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喫茶往来


 宗雪宗匠の呼んだり呼ばれたりの茶会の様子を紹介します。

上伝相伝式

 この度はお忙しい中、相伝式を執り行い頂きまして、誠にありがとうございました。当日は相伝式という晴れの日に、思いもよらぬ雪によって電車が遅れ、皆様をお待たせしてしまい大変申し訳ございませんでした。本来は早めに到着して初めてお伺いする家元邸の様子をゆっくりと拝見するつもりでおりましたが、それにつきましては、今後の楽しみにいたしたいと想っております。
 さて、道号「宗隆」の名をいただき、これまで学びながら感じてきた愉しさと難しさを改めて振り返るとともに、今までご指導いただいた恩に、大変感謝いたしております。これを機会にこれまでは客として茶席へ伺うばかりでしたが、本来の招くことを実践するため、家族にお 茶を点てることから習慣として特別なことではなく日常にしていきたいと想っております。
 令和元年十二月八日                 細川正隆

新規の看板

上伝相伝式

 拝啓 初あられが新潟市に舞い降りた今日、相伝の日を迎えあたたかなおもてなしに心より感謝いたします。
 「何故、お茶を続けて来たのか」。一言で申し上げますと、我が師、中野宗順先生との出合いでした。人生のどん底だった当時の私には先生のお稽古は唯一の心の救いでした。一人心を静め、一服のお茶に心をこめる。今日一回限りかもしれない目の前のお客様に美味しい茶を。その時間が心の慰めでした。
 更に宗匠の体操、宗順先生にお勧めいただいたヨガを実践し、自身十数年前には想像出来なかった心身の健康を手にすることができました。これからも日常生活の中にお茶を取り入れ、様々な方々との出合いを楽しんでいけたらと思っております。
 最後になりましたが、宗匠の御健康を心よりお祈りいたします。
 十二月七日                     舘山文雪

江戸千家見学会

謹啓 色とりどりの落ち葉が美しくなりました。先日玉林院様とご一緒させていただきました大日本茶道学会の遠山と申します。
 この度は心温まるおもてなしを有り難うございました。風情ある佇まいとセンスある室礼に感動いたしました。こちらでお稽古をされていらっしゃるお弟子様方を羨ましく思いました。後に名心庵自会記の御本を拝見し仙翁前会長がお客様で写っていらしたり、天心茶会、護国寺月光殿など興味深いものでした。またいつの日か月釜にお伺いできればと思います。師走の忙しい日々と存知ます。どうぞ御身おいとい下さいますようお祈り申し上げます。  かしこ
 十二月十二日
        遠山三穂子拝

師走の月釜

 拝啓 ここ数日の雨で、八王子の拙宅の周りの樹木は落葉し、寒々とした気配となりました。
 十二月十八日には月釜に、私と助教深石をお招きいただき、大変貴重な経験をさせていただきました。極めて和やかな雰囲気の中、同席の茶人方の導きも有り、深く感動的な経験をさせていただきました。
 特に中立の後、後座において、床の竹花入に生けられた花(紅葉したブルーベリーと白い椿)の迫力には息をのみました。又初めての経験でしたが濃茶の碗の中の色合いとその深い味わいにも衝撃を受けました。
 茶事の大きな流れの中で、お茶を味わい、茶室と露地を体験するとともに、宗匠やご子息、奥様、そして同席の方々と、かけがえのないひと時を過ごす事ができました。ありがとうございました。
 翌日十九日には、根津美術館特別展「江戸の茶の湯—川上不白生誕三百年」を拝見してまいりました。また、宗雪宗匠の『茶人川上不白』も拝読し、この御執筆が大学の卒業論文であることに、僭越ながら宗匠の江戸千家を率いるお覚悟がひしひしと伝わってまいりました。最終日、二十三日にも再度特別展を見せていただき、再確認をしてまいりました。
 「中原暢子」研究の一助としてお願いした月釜への参加でありましたが、余韻大きく、茶の湯自体への興味を広く開いていただきました。深くお礼申し上げます。
 今年もあとわずかとなりました。寒さ厳しくなりつつあるこの頃、御自愛ください。                      敬具
 十二月二十五日
 東京家政学院大学名誉教授              杉本 茂
  同大学助教                    深石圭子

