寄付でお菓子をいただき、喚鉦で後座が始まりました。床には竹の花入に白の山吹、藤が生けられていました。自分の呼吸が聞こえるような緊張を感じて座っていました。相伝式などではじっと目を凝らして見るという姿勢だった気がしました、大切な濃茶器で一服を建てるという心こめたお点前の流れに、徐々にリラックスした静かな充実した時間と空間が共有できました。濃茶器の扱いやお茶を掬う所作が心に残りました。おいしい濃茶を皆様といただきました。茶事の体験を積んで、客としての姿勢を学んで行きたいと思いました。
家元教場研究会 - 古典(相伝物)
本間宗円(水B:東京不白会)
嬉しく楽しい研究会でした。ただ一つ、亭主の考えにどのような動きで寄り添えるかのみを考えました。集中することを意識し、リラックス、深呼吸と言い聞かせて控えました。
反省点は、お酒、料理をきちんと把握せずお出しした事です。お尋ねがあってから、聞いてまいります、では半東は失格と思います。また、あまりお酒が飲めない方への勧め方も工夫がいるようです。そして濃茶の際、唐物ではありましたが、お客様の座が少し遠かったので立って運びましたが、それが適切であったのか、座ってするべきだったか。
茶事の流れを説明し、要点を伝えて、ゆったりとお席の入るという家元の方針が、今後の自宅の茶に生かしたいと思いました。
釜の扱い、炉中の炭の要領、時間配分、釜の据え方、皆具の準備等々、ご指導を受けながら実践させていただき、大変勉強になりました。
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家元教場研究会レポート⑵
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
永野宗与(水B:新潟不白会)
八寸の料理の準備を担当しました
後座は唐物茶入の披露がなされる特別な座で、上客のおもてなしであることを意識しました。今しかない当地新潟の旬の食材にこだわりました。気候の影響で、なんども市場に通い、ようやく納得する材料を手にすることができました。少量の八寸三品でお酒と共に醍醐味を味わってもらうことにしました。
・春の良い時期にしか捕れない櫻鱒の焼き付け。
・地物の菜花を出汁に漬け込み寒天を流し固めたもの。
・生のウルイに蕗味噌を添えて。
料理を決めるまでにずいぶん悩みましたので、初座の様子を見ていると、私も一緒に入りたい気持ちになりました。
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2018年4月10日
家元教場研究会レポート(7)
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
戸井田宗良(火B:茨城不白会)
盆点の半東をさせていただきました。大事な茶入を扱う唐物・盆点ということで、拝見時にもし立って道具を運ぶことになったらどのようにするか、不安でした。今回は普段お目にかかれないすばらしい茶入(小堀遠州ゆかりの〈浜千鳥〉)を目の当たりにすると、左手に茶杓、仕服を乗せた盆、右手に茶入などという持ち方はできないと思いました。
今回は道具畳に置いたままの拝見で、最後に床へ茶入を飾るため、家元が道具畳から床へ道具を移動されました。家元は、両手で茶入を大服紗ごと大事にくるんでもち、ゆっくりと床に飾ってから、盆に茶杓、仕服を乗せて両手で運んで飾っていました。勉強になりました。
初座と後座の雰囲気も印象に残ったことです。初座の正客は自然体で、次客もお詰めも楽しんでいることが何より素晴らしいと感じました。一方後座は静かに流れる時間の中で、家元がゆっくり濃茶を練って、お客様も今の場の雰囲気を感じながら待っている。茶道口に控えていた私にもよい緊張感のある空気が感じられて茶事の奥深さを経験できました。
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家元教場研究会レポート⑴
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
千田文雪(火B:岩手不白会)
床の間には『達』一文字の掛物。家元の盆点の相伝式で用いられていたそうです。達は道が通じるの意とか。当番の春の季節満載の八寸に話も弾み、その上家元の勧め上手のお酒を頂戴して、次客、三客の方々も心が打ちとけた様子でした。
後座の迎えは喚鉦で。床には突抜忍冬が生けられ、水指前の堆朱盆にはしっとりした模様の仕服に包まれた茶入が鎮座しており、初座とはうって変わっての佇まいに、只目を見張るばかりでした。
