高田ー展観席
昭和三十六年五月二十一日、故宗鶴先生の御来駕をいただき、小川草雪前支部長を柱にこの会の結成をみました。六十余名が集ったこの日、床にはお持ち戴いた流祖の画像を掛け献茶が行われました。会場「やすね」の庭の新緑が目映く前途を祝福しているようでした。
五周年には、宗雪宗匠、濱谷先生ご夫妻をお招きし、今はなき「高田館」で、十周年は「センチュリーイカヤ」、ご主人荻野先生の一席は、幽閑な和室で、庭園を眺めながらの落ち着いた席でした。
十五周年は赤倉へ持ち出し、荻野先生は別荘を開放されての大炉の点前で、妙高を背景に大自然を満喫しての茶会日和でした。二十周年は会場は「やすね」にて、お家元席は台子総飾りで行われました。
二十五周年には小川草雪の永年の功労に対し宗匠より感謝状が贈られ、二代支部長に小川紫雪が任ぜられました。茶席は三席、高田ゆかりの品々を並べた展観席も設け、意義のある会となりました。三十周年には蓮鶴先生にもおいでいただき、お祝いに相応しい席となりました。三十五周年は永年の役員の方々に、「雪・月・花」の三席を、四十周年は永年役員を務められた方々に宗匠より色紙が贈られました。四十五周年には床に翁の三幅対を飾るなど華やいだ二席でした。そして今年五月十五日、待望の五十周年が開催される運びとなりました。
改めて書いてみれば、これだけのことですが、色々のことが彷彿と懐古され、歳月は人を待たずと痛感致します。
家元席床
家元席
床 大龍宗丈筆 巌上飛白雲 花 大山蓮華 花入 古銅 鶴首 香合 好欅 宝珠 木地長板飾り 風炉釜 切合せ 水指 信楽 一重口 茶入 薩摩 銘 残雪 袋 紺地嵯峨桐金襴
茶杓 不白作 六玉川の内 天明五年越州高田へ発送之 不白六十七才造之トアリ 歌銘 山城 駒とめて猶水かはん山吹の はなの露そふ井手の玉川 茶碗 のんこう 黒 一燈箱 銘 さざれ石 建水 塗曲 蓋置 黄瀬戸 竹節 御茶 星峰 八女星野園詰 御菓子 浮島 銀座空也製 器 染付芙蓉手 小鉢
新潟席床
新潟席
床 土田麦僊 菖蒲の絵 銀湯沸 沢田宗味作 高麗盆 音丸耕堂作 茶器 朱 池田巌作 茶碗 黒 楽吉左衛門作 名心庵 銘 玄龍
茶杓 名心庵作 共筒箱 銘合歓 建水 熊の手 ワイオミングにて ワイナリーカープドッチ紅白ワイン カナッペいろいろ
高田席床
高田席
床 薫風 当代家元 花入 銘 芦辺 不白作 花 鯛釣草 鉄線 香合 堆朱 明朝期 釜 千本松 大西浄雪造 寒雉極 風炉 鳳凰 風炉先 遠州好 棚 雲鶴 蓮鶴先生喜寿記念 能作 水指 亀甲型(染分) 家元好 五智窯
茶器 青貝花蝶棗 茶碗 高麗 替 雪輪紋 (支部発会之折)陶斉 茶杓 鶴羽 織田有楽 建水 砂張 李朝期 蓋置 雲錦 今泉今ヱ門 御茶 式部の昔 小山園詰 お菓子 著蕷饅頭 大杉屋製 器 梅型盆 能作
平成二十三年五月十四日、直江津駅前のセンチュリーイカヤ「飛天の間」において記念式典が開催されました。参列者百五十余名。
支部長の挨拶の後、お家元のお言葉を賜り、祝辞として北條宗幽様(上越茶道会顧問)から、戦後の高田における茶道の歴史についてうかがいました。続いて遊心堂社長深田正明様には、江戸千家の不白流の茶の湯は、高田藩榊原候茶頭荒井氏によって伝えられ、高田と江戸千家は強い絆のもとに歩んで来たお話をうかがいました。
式典の後の余興は、お家元の「篠笛」演奏、高田不白会有志による上杉謙信公を讃えた春日山節、日本舞踊、七福神くじ引きなど、会場は熱気に包まれました。
高田不白会は、五十一年への歩みを始めました。これからも半世紀に及ぶ歴史を大切に、会の一層の発展をはかる所存でございます。
小川支部長挨拶