観桜小宴

 拝啓 穏やかな日和のなか、本日は家内共々快いお時間をご一緒させていただき有り難うございます。世間の話題はコロナウイルスに席巻されておりますが、それを意識させない話題の席は、現在では貴重な空間であり、かつ心置きない楽しいお時間でございました。厚く御礼を申し上げます。
 早咲きの桜が満開の上野公園入り口は観桜の準備も進み、華やかな春色に彩られていましたが、花を見る客はまばらで、事態は理解出来ますが一抹の寂しさは避けられませんでした。しかし本日の席は、茶の湯、特に家元の江戸千家の将来を俯瞰する話題にまで及び、まさに明るい期待に満ちて快く、伺っている私までも心安らかに感じました。家元のお口添えで、久し振りに嗜んだワインの酔い心地も手伝って、わざわざ河田町までお送り下さいました新柳様のお車の中も心が弾み、話題も豊富に、気持ちが和みました。
 春爛漫の好季節をむかえますが家元御夫妻には一層のご健勝をお祈り申し上げます。                      敬具
 三月十二日                     大釜茂璋

メール懐石

 ウイルス殺菌には摺りおろしニンニクが効果的らしいですね。普段なら臭いが気になって使用が躊躇われますが、どうせ自粛だし……。
 昨日はタケノコを掘ってきて煮物とご飯。鰹のたたきに摺りおろしニンニク、光子のイカの塩辛。
 今日は「鹿六」のデリバリー鰻丼一個と鰻巻き一本を光子とはんぶんっこ! 明日は何を食べようかな〜 暇だな〜。早くお稽古再開できると良いなあ。  
 四月十一日                     瀬古伸廣

〝自粛〟の茶

 家元、ご家族の皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。こちらからご挨拶すべきところお見舞いのお便りとお抹茶をいただいて誠に恐縮でございます。お陰様で、家元邸の若葉や釣釜からのぼる湯気に想いを巡らせることが叶いました。
 我が家四名外出自粛ですが元気にしております。夫はちょこちょこ外出しなくなった私をやっと「家内」になったと申しております。二人で毎日体操十種の中から二つずつ選んで体操するのを日課にしております。ありがとうございました。
 家の稽古も三月から休みにしておりますが、社中の皆さんが元気が出るように、テーブル茶のお点前を手紙で伝え、それぞれで楽しんでおります。いつまで続くのかわからない不安な毎日ですが、きっと乗り越えた時に味わえる幸福な時を信じて頑張ります。家元、皆様ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。お目もじ叶う日を愉しみにしています。
 四月二十七日                    土屋宗葉

オンライン茶会

 拝啓 紫陽花の咲く候となりました。先日のオンライン茶会に参加させていただきまして、有り難うございました。家元始め皆様お変わりないご様子、嬉しく存じました。画面を通して沢山の皆様のご様子が見られてよかったです。バラエティ番組を観ている感じではなく、お茶会に参加している気分で着物で和室に座して拝見致しました。自服の茶もいつもより美味しく感じられました。もう少し家元のお話が聞きたかったです。お身体くれぐれもご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
  五月十一日                    長井宗渓

オンライン稽古

 土曜の昼下がり、心和むひとときを有難うございました。 小津安二郎監督の描いた、美しい家族の日常を思わせます。感銘を受けました。
 五月二十三日                    水口宗甫

オンライン茶会

 川上新柳先生  遅ればせながら参加させていただいたオンライン茶会、楽しい時間になりました。アナログ世代の小生、チャットに書き込みができず、傍観者みたいでした。でも皆様のお元気な様子、嬉しく拝見させていただきました。この時期「オンライン茶会」最新・最高です!
ウイルスが隔てる距離や若葉風
 五月二十四日                    沢田宗彦

家元 花月の間 三月飾り


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