静寂の中、茶入にそっと手を掛けられる仕草、息を詰めて見守っておりました。やがてたっぷりのお濃茶が運ばれて、目を閉じて香りを愉しみ、ゆっくり味わって頂戴しました。
今回の研究会では、亭主の家元から、点前に終始するのではなく、大事なお道具を賭して客を迎えるお心をお伝えいただいたと思いました。
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2018年3月25日
高田不白会支部研究会
亀山穂雪(高田不白会)
上越市の保存建築物である旧師団長官舎において「唐物点」の研究会が開かれました。亭主、半東、お客様の役に別れ、後座の席入から退席までを披露した後、出席者で意見を出し合いました。
私は亭主をさせてただきました。滞りなく終えたつもりでしたが、思い起こすと点前に気をとられ、お客様へ心を尽くす事をしていませんでした。
普段の生活では時短、簡単、便利などという言葉が飛び交い、自分本位で相手を思いやる気持ちを忘れがちです。茶の湯は自分をリセットするに必要な私の生活の一部です。日々何を考え、何に感動するのか、アンテナを張って知識も増やしていきたいと思います。
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2018年3月18日
八女不白会研究会
家元招請研究会
森 宗絹(八女不白会)
家元ご持参の茶入は、盆点の相伝式で使用されるという銘「霜夜」。その茶入を用いての家元亭主によるお席でした。席入り、挨拶、炭点前、八寸に一献。おいしい料理とお酒でした。
中立の後、席入り。家元の、茶入に向き合う真摯なお姿、盆に清めた茶入を置かれた時、思わずほっと息をついていました。
濃茶を練られているとき、目を閉じていると、お湯の煮える音、チーとかすかな釜鳴りの音、五十人の会員の視線さえ忘れるような時間。熱い濃茶をたっぷりといただき、本当に至福の時間でございました。家元のお言葉、「おいしくお茶を飲んでいただくための、料理とお酒、お道具と楽しい会話」。まさしく今回はこのことを実感致しました。
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2018年3月10日
雛の茶事
(新潟不白会)
亭主を務めて
木山宗真
三月の雛の茶事で初めて亭主を務めました。
事前の準備から始まり、当日の段取りや水屋の仕度、大勢のお客様を前にしての挨拶など、日頃のお稽古の成果を問われているようで、緊張しました。
緊張で会話もままならない亭主にお客様は優しい言葉をかけていただき、気持ちを奮い立たせ最後まで務めを果たすことができました。亭主、裏方ともに皆で一つの場を作りあげることの楽しさを感じました。
また、今回のお茶事ではお道具組みもお料理も先生に用意していただきましたが、どれも桃の節句を彩る春満載のものでした。見た目にも華やかなちらし寿司や熱々のはまぐりのお椀など、お相伴にあずかりましたが、とても心温まるお料理ばかりで、張りつめていた気持ちもほころびました。後座では気持ちも新たにお茶を差し上げることに集中できました。これまでのお稽古でも承知していたことですが、あらためて大勢の支えがあってお茶は成り立っているのだと実感しました。
やっとスタートラインに立ったところですが、これからも焦らずに先を目指し、楽しみながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。
半東を務めて
中村宗由
この度の雛のお茶事で半東のお役をいただきました。前日の準備の折、先生から掛け軸の歌の読み方を教えていただき、初めてその意味が判りました。
平素のお稽古でもすばらしいお道具や掛け軸に触れる機会をふんだんに与えていただきながら、自ら求める姿勢が足りなかった事を痛感しました。当日も勉強不足を痛感する場面も少なくありませんでしたが、皆様に支えていただき貴重な勉強をさせていただくことができました。これからは自ら学んでいきたいと強く心に思いました。
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2018年3月9日
家元教場研究会レポート(6)
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
土田宗春(金A:新潟不白会)
私は半東の役をいただき、一つでも吸収したいという気持ちで参加しました。
お道具によっての立ち振る舞い、流れにそっての立ち居降るまい、流れにそってのスピード、確かに頭ではわかっていましたし実践もしてきましたが、さらに繊細に且つ大胆に動くところは動き、大事な所は全神経を集中し亭主の手となり足となり、目立たないように動く、そして静止。難しかったですが、得た物が沢山ありました。
本当の良い物をガラス越しではなく、目の前でさわられるくらいの距離で見られる、これも大きな収穫だったと思います。
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2018年3月6日
家元教場研究会レポート(5)
課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点)
武井宗房(火A:東京不白会)
次客を引き受けました。炭点前では、炭の様子が教本の組方と違うことに気付きました。午後の濃茶の時間に釜の煮えが来るように下火の使い方の工夫を直接見ることができました。
茶入も時代のある物で、その時代の所有者の方々の茶入に対する思い入れを感じられる仕服だったり、その時代背景を感じられる仕服だったり、その時々の方々の思いを想像することができて、とても楽しい時間でした。これからも研究会で一つでも多くの事柄を身に付けて行きたいと思いました。
家元教場研究会 - 古典(相伝物)
田中優雪(火A:東京不白会)
第一回目の研究会で私は半東を担当しました。事前に書物を見ながらのシュミレーションはしましたが、いざ本番となると自分がどういう状況にあるのか、今何をするべきか、頭の中は真っ白になって体も動かないという結果でした。家元教場での研究会には長く居参加させていただいておりますが、まだ身に付いていないということを再認識致しました。
今回お茶入を箱から取り出すところからの行程を興味深く拝見しました。美術館などで至福と挽き家が並べてある様子をガラス越しに来る機会はありますが、実際に目の前で展開されていくのを見る事ができました。これから茶入の展示を完勝する機会があれば、このときのことを思いながら今までとは違う目で見ることができると思います。
今年のテーマ「相伝物」、私の日常ではほぼ起こりえない状況での茶事となります。例えば「貴人」という立場の方にお目に掛かる機会はありえません。私が属している社会において目上の立場にある「会社」の上司に、相伝物の書物にあるような「貴人」として対することはできません。
ある時、春日大社の権宮司をつとめられた方のお話を聞く機会がありました。その方は過去に事情があって執り行われなくなってしまった儀式を復活するための研究もされた方でした。
神社で行われる儀式は神様への気持ち、心を表すための形式である。心を相手に見せるということは容易にできることではない。だからまず形式にあてまへて体を動かす事で目に見えるものとして表すのだ。また儀式という物は心を校正に残す為のタイムカプセルのようなものだと。頭で考えてから動くのではなく、まず形式通りに体を動かすうちにそこに込められた心を知ることになるということ。
このお話を伺って、自分は形式に気を取られるばかりで心まで思いが至っていないと改めて感じました。残り三回の研究会でその中の心の一部でもつかみたいと思います。
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2018年1月17日
本廣寺で初の初釜
瀬古伸廣(新宮同好会)
一月十七日家元を新宮にお迎えし、昨年五月新宮同好会が発足して以来始めての初釜を、流祖不白ゆかりの本廣寺さんで行いました。
当日は男性六名女性四名の会員全員が集合し、家元のご指導の下、楽しい一時を過ごしました。会員一同、本年もやる気満々です。
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2018年1月13日
新春を寿ぎ、華やかに
伊達宗廣(仙台同好会)
一月十三日、仙台同好会の初釜は、正月のお飾りも青々として、新春の香り漂う仙台の古刹国分尼寺(小枝宗誠師の自坊)の茶室逢庵にて開催されました。
今年のお席は濃茶席、薄茶席、水屋の準備と国分尼寺様のご厚意により滞りなく用意することができました。
床には白隠禅師の一富士二鷹三茄子のお軸、三宝飾りは三丸炭の水引結び、そして本年は戌年ということで仙台堤焼きの犬の焼物が置かれ、華やかにして凛とした床を作ることができました。
本年は家元、雲鶴先生お二人をお迎えしての初釜をすることができ、仙台同好会といたしまして大変恐縮しております。私達としての喜びは最高でございました。
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